イーシーキューブが「EC-CUBE EQ」発表 次世代型EC開発プロセス標準化への取り組み
株式会社イーシーキューブ(以下:イーシーキューブ)は2025年2月14日、生成AIを活用してより効率的で高クオリティなEC構築を実現する開発プロセス標準化への取り組み「EC-CUBE EQ(Efficient Quality management)」の構築と導入を開始したことを発表した。
EC構築の工程を従来比で20%削減
今回発表された「EC-CUBE EQ(以下:本サービス)」では、膨大なテキストデータを処理することで人間の言語を理解し生成するAIシステムLLM(Large Language Model)を活用し、EC-CUBEのソースコードや社内ドキュメントといった、イーシーキューブ社独自の知見を学習し集約した専用AIを構築している。
EC構築の工程では、専用AIを活用して顧客要望や機能要件にあったアウトプットが自動生成される。これらをEC構築専門スタッフが確認、ブラッシュアップさせることで、素早く高品質なアウトプットを実現。その結果、各フェーズの工数は、同社が従来行ってきた工程と比較して20%の削減(※1)されるとしている。
※1:イーシーキューブの過去案件からの想定値
※画像元:生成AIを活用して一歩先のEC構築を実現する次世代型EC開発プロセス標準化への取り組み「EC-CUBE EQ」を発表(株式会社イーシーキューブ)
各プロジェクトを横断的に支援
また、本サービスは生成AIの活用に加えて、以下の取り組みも行っている。
◆プロセスへの取り組み
▷業界標準(※2)のプロセスに加え、イーシーキューブが独自で構築した標準プロセスによりさらなる最適化。
▷W字モデル(※3)を採用することで、早期の不具合発見と手戻りの軽減を実現。
▷各プロジェクトを横断的に支援するPMO部門のプロセスチェックによる品質管理。
◆ドキュメントへの取り組み
▷開発現場ですぐに使用できる各種ドキュメントを事前に整備。
▷これまでのEC-CUBE本体開発や構築案件の知見・ノウハウをドキュメントとして整備し集約。
▷全てのEC構築案件において高品質なドキュメントを納品し、ベンダーロックインしない運用環境を提供。
※2:PMBOK、CMMI(Lv3)
※3:開発プロセスとテストプロセスを同時に並行して進めていくプロセスモデル
業界全体の発展に期待
本サービス提供と将来的な展望について、株式会社イーシーキューブ 執行役員 CTOである中川仁氏は以下のようにコメントしている。
「今後は、この『EC-CUBE EQ』を当社が請け負う開発案件で活用しながら開発プロセス自体の品質も高め、そしてプロジェクトに参画する当社やクライアント企業はもちろん、グループ会社やパートナー企業が『EC-CUBE EQ』を活用することで短期間で効率的かつ高品質なEC構築を行える形を目指していきたいと思います」
中川氏は「今回、イーシーキューブ社が培ってきたEC構築ナレッジと、生成AIといった技術や活用ツールの進化を組み合わせることにより、これまでの考え方から一歩進化させた開発プロセスを構築することができた」とも。同社が培ってきたノウハウと強みを活かした新たな取り組みと言えそうだ。