最大で60%短縮も? 三井住友カード、コンタクトセンターで生成AIの本番利用を開始

ECのミカタ編集部

三井住友カードとELYZA、コンタクトセンターで検索拡張生成技術を用いた生成AIの本番利用を開始

三井住友カード株式会社(以下:三井住友カード)と大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進める株式会社ELYZA(以下:ELYZA)は2024年7月2日、三井住友カードが運営するコンタクトセンターにおいて、ELYZAの提供する、検索拡張生成(RAG)技術(※1)を用いた生成AIの本番利用を開始したことを公表した。
※1:LLMによるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上
させる技術

問い合わせ対応を最大60%短縮見込み

本生成AIはELYZAが開発するLLM実用化プラットフォーム「ELYZA App Platform」経由で提供。三井住友カードのコンタクトセンターに寄せられるお問い合わせに対し、検索拡張生成技術を活用して社内データを検索(探索AI)し、回答の草案を自動で生成するものである。

2024年6月末よりコンタクトセンターのメール回答業務で利用を開始しており、年内には同様の生成AIをチャットでの問い合わせにも展開予定。最終的には、オペレーターの生産性向上効果として、顧客からの問い合わせ対応にかかる時間が最大で60%程度短縮される見込みである。

※画像元:生成AI技術を活用し、コンタクトセンター業務の高度化・効率化を促進(三井住友カード株式会社)

リスクを抑えながら活用できる点を評価

キャッシュレス決済の普及拡大が続く中、三井住友カードでは2023年度の新規申込みが500万件を超えるなど、多くの顧客に利用されている。

こうした状況において、三井住友カードのコンタクトセンターには、利用に関する内容などをはじめ、月間約50万件を超える問い合わせが寄せられるという。そのため、対応品質と対応可能件数の向上が急務に。近年急速に進展する生成AIの活用によって、コンタクトセンターの業務高度化・効率化に寄与、顧客対応品質の向上が望まれていた。

三井住友カードは「ELYZAが提供する生成AIは、RAG技術等の高度活用が可能でありながら、独自のLLM活用基盤に支えられた堅牢な生成AIのため、セキュリティ基準の高いコンタクトセンターでもリスクを抑えながら活用できる点を評価し、導入に至りました」と述べる。

すでに多くの現場において生成AIによる業務効率化、作業品質の向上が実現している。クレジットカード業界における、生成AIを活用した取り組みとして今後の動向に注目が集まるはずだ。


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