佐川急便等のSGホールディングス、営業利益は前期比5%増と伸長 2025年3月期第1四半期決算を発表

ECのミカタ編集部

2025年3月期第1四半期 決算説明資料

SGホールディングス株式会社(以下:SGホールディングス)は2024年7月26日、2025年3月期第1四半期(2024年4月~6月)決算を発表した。宅配便の適正運賃収受の取組みは進展する一方、取扱個数は前年同期比で弱いトレンドが継続。フォワーディング事業を営むエクスポランカ社の航空取扱量、海上・航空運賃が上昇したことで、第1四半期の連結業績は前年同期比で増収・増益で着地。営業収益は3185億円(前期比:5%増)、営業利益は187億円(前期比:4.1%増)となった。

2025年3月期第1四半期 連結業績サマリー

第1四半期の連結業績は、前年同期比で増収・増益で着地した。

営業収益に関しては、宅配便の適正運賃収受の取組みが進展する一方、取扱個数は前年同期比で弱いトレンドが継続。フォワーディング事業を営むエクスポランカ社の航空取扱量、海上・航空運賃が上昇。営業利益では、エクスポランカ社の営業損失額が縮小したことが影響を与えた。

※画像元:2025年3月期第1四半期決算説明資料(SGホールディングス株式会社)

デリバリー事業ではBtoB・BtoCともに減少

各事業ごとの業績概要は以下の通りとなった。

◆デリバリー事業
取扱個数は、インフレの進行による実質賃金の低下や、宅配便需要の弱含みが続いていることにより一部で競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、BtoB・BtoCともに減少。平均単価は、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みにより上昇した。

◆ロジスティクス事業
海上・航空運賃は、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱や航空輸送へのシフト等により上昇。航空貨物は上記の地政学リスクの影響や新規顧客の獲得により増加、海上貨物は減少した。

不動産事業では計画通りに伸長しており、保有不動産の流動化は下期に予定。また、その他事業としては大型トラック等の新車販売の減少があったという。これらの結果、今回の営業収益、利益に繋がった。

※画像元:2025年3月期第1四半期決算説明資料(SGホールディングス株式会社)

第2四半期累計の通期業績は修正なし

連結の第2四半期累計の通期業績予想について、営業収益6730億円(前期比:5%増)、営業利益395億円(前期比:2%)と前回予想から修正なしと公表。なお、セグメント別の第2四半期累計の予想前提は一部見直しとした。

◆デリバリー事業 :宅配便個数の見通しを13.8億個から13.6億個に引き下げ、営業収益を下方修正
◆ロジスティクス事業:エクスポランカ社の第1四半期の実績を反映し、営業収益を上方修正
◆不動産事業 :不動産売却計画の変更により、営業収益を上方修正

※画像元:2025年3月期第1四半期決算説明資料(SGホールディングス株式会社)

環境負荷低減に貢献する物流サービスの提供も

また、今回のトピックスとして総合物流ソリューションの高度化などを目的に、株式会社C&Fロジホールディングス(以下、C&F社)株式の84.83%を取得したことを公表(※1)。「トータルロジスティクス」の提供に向け、顧客のサプライチェーン全体をコーディネート、川上から川下まで広がる物流ソリューションを組み合わせて提案するとした。

※画像元:2025年3月期第1四半期決算説明資料(SGホールディングス株式会社)

資源価格の上昇、為替相場での円安の継続、世界的な金融引き締め政策の継続や地政学リスクの拡大など、先行きは依然として不透明な状況が続く中、SGホールディングスは持続的成長を実現するために、以下3点を重点ポイントとして各種施策に取り組むとしている。

◆成長領域への進出や新規事業拡大など成長基盤の構築
◆パートナー企業への委託単価の引き上げなどの社内外リソースの維持・確保
◆省人化・自動化投資や適正運賃収受の取組みの継続など事業を持続的に支えるコスト構造の再構築


2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した物流施設の開発など、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献する物流サービスの提供も進めるとしている。第2四半期を含め、今後の動向を引き続き追っていきたい。

※1 関連記事:佐川急便、C&Fロジを公開買い付け コールドチェーン物流効率化に
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