デンソーと三井倉庫ロジスティクス、幹線中継輸送サービス「SLOC」を活用した混載輸送の長期実証実験を開始

ECのミカタ編集部

デンソーと三井倉庫ロジスティクス、幹線中継輸送サービス「SLOC」を活用した混載輸送の長期実証実験を開始

株式会社デンソー(以下:デンソー)と三井倉庫ロジスティクス株式会社(以下:MSL)は2024年11月25日より、荷物を積載するコンテナ部分を脱着できるスワップボディコンテナ車両を用いた幹線中継輸送サービス「Shuttle Line of Communication(以下:SLOC)」を活用した、混載(※1)輸送サービスの実用化に向けた長期実証実験(以下:本実証実験)を開始した。
※1:複数の荷主の荷物を同じコンテナに積載すること。

2カ所の中継地点で貨物の混載を行い輸送

本実証実験は、実際の顧客の貨物を輸送するMSLの事業活動の中で実施する。

SLOCとMSLの製・配・販連携ロジスティクスプラットフォーム(※2)を組み合わせ、前回の実証時から共同領域を拡大させた運用を行うことで、中継輸送と混載輸送を組み合わせたサービスの実用化に向けた課題をより具体的に洗い出すことを目的としている。

◆実証実験の概要
▷MSLが運営する、2カ所の中継地点(MSL座間事業所「神奈川県座間市」・MSL名古屋事業所「愛知県春日井市」)で貨物の混載を行い、北関東から関西、関西から北関東に輸送する。

◆実証期間
▷2024年11月25日~2025年5月末頃

◆参加企業と役割
▷三井倉庫ロジスティクス株式会社:荷主との請負契約、混載の荷物管理、混載作業
▷株式会社デンソー:中継輸送の運行スケジュール立案、運行管理

※2:メーカーとリテーラー(店舗/EC/オムニチャネル)の物流と在庫をシームレスに最適化し、物流インフラ、在庫、業務などを効果的にシェアリングする仕組み。

AIアルゴリズムを活用し、積載率を向上できるか検証

デンソーとMSLは、2023年7月10日〜14日の5日間にわたり共同で行った実証実験において、SLOCが物流における「2024年問題」の解決につながる有効な手段であることを確認した。

特に、前回の実証では、コンテナが脱着できるスワップボディコンテナ車両を使用することで、車両が出発地点に到着するまでにコンテナへの混載作業の実施が可能であったという。

これによって、車両はコンテナを交換するだけで速やかに出発でき、ドライバーの待機時間の短縮を実現。また、SLOCを活用した混載輸送は、計画した時間通りの運行の実現に効果的であることが判明した。

本実証実験では、荷主が希望する運行スケジュールを実現しながら、複数荷主の荷物をデンソーの独自AIアルゴリズムによって算出した最適な組み合わせで混載し、積載率を向上できるかを検証する。さらに、スマートフォンとQRコードを活用し、コンテナが正しく中継されたかを管理する中継管理システムを運用することで、さらなる改善に向けた利便性の検証が進められる予定だ。

SLOCの社会実装に向けた取り組みを加速させ、物流業界における人手不足や長時間労働といった2024年問題の解決、さらにはCO2排出量削減への貢献が期待される。約6カ月間続く本実証実験の動向、結果を引き続き追っていきたい。

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