半数以上の中小製造業が海外売上の構築・拡大への行動を起こせない理由は? STANDAGE調査

ECのミカタ編集部

【調査レポート】円安が加速し、海外展開支援が活発な今、製造業の機運は?約4割が、海外進出の必要性を実感する一方で、うち54.8%が、具体的な行動を「起こしていない」実態

株式会社STANDAGE(以下:STANDAGE)は2024年9月5日、海外進出をしていない製造業の経営者・役員118名を対象にした、中小製造業の海外展開に関する実態調査結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査名称:中小製造業の海外展開に関する実態調査
◆調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
◆調査期間:2024年8月6日〜9日
◆有効回答:海外進出をしていない製造業(食料・飲料・石けん・合成洗剤・医薬品・化粧品、従業員数100名〜300名未満)の経営者・役員118名
◆出典元:中小製造業の海外展開に関する実態調査(株式会社STANDAGE、まるなげ貿易)

約4割が海外展開の必要性を実感

「あなたのお勤め先の会社では、昨今の円安や海外展開支援などの動きを受けて、海外売上の構築・拡大の必要性を感じていますか。」(n=118)と質問したところ、「非常に感じている」が11.9%、「やや感じている」が23.7%という回答となった。

続いて、「非常に感じている」「やや感じている」と回答した方に、「昨今の円安や海外展開支援などの動きを受けて、海外売上の構築・拡大に対応する行動を起こしましたか。」(n=42)と質問したところ、「行動を起こした」が38.2%、「行動を起こしていない」が54.8%という回答となり、半数以上が対応を行っていない状況が明らかとなった。

販路開拓に課題を抱く

先の質問にて「行動を起こした」と回答した方に、「昨今の円安や海外展開支援などの動きを受けて海外売上の構築・拡大のために起こした行動を教えてください。(複数回答)」(n=16)と質問したところ、以下回答が上位に並んだ。

◆海外展示会に出た:31.2%
◆自社の商品にマッチした海外市場を分析・策定をした:25.0%
◆越境ECを検討・実施した:25.0%


続いて「海外展開の行動を起こした際に発生した課題や問題を教えてください。(複数回答)」(n=16)と質問したところ、「販路開拓が難しい」が43.8%、「現地の商習慣への対応が難しい」が37.5%、「買い手との交渉・契約に不安がある」が37.5%という結果となった。

投資資金、リソースに課題

一方、海外売上の構築・拡大の行動を起こさなかった理由については「投資資金がないから」が43.5%、「貿易に関するリソース(人材含む)不足」が34.8%と上位に並ぶ。また、自由回答として以下内容が寄せられた。

◆海外は不安定要素が大きい。
◆為替動向が分からないから。
◆仕事の依頼がなかった。
◆充分なノウハウとパートナーが不足している。
◆チルド品ということで、物流上のリスクや、お客様対応をどうするか、が大きなハードルとなる。


続いて、「あなたは中小規模事業者の海外展開を活発化するためには何が必要だと思いますか。(複数回答)」(n=23)と質問したところ、「国や公的機関、自治体によるサポート(補助金、商談会、海外展示会への共同出展等)」が52.2%と半数を占めた。

本調査では中小製造業において海外進出への意識が高まっている一方で、具体的な行動を起こしている企業は少数派であることが明らかになった。

販路拡大や、現地の商習慣への対応、契約時の懸念に対し、さらなる支援策の充実が求められる。越境ECのさらなる伸長のためには、国と民間が連携して支援・サービスの充実をはかり、中小製造業がスムーズに海外進出ができる土壌形成に努めることが重要となるはずだ。


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