2024年上半期の物価高倒産は過去最多の「484件」 帝国データバンク調査

ECのミカタ編集部

物価高倒産、半期最多の484件

株式会社帝国データバンク(以下:帝国データバンク)は2024年7月8日、2024年上半期の「物価高」倒産(※1)が484件と半期ベースで過去最多を更新したことを公表した。
※1:法的整理(倒産)企業のうち、原油や燃料、原材料などの「仕入価格の上昇」、取引先からの値下げ圧力等で価格転嫁できなかった「値上げ難」などにより、収益が維持できずに倒産した企業を集計。

「建設業」の124件が最多

24年発生分を業種別で確認すると「建設業」の124件が最多となった。木材などの建築資材に加えて人件費の上昇による影響が目立ち、総合工事や職別工事などの業種で多く発生した。

※画像元:「物価高」倒産動向調査(2024年上半期)(株式会社帝国データバンク)

「製造業」(109件)は食材価格の高騰を背景に食料品・飼料・飲料製造で増加。「運輸・通信業」(91件)では燃料費などエネルギーコストの上昇が響いたほか、「小売業」(80件)では飲食店や飲食料品小売の倒産が目立つ結果となった。

年間を通して1000件に達する可能性も

上半期に484件という数値は前年同期(375件)を約3割上回っており、現状のペースで推移すると、24年の物価高倒産の累計は1000件に達する可能性があるという。

月次では、23年1月以降50件超で推移しており、24年6月には77件発生。集計を開始した2018年1月から2024年6月までの累計で2000件を超えることになった。

高騰するコストに価格転換が追いついていない状況が見受けられる。帝国データバンクによる別調査(※2)によれば、家計の節約志向の高まりなども今後の景気下振れ要因となると指摘されている。長引く円安など懸念事項が多い中、EC事業者には適切かつ柔軟な対応が求められるだろう。今後の市況動向を引き続き注視したい。

※2 関連記事:3カ月連続の景気悪化は4年1カ月ぶり 2024年6月景気動向(帝国データバンク調査)


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