日大商学部のEC講義に独占潜入!ゲキハナの激アツ話!

石郷“145”マナブ

週一回、日大商学部で、楽天寄附講座が開催。半年かけて、様々な講師が登場する
実際に働く生の声を大事にしたい、と日本大学の宇田 理さん
IT化がどんなに進もうとも、人には人の役目がある。そんなメッセージを古屋さんからは感じる。

机上の空論は一切なし!だから意味がある

 日本大学の商学部にやってきた。ここでは、週一回、楽天寄附講座が開催され、楽天店舗の店長が半年間登壇し、リアルな現場を語る。では、なぜ足を運んだか。それは、先日、店長のホンネ(http://ecnomikata.com/original_news/detail.php?id=6257 )で書かせていただいた、店舗「ゲキハナ」の古屋悟司さんが登壇するというからだ。

 この授業を創案した日本大学の宇田 理先生にもご挨拶させていただいたが、宇田さんは「大学って学問を学ぶところですが、なかなか社会の実態に迫る授業がない。生の声を伝えたいんです」と熱いメッセージを話してくれた。会場内には、学生が90名はいただろうか。レジュメをいただき、授業を受ける、この感覚がなんだか懐かしい。

 と、その時、思わずそのレジュメに手を止めた。なにげなく、僕の書いた「店長のホンネ」が綺麗にプリントアウトされて、配布されていたのだ。参考資料であったとしても、「人にとって価値ある文章を書き続けたい」そう思う、僕にとっては、そんな風にして大学の授業に、少しでも記事を活用いただけたことが、少し嬉しかった。

 さて、本題である。古屋さんは、すごくフレンドリーに話しかけ、学生たちをぐいぐい引き込む。難しいことは抜きに、想像力を膨らませるそんな質問が多い。「チューリップの球根が、1万球ありました。バランスよく色があれば、よかったのに、その半分は黄色で、黄色だけ多くなった。でも、このピンチをどうやってチャンスに変えて、お客様に買っていただきますか」そう問いかけると、あれこれ思いを巡らし、学生は、楽しそうにアイデアを出し合う。

 「皆さん、花業界の社長さんってどんな人が多いと思いますか?」と古屋さんは問いかけると、学生の反応にうなづきながら「おっさんなんですよ」と話した。「そう。花屋で買っているあのお花は、おっさんたちが選んだお花たちなんです」と笑いを誘いつつも「でも、そのおっさんは皆、花が大好きなんです」と、花業界の素敵な一面もきちんと添えて話す。

社会で学ぶべきところって何かと思う

 一つ一つのエピソードや問いかけも、共通していたのは、物を売ろうとするのではなく、コトを売ろうとする事、ということだったように思う。物を売ることなら、誰でもできる。でも、想像力を働かせて、お客様の気持ちを掴むことは、そうやって努力した人にしかできない。ましてやコンピューターなんかにできっこないのだ。

 だから、最後の方で古屋さんの話していた「IT化は機械化することじゃない。アナログじゃなきゃダメな部分を徹底して、アナログを貫くためにITを活用すること」ということにも繋がる。人に対しての思いやりや心配り、驚かせたり、楽しませたり、それは、人間にしかできない。仕事というのは、色々な仕事を伴うが、機械に任せるべきところは機械に任せて、人間にしかできないことに時間をかけた人が、結果を出す。その理由はいうまでもなく、お客様が人間だからだ。

 そして、授業後、教授の控え室にお呼びいただいて、古屋さんの姿を見て、改めてその思いが確信に変わる。講義に寄せられた学生たちのアンケート結果を、熱心に目を通して、型にはまることなく、当初の予定では次回の講義はこうしたいと思っていたけど、こうしていきましょうか、と発想豊かに内容すらもチェンジしていこうとしていたのだ。お客様ではなく、学生であったとしても、伝えるべき相手の気持ちを考え、相手に何を伝えるべきかに思いを巡らす、この古屋さんの姿勢。それが、今の「ゲキハナ」を支えているのだ。

 別に、古屋さんにお世辞を言うつもりはない。けれど、これこそこの人の素敵さであり、お客様や取引先など、多くのファンを引きつける要因なのではないかと思う。学生にとっては資格も大事なようだけど、むしろ、こういうところこそ大事で、それが学べるこの授業は、だから意味がある。ここに登壇する“先生”たちは、そんな風にして、きっと素敵な社会人になれるヒントを、教えてくれる。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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