α-発注が「AI計算情報」機能を追加、販売傾向をテキストでお知らせ

ECのミカタ編集部

株式会社infonerv(本社:東京都杉並区、代表取締役:江田研人、以下「infonerv」または「同社」)は、同社の「α-発注」について「AI計算情報」機能の提供を開始したことを公表した。

AIが検知した販売傾向を表示

infonervは、同社の自動発注AI「α(アルファ)-発注」について、AIが商品の販売傾向を自動検知して説明する「AI計算情報」機能の提供を開始した。「α-発注」は、EC・卸売り・メーカー・商社向けの自動発注AIだ。「α-発注」を利用して発注リストを作成することで、過剰発注や在庫切れによる売り逃しなどを効率よく削減できる。2021年5月からサービスの提供を開始し、化粧品、アパレル、家具、雑貨や小物など幅広いジャンルで導入が進んでいる。

今回、提供が開始された新機能では、AIが検知した販売傾向が表示される。たとえば、「季節物のシーズンが近づいている」「以前に比べて販売数が大きく増減している」といった販売傾向をAIが自動で検出し、判断に必要な統計情報(昨年同時期販売数との比較など)と共に「AI計算情報」として表示する仕組みだ。

これらの情報はα-発注の自動発注計算にも反映されているが、ユーザーが発注量を確認したい際に必要な数値情報をすぐに参照することができるようになった。また「販売頻度が小さいにもかかわらず突発的に売れている商品」「安定して売れている商品」といった商品の販売パターンも検出して教えてくれるため、ユーザーが在庫戦略を考える際の指標として役立てることもできるとしている。

SKUの販売傾向の理解をよりスムーズに

SKUの販売傾向の理解をよりスムーズに

「α-発注」のメインユーザーである小売業や卸売業の事業者は、直近の過去の販売数だけでなく商品の性質も考慮して発注量を決定しているという。例えば、「この商品の先月の販売数は30だったが、これから夏に向けて販売数が伸びる傾向にあるから、今月は先月より多めに発注する必要がある」「この商品は春に販売数が伸びるので多めに発注していたが、これからの時期は販売数が落ちるから、今後は過剰在庫にならないように発注量を抑えたい」という意思決定が多くの事業者で行われているそうだ。

このような発注量の決定方法は、1つ1つのSKUの販売傾向を理解しなければならないため、ベテランの発注担当者でも非常に時間がかかる上、担当者の癖やムラも発生しがちだ。さらに、こうした事情も含めて発注業務を新しい担当者に引き継ぐことは難しく、属人化が進む大きな原因になっていたとのことだ。

AIを用いた自動化の世界では、AIをブラックボックスとして利用するのではなく、「説明可能なAI(Explainable AI)」として実装することが重要視されており、ChatGPTに代表されるLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の出現により、AIの説明力をどう上げるかにも視線が注がれている。

「α-発注」では、こうした背景を受け、ユーザーに必要な情報を収集し提示する独自技術により「AI計算情報」表示を可能にしている。同社は、発注・仕入を行う全ての事業者の負担を軽減できるよう機能の強化を進めていくとしており、ECで活用できる「α-発注」の今後の進化にも注目と言えそうだ。


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