ネットプロテクションズ NP後払い、「DeNAショッピング」公式決済に
ネットプロテクションズ(NP)は、後払い式決済サービス「NP後払い」がディー・エヌ・エーの運営する仮想モール「DeNAショッピング」の公式決済サービスとして採用され、11月14日から同仮想モール出店事業者へのサービス提供を始めた。「NP後払い」が有力仮想モールの公式決済サービスに採用されるのは今回が初めて。NPでは、受注管理システム事業者との連携強化などを通じ、「NP後払い」の導入企業拡大に力を入れているが、「DeNAショッピング」の公式決済サービス化で、アパレルなど多様なネット販売事業者の取り込みを図る構えだ。
NPによると、昨年11月頃からDeNA側と決済面での連携に関する協議を開始。「NP後払い」および「DeNAショッピング」の主要客層が30代前後の女性で共通していたことが、今回の公式決済サービス化の大きな要因だという。
また、「DeNAショッピング」の場合、モバイル端末からの利用が全体の約7割を占めるが、クレジットカード決済の場合、画面遷移数が増えカード番号を手軽に入力しづらいといった課題があった。これに対し「NP後払い」では、今年3月から本格的なモバイル対応を開始。住所や電話番号などの簡易な情報入力で済み、クレジットカードを持たない若年層顧客が利用しやすいことなども、今回の連携を実現させる背景となったようだ。
「DeNAショッピング」の出店事業者は、クレジットカード決済、銀行振込や郵便振替などの前払い決済、代引きのほか、"その他決済"として1種類の決済手段を選べるが、これまで「NP後払い」は"その他決済"に属していたため、同サービスを選択すると他の決済サービスを導入することができなかった。
だが、今回の公式決済サービス化により、「NP後払い」を使いつつ他の決済サービスも導入できる仕組みが整備。出店事業者側からすると、顧客の利用決済手段の選択肢拡大による販売促進効果も期待でき、NPによると、すでに約100社からサービス導入の申し込みがきているという。
サービス提供事業者がネット販売事業者に商品購入代金を立て替え払いし顧客から代金回収する後払い式決済サービスを提供する事業者が幾つかあるが、若年層ユーザーが多いモバイル通販は未回収リスクが高まるため、対応しないケースもある。
これに対しNPでは、累計ユーザー数3000万人超の与信データや取扱件数を背景に、未回収リスクを軽減・吸収する体制を構築。モバイル通販の本格的な対応を開始して以降、スマートフォン経由のサービス利用も増加傾向にある状況だ。
「NP後払い」は、健康食品や化粧品での利用が多いが、NPでは今後、アパレルなどより幅広い商材でも定番の決済サービスとして利用されるよう、導入事業者の拡大を推進。流通総額を増やすツールとして、他の有力仮想モールにも公式決済サービス化などの打診を行っていく考えだ。