JALと住友商事、旅行者を対象とした衣類シェアリングサービスの実証実験を開始 持続可能な観光を推進

ECのミカタ編集部

インバウンド向け衣料シェアリングAny Wear, Anywhereの実証実験開始について

日本航空株式会社(以下:JAL)と住友商事株式会社(以下:住友商事)は、JAL運航便を利用する海外から日本への旅行・出張者を対象とした衣料シェアリングサービス「Any Wear, Anywhere」(以下:本サービス)を提供し、本サービス利用に伴う環境価値を計測する実証実験を開始する。

旅行・出張をよりサステナブルなものに変える

本サービスは、渡航先で衣類をレンタルすることで、少ない荷物での移動体験の提供と、それに伴う環境価値創出をコンセプトとしている。

本サービスの利用を広げることで、渡航先における衣食住の全てについて現地のものを利用できる環境を整え、旅行・出張をよりサステナブルなものに変えていくことを目指す。

住友商事は今般、本サービスの実現に向けた予約システムの開発、衣類の調達・管理を担うとしている。衣類は日本国内で滞留しているアパレルの余剰在庫や古着を活用することで、シェアリングを通じてサーキュラーエコノミーに貢献。JALは本サービスの利用によって、顧客の預け入れ荷物重量の変化をモニタリングし、環境負荷低減効果(飛行機重量の削減によるCO2排出量の削減効果)を検証する。

◆本サービスのコンセプトイメージ

約2カ月に渡り実証実験を行う

本実証実験の概要については、以下の通りとなっている。

◆実証期間:2023年7月5日~2024年8月31日(予定)

◆利用方法
▷「Any Wear, Anywhere」の予約サイトにアクセス

▷Reservationページから訪日シーズンや用途に合った衣料セットを選択

▷JAL運航便の予約番号、衣料セットの受取日・返却日、受け取りたい滞在先情報等を入力し決済
(※渡航予定日の1カ月前までに要予約。また、返却日は受取日から原則2週間以内)

▷少ない手荷物でJAL運航便に搭乗

▷ホテルで予約した衣料セットを受取り、返却

持続可能な観光を推進

約3年間に渡るコロナ禍を経て、昨今ではようやく再び飛行機での移動が増えつつある。その一方で、「持続可能性」への関心の高まりと共に、観光においてもサステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)を推進する動きが世界中で活発になってきた。

旅行先や宿泊先、移動手段などについて、よりサステナブルな選択をしたいと考える旅行者が増えているが、その選択肢はまだまだ豊富とはいえない状況だ。例えば、現在渡航先における衣食住のうち、食はレストラン、住はホテルなど現地のものを利用できるが、衣類は自宅から持参することが一般的となっている。

JALグループは2030年に向けた「JAL Vision 2030」にて、自らの手で「安全・安心な社会」と「サステナブルな未来」を創ることを掲げ、ESGを経営戦略の軸に据えて取り組んでいる。

そして住友商事は、Beyond Mobility (=Mobilityと異業種とのかけ合わせ) 領域において、社会課題やテクノロジーの発展を踏まえた中長期な視点から、次世代の収益の柱となる事業開発に取り組んでいる。

両社が進める本実証実験は、ファッションロスの解決を目指すウィファブリック株式会社と、日本のクリーニング業の発展に寄与してきた白洋舍の強力のもと進められる。

旅行に必要な「衣類」に着目した本サービスは、旅行のあり方を根本から変える画期的なサービスになるかもしれない。実証実験の結果、今後の動向に注目したい。


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