船井総研の「EC・通販経営研究会」第5回例会

ECのミカタ編集部

「良い話を聞いた!」だけでは終わらない。

日本最大級のコンサルタント集団である株式会社船井総合研究所(以下、船井総研)が定期的に開催する
会員制の限定セミナー「EC・通販研究会」はこの9月で第5回を迎えた。

船井総研のプロによるコンサルティング、ゲスト講師によるアドバイスや成功事例、
全国から参加されるEC・通販ショップの運営者が集う情報交換会では、お互いの経営ノウハウを提供したり
問題点などを定義し、それを指摘し合い、改善策を練り、シェアすることで互いの強みを生かす。
良い話を聞いた!だけでは終わらない超・実践的な研究会だ。

受講する企業は、これからEC店舗を立ち上げようとする新規企業から、EC売り上げ月商三千万以上の企業と規模もさまざま。
しかし、お互いのサービスや商品は違えど、目的と志は同じ。EC売上を強化することだ。当然話しは通ずる。
社内会議だけでは見つからないもの。全国の参加者と運命共同体となって答えを探し出す。
この研究会は自社EC事業の発展を目指す、心強い巨大ネットワークとも言えよう。

2015年第5回「EC・通販経営研究会」アジェンダは以下

■第一講座
ネットショップのためのメディア構築のすすめ
~今後のネットショップに必要なロードマップを理解、実践しよう!~
 担当講師:船井総研  シニア経営コンサルタント 大山 広倫氏
 ゲスト講師:So-netメディアネットワークス株式会社 田山 修平 氏
■参加企業によるテーマ別情報交換会
~各企業の実践事例報告とディスカッション~
ファシリテーター:船井総研のコンサルタントが担当

■第二講座
(継続)自社内SEO対策の進め(2/3回)
 担当講師:船井総研 経営支援本部 白神 孝幸氏

■第三講座
最近の現場事例より
 参加企業さま:ラスク株式会社 武内 悠子 氏

第一講座では、船井総研の 大山氏がコンサルティングを担当するEC店舗「かばん工房 山本」の成功事例を元に講演が行われた。
かばん工房の従業員は3名・3坪から始まった。奈良の小さなランドセルを製作する工房は1999年:ランドセルの通販を始める。

まだ個人情報保護法が施行される以前、事業主は【名簿】を購入することができた当時、
かばん工房も一般的な方法として、児童の入学予定名簿を購入し、そこへカタログを発送・いわゆるカタログ通販の形態で業績を順調に伸ばしていく。
しかし保護法が施行されてから名簿を利用できなくなり、業績が急激に悪化、売上は初めての前年割れ。
そこで2010年にリスティング広告を取り入れ、なんとかその年は売上をクリアできたが、また翌年に悪化。
それから、これまでのカタログ通販の形態からウェブ通販へ切り替えを始める。
その後浮き沈みはあったものの、様々な施策によって、売上は見事回復を遂げ、現在、工房は増築し・実店舗も登場、
オープンした銀座店は中央通りに50分の行列ができるほど!その銀座店のお客さまを振り分ける為に、次は表参道店までオープンさせるほどの盛況ぶりだ。

自社サイトで売れるようになるためにはどうしたら良いか?大山氏のコンサルティングは?そして「かばん工房 山本」は、何をしたのか?そこが知りたいところだ。
「成功の秘訣はシンプルに言うと店舗のメディア化である。O2Oやオムニチャンネルだけでは業績が伸びるものではない。」と大山氏は断言し
「ネットショップが売れるために必要なことって何でしょう?」と会場に質問を投げかける。そこで配布された資料に目を落とす。
以下は、経済通産省が実施した【平成22年 消費者購買行動調査】で商品・サービス選択時、どの情報を信頼して購入するかというもの。

1位:テレビ
2位:企業のHP
3位:商品・サービスに関する価格比較サイト
4位:商品・サービスに関する評判や情報サイト
5位:インターネット上の情報検索サイト

お気づきになったであろうか?つまりコントロール可能なのは自社ECサイト。後に述べられるが特にクチコミサイトをコントロールすべきだというのが大山氏の意見だ。
これの分析を元に大山氏は、担当企業の徹底的なウェブサイトの見直しを図り、ウェブ通販を一歩飛び越えたクリエイティブなプロモーションを展開させていった。
「かばん工房の業績が伸びたポイントは、お客様に対して情報を放出するメディアを出したこと。会社全体でメディアを構築したことで売り上げを伸ばした。」と述べている。
動画制作会社に取材を依頼して、かばん工房山本ブランドムービーを流すなど、本店ECサイトでは徹底的にクリエイティブに拘ったサイト作り。
クリエイティブに感動したお客様は商品を確かめるために実店舗に足を伸ばす。ムービーによると奈良の工房を訪れる方もいらしたそうだ。

