2024年問題解決に向け、業種の垣根を超えた7社合同で幹線中継輸送サービス「SLOC」の実証を開始

業種の垣根を超えた7社合同で幹線中継輸送サービス「SLOC」の実証開始

株式会社デンソー( 以下:デンソー)、アスクル株式会社(本社:東京都江東区)、エレコム株式会社(本社:大阪府大阪市)、タカラスタンダード株式会社(本社:大阪府大阪市)、三井倉庫ロジスティクス株式会社(本社:東京都中央区)、安田運輸株式会社(本社:神奈川県横浜市)、大和ハウス工業株式会社(本社:大阪府大阪市)は、荷物を積載する荷台部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を、2023年7月10日(月)から14日(金)まで、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とし、関東・関西間にて実施する。

ドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指す

本実証はドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指し、スケジュール通りに運行できるか、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行われるかなど、社会実装に向けた課題の抽出が目的である。

また、ドライバーが行う輸送作業と荷物の積み降ろしなどの荷役作業を切り分け、荷主が荷役作業を行う「荷役分離」や、異業種による複数の荷物を同じコンテナに積載する「混載輸送」も同時に実施される。

◆期間:2023年7月10日(月)から14日(金)

◆主な検証項目

▷1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかの検証

▷中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証

▷スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認

▷複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証

様々なドライバーの活躍が期待

SLOCは、荷物を積載する荷台部分が脱着できるスワップボディコンテナ車両を活用するとともに、QRコードを使ったコンテナ管理システムを導入することで、複数の荷主と複数の運送業者によって荷物を運ぶ新しい輸送形態だ。

トラックの乗り換えや荷物の積み降ろし、トラック同士が待ち合わせる必要がないため柔軟な運行スケジュールを立案。その結果、長距離運行を日帰り運行へ変更可能となる。

また、コンテナを分離できるという特長を活かし、荷主が荷物の積み降ろしを行う「荷役分離」や、異なる荷主が同じコンテナに荷物を積載する「混載輸送」も容易だ。日帰り運行や荷役分離が実現することで、若手・女性・高齢者など様々なドライバーの活躍が期待できるとしている。

◆SLOCの流れ

「2024年問題」への対応策として注目

物流業界ではドライバーの長時間労働が深刻化しており、その要因の1つとして荷物の積み降ろしのための「荷待ち」時間があると指摘されている。

さらに、長距離ドライバーの場合は長時間の運転に加えて宿泊が伴う。さらに運転だけでなく、荷役作業を担うため、身体への負担が大きい。こういった拘束時間の長さや身体的負担の大きさは、現在のドライバー不足にも繋がる大きな課題だろう。

2024年4月から働き方改革関連法によって、自動車の運転業務について時間外労働の上限規制が適用される。ドライバーの労働環境が改善する一方で、トラック輸送による荷物が激減する「2024年問題」も懸念されている。

そんな中、運送の現場が抱える課題の解決策として幹線中継輸送が注目されている。ドライバー1人当たりの拘束時間が短縮されるとともに、荷物の輸送が実現すると期待されているのだ。

物流全体の自動化を推進

本実証について、デンソーは以下のようにコメントしている。

「業種を超えた多くの荷主企業の皆さまとともに、SLOCの社会実装に挑戦し、働く人の労働環境を改善しながら、荷物を待つ生活者に荷物を届ける『安心』な物流と、輸送効率の向上によるCO2削減で『環境』に優しい物流を目指します。また、将来的には、人・モノ・時間の最適化に向けて、量子コンピューティングや高度運転支援技術を活用し、物流全体の自動化を推進していきます」

参加企業はそれぞれ「荷主」、「混載作業」、「中継地点提供」、「運用スケジュール立案及び実証実験取りまとめ」といった役割を担当する。「2024年問題」といった物流業界が抱える課題の解決は1社だけでは対応できない。本実証実験によって得られる情報、ノウハウを各社で共有し、業界全体を最適化していく必要があるだろう。結果、及び今後の動向に注目だ。