帝国データバンクと総務省調査、通販のカギはスマホにあり?

ECのミカタ編集部

売上10億円以上の通信販売174社の動向を集計・分析して発表

株式会社帝国データバンク(以下、帝国データバンク)は、通信販売を専業とする売上10億円以上の企業で、2011年度から2013年度の売上が判明した計174社の動向について集計・分析。その調査結果について3月9日に発表した。
直近3期の総売上高では、2013年度は約2兆1,161億円となり、前年度を3.2%上回った。売上高の増加は2期連続で、2012年度の0.5%からの増加幅拡大から見ても、通販事業の好調さが窺える。帝国データバンクは、これをスマートフォンやタブレットの普及によるネット通販の浸透、また消費税引き上げの駆け込み需要のためと分析している。
2013年度の売上高1位は、アスクル株式会社で2,103億9,900万円。ウェブ上の品揃え拡充が増収に繋がった。2位は、株式会社ジャパネットたかたの1,423億5,200万円。白物家電を中心に注力した結果、前年度を21.6%上回る大幅増となった。一方、株式会社ニッセンが前年度比12.3%減となるなど、衣料・アクセサリーを取り扱う業種は、円安の影響で輸入コストが増加するといった苦戦を強いられており、全体で前年度比2.9%の落ち込みとなっている。
帝国データバンクは、通信販売業界は長期的に市場拡大が見込まれるものの、同業者間での顧客獲得競争はより一層激化していくものと予想している。

通販市場を押し上げるスマホ取引の拡大

総務省の「平成25年通信利用動向調査」によると、13歳から59歳のインターネット利用率は9割に達し、スマートフォンの普及率は全世帯の62.6%まで増加しているそうだ。Wi-Fiなどの通信環境が整備されたことも要因として、スマートフォンでネットショッピングを楽しむのは当たり前となった時代。近年では、スマートフォンを中心にサイトを展開する通販事業者も多い。
シニア層のガラケーからスマートフォンへの移行も目立っており、マーケットはより拡大していくものと思われる。しかし、EC事業者にとって、このことは嬉しいだけでは納まらない。顧客獲得の激化は必然。生き残りをかけたシビアな戦いの幕開けを意味している。よりスマートフォン利用者が便利になるようユーザビリティの向上や、サービス・機能性の充実は必須となっていく。消費者の生活に急速な浸透をみせたスマホ、次は企業がその浸透に対応していくターンとなるだろう。


文:ECのミカタWEB


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