PayPayが台湾の3つのキャッシュレス決済と連携でインバウンド需要取り込みへ

ECのミカタ編集部

PayPay株式会社は、2023年10月以降、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を導入する全国のPayPay加盟店のうち、ユーザースキャン方式(MPM ※1)を利用する店舗において、新たに台湾のキャッシュレス決済サービス「JKO Pay」「PXPay Plus」「E.SUN Wallet」との連携を開始することを発表した。実際の利用方法をはじめ各サービスとの連携に際しての詳細は、後日改めて公表される。

訪日ユーザーと加盟店、双方の利便性向上に期待

訪日ユーザーと加盟店、双方の利便性向上に期待

2023年10月以降、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を導入する全国のPayPay加盟店のうち、ユーザースキャン方式を利用する店舗において、台湾のキャッシュレス決済サービス「JKO Pay」「PXPay Plus」「E.SUN Wallet」が使えるようになる。これにより、インバウンド需要を取り込む狙いがある。

連携する決済のうち、「JKO Pay」はユーザー数が620万人を超え台湾国内で最も広く利用されており(2023年8月時点)、その普及度の高さと利便性が評価されているもの。

一方、「PXPay Plus」は台湾大手スーパーのキャッシュレス決済サービス(ユーザー数400万人超:2023年8月時点)。そしてもう一つは銀行業界の中でクロスボーダー決済を積極的に推進し、優れた成果を上げている玉山銀行の「E.SUN Wallet」(ユーザー数250万人超:2023年8月時点)だ。

台湾の大手キャッシュレス決済サービスとのシームレスな接続を実現することで、訪日観光客にとって便利な決済体験を提供するとともに、加盟店側においても言語の異なる訪日外国人へのスムーズな対応を可能にする。

2023年4月には新型コロナウイルス感染症の拡大による日本への入国制限が解除され、日本政府観光局(JNTO)によると2023年6月の訪日外国人は、新型コロナウイルス感染症の拡大により訪日外客数が大幅に減少した2020年2月以降、初めて200万人を突破し、2023年上半期の訪日外客数は1000万人を超えた。地域別では、台湾をはじめとした東アジア地域からの訪日外客数が増加しており、2023年1月から7月の訪日外客数のうち台湾は219万人で、韓国(375万人)に次ぐ2位となっている(※2)。また、2023年4月から6月の地域別にみる訪日外国人旅行消費額では、台湾が1位となっている(※3)。

PayPay加盟店にとってもチャンス拡大に

訪日外国人の増加に伴い、すでに「PayPay」と連携をしている「Alipay+」経由で「Alipay」、「AlipayHK」と「Kakao Pay」の決済取扱高も拡大基調にある。今後さらなるインバウンド需要の回復が見込まれるなか、新たに「HIVEX[R]」ネットワークと接続し、パートナーウォレットである「JKO Pay」「PXPay Plus」「E.SUN Wallet」との連携を開始することで、台湾のキャッシュレスサービスを通した決済を取り込み、加盟店の売上向上に寄与する、としている。

PayPayでは、インバウンド需要の取り込みを目指す加盟店への支援を目的とし、2018年10月の「PayPay」提供開始と同時に、海外のキャッシュレス決済サービスの利用者がPayPay加盟店で決済できる環境を整えてきた。「PayPay」のQRコードから海外のキャッシュレス決済サービスを使って決済する際、商品やサービスの代金を日本円で入力すると、自動的に各国の通貨に換算され決済できるので簡単に買い物ができ、加盟店側も言語の異なる訪日外国人への対応がスムーズになるなどのメリットがある、としている。

10月から始まる、今回の新たな連携。台湾から訪日する人の利便性を高めつつ、迎え入れるPayPay加盟店にとってもチャンスの拡大になることが期待される。

<注>
※1 MPM=Merchant Presented Mode
※2 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2023年7月推計値、2023年8月16日発表)」より
※3 観光庁「2023年4-6月期の全国調査結果(1次速報)の概要(2023年7月19日発表)」より


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