2023年10月〜24年9月の越境EC市場において最も購入件数の多かった分野は? ZenGroup調査

ECのミカタ編集部

海外ユーザーの最新購入動向、越境EC市場における日本商品のニーズ

ZenGroup株式会社(以下:ZenGroup)は2024年11月6日、同社が保有する海外ユーザーの購入データをもとにした消費動向を発表した(※1)。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
※1:2023年10月1日から2024年9月30日の期間でZenGroupを通じて購入された商品データを基準に算出。

平均購入単価は1年間で約7.6%上昇

2022年10月~2023年9月の1年間では、平均購入単価が7053円であった一方、2023年10月~2024年9月の1年間では、平均購入単価が7590円と約7.6%上昇。

今後も同様に成長が続くと仮定すると、平均購入単価はさらに上昇すると予想される。また、円安期間では平均購入単価が上昇する傾向があることから、円相場次第ではさらに単価を押し上げる可能性があるだろう。

※画像元: 海外ユーザーの最新購入動向、越境EC市場における日本商品のニーズ (ZenGroup株式会社)

プラスチックフィギュアが最も購入される

最も購入件数の多かった分野は「プラスチックフィギュア」となり、2位にトレーディングカード、3位にぬいぐるみが続いた。

日本のアニメや漫画、ゲームは世界中で非常に人気が高く、それに関連する商品(プラスチックフィギュア、トレーディングカード、ぬいぐるみ、コミック・漫画、ゲームソフトなど)は、コレクターやファンの間で高い需要がある。

また、多くの国で「CD」や「レコード」といった音楽関連商品がランクイン。音楽や映像などのコンテンツが収録されたフィジカルメディアが一定の需要を保っていることがうかがえるだろう。

※画像元:海外ユーザーの最新購入動向、越境EC市場における日本商品のニーズ(ZenGroup株式会社)

また、3年連続で中古品の出荷割合が上昇。特にリサイクルやリユースは、資源の効率的な使用と環境負荷の軽減に直結するため、その重要性が増している。

日本の中古品は「ユーズドインジャパン」といわれるように、日本製でなくても日本人が使ったものは品質がよく、安心感があるとされている。今後も日本発の中古品需要は高まっていくと考えられるだろう。

※画像元:海外ユーザーの最新購入動向、越境EC市場における日本商品のニーズ(ZenGroup株式会社)

海外ユーザーから需要が高まる「日本商品」

出荷点数の上位割合を見てみると、最も多かった国は「アメリカ」、第2位は「メキシコ」、第3位は「ウクライナ」となった。

海外ユーザーからの「日本商品」の需要は高まりを見せ、2024年9月末時点におけるZenGroupの出荷実績は175の国と地域へと拡大している。

※画像元:海外ユーザーの最新購入動向、越境EC市場における日本商品のニーズ(ZenGroup株式会社)

海外決済動向については、Stripeが59.8%で最大のシェアを占め、PayPalが24.7%で続く。Wise、仮装通貨CoinGateなどの決済方法のシェアが増えている点は注目すべきだろう。特にドイツでは、PayPalにつづき、約31%がWiseを支払方法として選択している。

想定する国において利用率の高い決済に対応することが、越境ECにおいて重要な要素となるだろう。

※画像元:海外ユーザーの最新購入動向、越境EC市場における日本商品のニーズ(ZenGroup株式会社)

現在、インバウンド需要の急速な回復に加え、円安による価格競争力の向上や、日本商品の質に対する海外からの信頼が増していることなど、さまざまな要因が重なり、日本商品の海外市場での需要がますます高まっている。

越境ECをさらに発展させるためにも、本調査の結果を参考にした施策を検討してほしい。


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