続々登場? 動画コマースで拡大する表現方法
今、動画コマースに注目が高まっている
ECサイト内に通販番組を設置できるサービスがスタート
今後、動画コマースの活用シーンは……
WEBで魅せる動画による実演販売
先日行われた楽天市場新春カンファレンスで、楽天株式会社代表取締役社長の三木谷浩史氏が講演を行った。その中で、楽天市場に出展している店舗のうち動画コンテンツを掲載する出展者が増加傾向にあり、2014年12月の動画活用店舗の月額流通総額が4,820億円であることを明らかにしたことも記憶に新しい。
動画の活用は今後、商品力にプラスアルファで魅力を伝える表現手段として非常に重要になってくると三木谷氏は続け、楽天市場出展者の動画活用を推進するための機能を追加していきたいと語った。
EC先進国のアメリカでは「JOYUS.com」という動画コマースショッピングサイトが注目されており、アパレルと動画の相性の良さやその成果についてロールモデル的に語られることも増えてきている。国内でも昨今、急速に注目が高まりだした感ある動画コマースであるが、今回非常に興味深いサービスが発表された。
株式会社プレイウィズは、ネットショップ運営者のサイトを「カバーページと動画」で通販番組に変える新サービスを開始した。同時に、先着30名で無料新規モニターの募集も20日22時より行っている。
このサービスは、同社サービスのラインナップである「カバーページ」と「動画マーケティング」を組み合わせ、既存のネットショップをリニューアルすることなく通販番組を設置することが可能なもの。「カバーページ」も「動画マーケティング」もすでに個々のサービスとしては成果が出ているため、これらの組み合わせとなるクロージング力の高い通販番組はさらなる事業収益が期待できる。
先着30名限定のモニター参加については、21日の午前11時に同社に問い合わせたところ10数社がすでに埋まっているとの返答であった。前日22時に募集開始し、翌日11時に役半数は決まるということは、それだけ動画コマースに注目しているEC事業者が多いということではないだろうか。
商品の魅力を動画でアピール
直接モノを手にとって見ることができないことが良くも悪くもネットショッピングの特徴の1つであることは間違いない。その特徴の「悪くも」の部分を改善するため、返品交換保証や多数の画像掲載による視覚的な商品紹介など、様々な手段が講じられている。動画コマースはそれら手段の中でも今最も注目の集まるサービスかもしれない。
動画作成のクラウドソーシングサービスなども出てきている中、今後は中小企業の事業者でも気軽に動画コマースを展開することができ、自社の差別化につなげる企業は増えていくのではないだろうか。
コムスコア・ジャパン株式会社が発表した、こんな興味深いレポートがある。
同社がオンライン上の動画サイトに関する包括的な調査である「ビデオ・メトリックス(Video Metrix®)」で分析したレポートによると、日本は1動画視聴あたりの利用分数が米国の約4倍あり、米国ユーザーに比べ長時間の動画を視聴する傾向にあることが分かっている。米国ユーザーが短い分数の動画を多数視聴する傾向が強い事に対し、日本ユーザーは長い分数の動画を少数視聴する傾向があるとのこと。
いわばインターネット動画の国民性の差でもあろうが、動画コマース展開へのカギが隠されていないだろうか。平均して長時間の動画を視聴する傾向が強いということは、それだけ商品の魅力をアピールできるチャンスも多く含まれているということになる。
今後の国内における、動画コマース状況の変化にはさらに注目が集まっていきそうだ。