アスクル、第2弾トライアルの拡大を発表 本格復旧フェーズは2025年12月上旬以降を予定

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ECのミカタ編集部

サービスの復旧状況について(ランサムウェア攻撃によるシステム障害関連・第8報)

アスクル株式会社は2025年11月12日、10月19日に起きたランサムウェア攻撃によるシステム障害に関して、サービスの復旧に向けた取り組みの進捗を公表した。

ソロエルアリーナWebサイトからの注文を拡大

ASKULサービスの復旧計画について、「第2弾の拡大」が発表された。

◆第2弾の拡大(11月12日開始済み)
▷対象:ソロエルアリーナWebサイトから注文した顧客
▷対象商品:サプライヤーからの直送品、文具、日用品、飲食消耗品、PC周辺機器、MRO(※1)等、約200万アイテム(9サプライヤー)から順次拡大
▷出荷拠点:各サプライヤー拠点から出荷
▷出荷能力:第1弾と同様(アスクル物流センターからの出荷ではないため出荷能力は変更なし)

第1弾に続き、第2弾も倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)を使用しない運用となる。そのため、トライアル出荷運用は、通常サービスよりも配送日数がかかるため注意したい。

本格復旧フェーズは2025年12月上旬以降を予定している。ASKUL Webサイトでの注文および一部物流センターからの通常出荷を順次再開し、対象センターを段階的に拡大していく見込みだ。

パプリ(印刷サービス)が一部顧客のFAX注文を開始

その他サービスの状況は以下の通り。

2025年11月11日より、パプリ(印刷サービス)が一部顧客のFAX注文を開始した。

※画像元:サービスの復旧状況について(ランサムウェア攻撃によるシステム障害関連・第8報)(アスクル株式会社)

サービスの復旧は、事業所顧客の業務継続を最優先ととらえ、ASKUL(事業所向け)サービスを先行して対応を進めている。

サービスのWebサイトは、セキュリティ対策の強化を実施し安全性を確認したうえで再開、出荷は安定稼働を確認しながら順次拡大するとした。

原因・障害対象範囲の詳細調査を継続中

アスクルは被害の拡大を防ぐため、ランサムウェアに関する詳細については情報開示を差し控えている。

現在、システムの詳細なログ解析、異常に関する監視、原因・障害対象範囲の詳細調査を継続している状況だ。

同社は「弊社サービスをご利用いただいているお客様、関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。一日も早い全面復旧を目指し、全社一丸となって取り組んでまいります」とコメントする。

今後の動向を引き続き追っていきたい。

※本記事は2025年11月12日の第8報公表時点の情報に基づく

※1:MRO=Maintenance, Repair, Operations(維持、修理、操業)の略。現場で使う備品・工具・修理用部材等その他の消耗品等を指す。

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