大山氏の登壇は引き続き、口コミサイトのコントロール方法や、“安全な”オワンドメディアと、“売れる”アフェリエイトのハイブリッドメディアへの理解などに続き
EC店舗にとって有益な情報が満載。成功事例を交えながらわかりやすい解説を来場者はきっちり持ち帰ったことだろう。

続いての登壇者として大山氏自らが、このランドセルのマーケット・メディアサイトのアフェリエイトで非常にお世話になったという、
So-netメディアネットワーク株式会社の田山 修平 氏が紹介された。
大山氏からの紹介の意向は、来場者にとってこれから必要なメディアサイトは何か?を知って欲しいとのことである。

プロフェショナルの為のアフェリエイトシステム SCAN

口コミサイトに必要な要素は
価格比較・・・(例)価格.com
評判や情報・・・(例)レビュー
情報検索・・・(例)Yahoo!知恵袋
などで、これらをコントロールするために、どうすれば良いかを追求するとアフェリエイトに辿り着く。
そのために必要なのは従来型のアフェリエイトではなく、CVワード専用メディアをクローズドに運用してもらえるASP企業が必要となる、と大山氏は踏む。
そのASP企業がSo-netメディアネットワークス株式会社(以下、So-net)であり、SCANと呼ばれる検索エンジンの【占有率】を上げるためのソリューションを展開する。

SCANとは?
1 完全クローズ(非公開)型のASP → ミクロアフェリエイト
2 集客手法特化型(検索エンジン、ディスプレイ広告 等)
3 完全成果報酬制

アフェリエイトというとネガティブイメージを持つ方も少なからずおられるであろう。
まずSo-net 田山氏の口から語られたのは、アフェリエイトの固定概念を変えて欲しいとのこと。
これはあくまで第三者の目線でかかれたサイトだと思って欲しいと言う。
アフェリエイトという言葉の代わりになるものとして、最近はキュレーションメディアと呼ばれるものであると言及した。
田山氏が、今日一番伝えたいことは、これは自社サイトの目線で書かれたものではなく、メディアのパワーであり
そのメディアの中でも大きな位置を占めている存在であり、メディアをミカタにするのが非常に重要であると語る。

アフェリエイターとは末端の下請けなのではなく、あくまでも対等なビジネスパートナーであると捕らえないといけない。
それをしっかり認識できた広告主が成功を治めるのだ。一方でアフェリエイトの危険性も述べる。
アフェリエイトは色んな方達の集合体であり、機械的なプロモーションではないが故に、一度転ぶ(敵に回すと非常に怖い)と大変であることも認識すべきである。
あくまでも、いちメディア・ビジネスパートナーであることをキモに命じアフェリエイターとのパートナーシップ&信頼関係を構築することが大事だと繰り返し強調した。

【テーマ別情報交換会】

続いては、船井総研の名物ともいえるテーマ別情報交換会。
参加者はAからDまでの4グループに別れ、課題を発表し情報を共有しあう。
それぞれ二ヶ月前に自社課題として認識した事項に対して、具体的な進捗状況について話し合う場である。
月商3千万以上のグループから、これからEC店舗を立ち上げ・もしくは新規のグループまでと企業規模も幅広い。

最後に船井総研のコンサルタントが進行役(ファシリテーター)を務め、グループごとに要約された事例が
事業の垣根を越えて、全グループの前で発表され共有される。
事例集の内容は参加会員さまの個人情報保護のため、ネット上では公開はできないのだが、
船井総研が参加者に与えるテーマは公開の許可を得たので、それを以下にご紹介する。

商品力アップに向けた取り組み(品揃え付加、自社商品開発、商流の変更、プライシング)
売り場力アップに向けた取り組み(トップページ、カテゴリーページ、商品ページ)
集客力アップに向けた取り組み(PPC、SEO、SNSなど)
業務改善に向けた取り組み(標準化、マニュアル化、ペーパー化、外注化など)
モチベーションアップに向けた取り組み(個人面談、研修、人材教育など)
今、抱えているお悩み、会員の皆様に共有したいこと(失敗事例など)

これらのテーマに対してお互いに取り組んだ事例や結果を持ち寄り発表しあう。
冒頭にも述べさせて頂いたが、お互いのサービスや商品は違えど、目的と志は同じであり、
EC売上を強化することは共通であり、事業の垣根を越えて、これらのテーマを共通の議題とし
ディスカッション形式で情報交換会は進行し、あちこちからアイデアや課題解決策の発言が熱く飛びかっていた。

その2に続く。その2は、11時更新!


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