フルフィルメントサービス4社を比較!おすすめや比較時のポイントも解説

ECのミカタ編集部

フルフィルメントサービス4社を比較!おすすめや比較時のポイントも解説

フルフィルメントサービスの導入を考えている企業では、事業者の選び方や比較ポイントが気になる場合もあるだろう。フルフィルメントサービスは、ECサイトの運営にあたり商品の受注から発送完了まで、一連の物流業務を委託できる一方で、得意とする企業規模や業界はサービスによって異なる。そこで今回は、フルフィルメントサービス4社を比較するとともに、サービス選定時のポイントを紹介する。

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目次

●フルフィルメントとは?
●フルフィルメントサービスを選ぶときの比較ポイント
●フルフィルメントサービスのおすすめ4選を比較
●まとめ

フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、一般的に「ECサイトにおける商品の受注から配送を完了するまでの一連の物流業務」のことを指す。フルフィルメントサービスに委託できる業務を細分化すると、以下のようになる。

・ECサイト構築、保守、運用
・仕入れ、生産
・注文受付、受注管理
・在庫管理
・ピッキング、流通処理
・検品
・梱包
・配送
・決済処理
・返品交換対応
・カスタマーサポート、クレーム対応
・顧客データ管理、CRM運用
・越境EC対応

受注から配送、顧客対応、分析などさまざまな領域を担うフルフィルメントサービスは、扱う商品数の増加や保管・出荷業務が煩雑化してきた企業におすすめだ。また、物流業務に追われコア業務への注力が難しい企業、ECサイトを始めて間もない企業にも向いているだろう。

フルフィルメントサービスのメリット・デメリット


フルフィルメントサービスを導入する最大のメリットは、一連の業務をまとめて委託することで業務の効率化を図れることだ。これまで物流業務に費やしていた時間を、その他の基幹業務に充てられるため、売上の拡大や品質の担保だけでなく、顧客満足度の向上にもつながるだろう。

一方で、デメリットとなり得るのは、自社に業務のノウハウが蓄積されないことである。一度外部に委託した場合、後から社内で行うことは難しいため注意が必要だ。また、顧客との直接的な接点が減ることにより、顧客に合わせた柔軟な対応も難しくなる可能性もある。

関連記事:フルフィルメントとは?勘違いしない基本情報まとめ

フルフィルメントサービスのおすすめ4選を比較

おすすめのフルフィルメントサービス4つを比較してみよう。

物流フルフィルメントサポート(株式会社スクロール360)


株式会社スクロール360が提供するフルフィルメントサービスは、「物流・発送代行、リピート通販物流、分散出荷、受注代行、EC運営支援、決済代行」といった物流・発送代行が可能だ。加えて、通販基幹や一元管理を行う「システム」、集客支援や越境ECを行う「マーケティング」の業務も連携できる。EC店舗運用が窓口一つで完結するため、業務効率を大幅に上げられる。また、各企業や商品に応じた複雑な作業や提案にも対応している。

料金プランは、「パッケージタイプ」と「カスタマイズタイプ」の2つで展開しており、目安となる出荷数により、選択するプランを検討するとよい。詳細を知りたい方は、問い合わせてみるとよいだろう。

参考:フルフィルメント

ロジスティクス(トランスコスモス株式会社)


「ロジスティクス」は、企業独自で開発・カスタマイズされた受注およびロジスティクスの管理システムを基盤としており、さまざまな業界のECフルフィルメントを行っている。商品が消費者の手元に届くまでの「入荷・保管・梱包・出荷」といったロジスティクス業務に限らず、「ラッピング包装・メッセージカード梱包」など各ブランドに合わせた流通加工などの提供ができるのも特徴の一つだ。ほかにも、「店舗運営、マーケティング、サイト制作、バックオフィス業務、コールセンター(コンタクトセンター)業務」などと連携できる。

運用コストは、配送費が「60サイズ以下」で300円~で、サイズにより最低料金は異なる。作業項目では「出荷」に1件あたり220円、「保管」に1月あたり2,000円~など項目によって異なるため、気になる方は調べてみよう。

参考:トランスコスモスの「ロジスティクス」

Rakuten Super Logistics(楽天グループ株式会社)


楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、「入荷、納品・出荷指示、出荷」を代行するサービスだ。ほかにも、「商品期限管理(消費期限)」「ギフトラッピング」「チラシ」「販促物封入」「コンテナ入庫」などもオプションで利用できる。「物流コスト推移」や「長期保管傾向」など4つの機能からカルテを作成し、改善すべき課題の特定につなぐことも可能だ。また、RSLを利用するにあたり、店舗と倉庫をつなぐための受注管理システムも導入し、受注確認から出荷作業が効率化を図れる。

料金体系はシンプルで、「在庫保管料」「出荷作業料」「配送料」の3つから構成されている。例として、「10日間保管した靴を、80サイズで出荷」する場合、「在庫保管料」19円、「出荷作業料」80円、「配送料」380円、計479円となるので、参考にしてほしい。

参考:楽天スーパーロジスティクス(RSL)

フルフィルメント by Amazon(アマゾンジャパン合同会社)


フルフィルメントサービス by Amazon(FBA)は、商品の「受注、ピッキング、梱包、発送、カスタマーサービス」を代行するサービスだ。同サービスを利用することで、商品は「アマゾンプライム対象商品」として扱われ、当日配送などお急ぎ便の対象となる。プライム対象商品を探す消費者に、より選ばれやすくなるだろう。配送方法を「Amazonによる配送」「出品者による配送」「Amazonと出品者を組み合わせて配送」の3つから、自社に最適な方法を採用できるのも一つの特徴だ。

費用は、Amazonへの出品に商品1点あたり100円が発生し、毎月49点以上を販売する場合に月4,900円の月額制となる。配送料や在庫保管手数料は商品の大きさによって異なる。なお、2023年3月1日より販売手数料およびFBA配送代行手数料が変更されるため、注意が必要だ。

参考:フルフィルメント by Amazon

フルフィルメントサービスを比較するときのポイント

フルフィルメントサービスを比較する際、注意すべき点はあるのだろうか。ポイントを紹介しよう。

目的に合ったサービスを選ぶ


はじめに、フルフィルメントサービスの導入目的を明確化しよう。サービスを提供する企業によって、対応している業務や得意な業務分野は異なる。自社の課題や目指す形態を洗い出すことで、その目的に合ったサービスが見つけられるだろう。

フルフィルメントサービスの内容を確認する


各サービスの内容を確認することも大切だ。「取り扱う商品に適した保管方法か」「利用できる決済方法や配送方法は何か」など、自社商品や業界に特化した事業者であるかを確認しよう。また、受注から発送までに加えてマーケティング支援も依頼したいなど、「委託したい業務を網羅しているか」も比較してみるとよい。

費用対効果のバランスを考える


フルフィルメントの費用は、保管やピッキング、梱包など項目ごとに料金が設定されている。自社で発送したときと、外注したときのコストを比較してみよう。自社コストを割り出す場合は、発送にかかわる人件費なども考慮する必要があるため注意したい。かかる費用に比べて、自社のメリットが少なければ導入に成功したと言いがたいため、費用対効果のバランスを比較してみよう。

サポート体制を確認する


外部に商品の保管や発送を委託すると、商品の状態をリアルタイムで把握しにくい場合がある。「商品状況の報告頻度はどのくらいか」「業務に関する報告があるか」など、サポート体制も確認したいポイントだ。

また、顧客からの問い合わせ業務も委託する場合は、対応方法を確認しよう。委託業者の対応が自社の印象にもつながるため、サービスに柔軟性があるか事前の確認が必要だ。

倉庫の場所や拠点数を確認する


倉庫の場所や拠点数によって料金形態も異なる。都心にあれば発送は早いが料金が高騰するなど、主要都市でも中心部と郊外では大きく差があることも考慮したい。予算に見合ったサービスを見つけよう。

ほかにも、商品の保管場所を直接視察することも大切だ。商品の保管状態によっては後に購入者とトラブルになることも想定されるため、倉庫内は整備されているかや、商品を保管するのに適切かなど実際に目で見て確認しよう。


まとめ

フルフィルメントとは、受注から配送までの物流におけるさまざまな工程を委託できるサービスのことだ。サービスを提供する企業によって対応している分野や強みは異なるため、おすすめ4選や比較するときのポイントを参考に、導入するサービスを検討してみてはいかがだろうか。

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