Made in japanブランドの生産を促進!

ECのミカタ編集部

工場とメーカーのマッチングサイトオープン!

株式会社ラクーン(以下、ラクーン)が運営する卸サイト「スーパーデリバリー」はアパレル関連の国内工場やパタンナーとアパレルメーカーをマッチングする国内生産のインフラサービス「SD factory」を開始した。SD factoryはスーパーデリバリーに出展する企業に対して生産面での新たな付加価値を提供しそれ以外のアパレル関連のメーカーやオリジナル商品を作りたい小売店へも同様の訴求ができるサービスとなっている。

スーパーデリバリーはメーカーと小売店をつなぐ仕入れサイトとして運営しており、1000社以上のメーカーから毎日800以上の新商品が掲載されているという。今回はこのスーパーデリバリーの掲載企業からの要望に応える形で、メーカーと国内工場のマッチングサイトSD factoryが開始された。

SD factoryでは各工場が対応できる範囲や得意分野、繁閑時期、納期などの請負条件を公開しており、メーカーや小売店が条件に適した工場をミスマッチングなく見つけることができるようになっている。サービスの利用料は工場、メーカー、小売店などいずれもすべて無料。成立した際の代金回収はラクーンが運営するBtoB掛売・請求書決済代行サービスの「Paid」を利用することができ、工場は代金未回収のリスクなく新規の取引を拡大できるようになっている。

サービス開始の背景としては、中国での生産を中心としていた多くのアパレルメーカーが、円安傾向と中国の人件費高騰により、中国以外のアジアや国内の縫製工場に生産を求めるようになっていることと、小ロットや品質、技術を求めて日本国内工場への依頼を希望するメーカーが多いにも関わらず、工場が営業機能を持っていないことが挙げられる。国内工場は年々減少の一途を辿っている中、受注量の増加や閑散期を活かして工場を稼働させたいといった要望は強くある。依頼側のメーカーと作り手の工場が抱える課題を解決するサービスとしてSD factoryを開発したという。なお、今回のサービスではメーカーと工場のマッチングだけでなく、オリジナル商品を作りたい小売店や新しいブランドを立ち上げたいデザイナーと工場のマッチング、また、パタンナーとのマッチングなど生産工程に応じた使い方ができるようになっている。

SD factoryは小ロットでレスポンスの早い日本製品の商品生産が可能なため、新しいブランドやデザイナーの商品作りを促進できる。工場側としても新しい取引先とつながることができるため、工場の活性化につながっていくと考えられる。SD factoryが工場の活性化を促すことで、失われつつある日本のものづくり技術や文化の継承にも繋がっていくという点でも価値のあるサービスだと言える。

SD factoryを使い、国内生産を行うメーカーが増えれば、海外で人気のMade in japanブランド商品が増加することになり、流通量や価格が変化していく可能性がある。これを機に海外向けに販売しているECショップでも、Made in japanブランド商品の扱いを始めたり、増やす等して差別化を図るという戦略も有効なのではないだろうか。そういった取り組みがECショップ、メーカー、工場をさらに活性化し、日本のものづくりを継承していくという意味でもメリットは大きいと思う。


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