キューピー通販サイトでスキンケア市場へ

この記事のまとめ

・食品会社キューピーが化粧品市場に参入。
・近年他業種から化粧品業界参入する企業が増加傾向に。
・その理由と今後の展開は…

食品大手が独自技術を化粧品に投入

食品大手のキューピー株式会社が化粧品市場に参入すると発表した。通販事業を手がけている子会社の株式会社トウ・キューピーが運営する、通販サイト「キューピーアヲハタネットショップ」を通じ、新たなブランド「キュートピア」を立ち上げる。従来、健康食品や介護職が中心だった同サイト内で、化粧水や美容液などの販売を開始する見通し。

キューピーは1980年代よりヒアルロン酸の研究を開始していた。国内の卵の約一割を消費することなどもあり、鶏と関連が深く、鶏のトサカよりヒアルロン酸を抽出する技術などを開発していた。その後、微生物発行法なども加え、原料メーカーとして食品会社、化粧品会社、医療品会社などに向けヒアルロン酸を販売していた。
今回、これまでに培ってきた技術や生産力を活かし、新たに自社ブランドを設立し、自社開発の化粧品の市販化を決めるにいたった。

ミスト上化粧水の「モイスチャーミスト」は、独自開発した肌の角質層まで浸透する低分子型のヒアルロン酸「ヒアロオリゴ」を配合。美容液の「ピュアヒアロ」は、肌の表面を膜のように覆い水分の蒸発を防ぐ高分子型のヒアルロン酸を配合している。ターゲット層は、肌の乾燥に敏感な40代位上の女性。
価格は、「モイスチャーミスト」が80mlで3,780円。「ピュアヒアロ」が30mlで5,400円。どちらも通販サイト「キューピーアヲハタネットショップ」で販売開始予定だ。

増加傾向にある他業種からの化粧品業界参入

昨今、冨士フィルム株式会社やライオン株式会社など、他業種メーカーによる化粧品市場参入ケースが目立っている。元々化粧品業界は、小ロットから製作が可能で参入障壁は低い方であり、技術とノウハウさえあれば比較的着手しやすい分野であった。昨今の流れは、今まで他分野で培った技術を化粧品企業に素材として提供していた各企業が、自社での独自開発にベクトルを向けた結果といえる。
今後、思いもよらない他分野の企業が参入してくる可能性もあり、またその異分子混入が化粧品業界に与える影響も出てくるだろう。ネット販売が主な販路のケースが多いが、流れが順調に展開していけば実店舗販売にも至るかもしれない。