伊勢丹×ヤマト×ANA 最短2日でシンガポールへ配達!
記者の論点:シンガポールでの「お取り寄せ」モデルの実現に向けての取り組みであるが、食材のスピード配送という点に注目だ。
越境ECサイト新設!第一弾は福岡県産「あまおう」
株式会社三越伊勢丹ホールディングス傘下の伊勢丹シンガポール(以下「ISETAN(S)」)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(以下「ヤマト運輸」)、ならびに株式会社ANA Cargo(以下「ANA Cargo」)は1月9日よりISETAN(S)のECサイトである「I ONLINE」上で、越境ECサイト「ISETAN JAPAN DIRECT」を新設し、日本の旬な農水産品などの食材をシンガポールの消費者まで配達する「お取り寄せ」モデルをスタートした。
近年、東南アジアのEC市場は、インターネットの普及に伴い、急成長を遂げ、世界で最も早いペースで成長している市場となっている。なかでもシンガポールは、東南アジア随一の経済力を背景に、ECを通して高品質な日本の農水産品などの食材を「お取り寄せ」したいというニーズが高まっている。
ISETAN(S)は、2009年にECサイト「I ONLINE」を立ち上げた。2016年で創業44年目を迎えるシンガポールで最も歴史のある日系百貨店として、今後更に高まる日本の高品質な食材に対するユーザーからの要望に応えるため、ニーズの開拓や販売チャネル拡大を推進している。
ヤマト運輸とANA Cargoは、2014年5月にパートナーシップを強化し、沖縄国際物流ハブを基点としたビジネスモデルの拡充をはじめ、日本全国の農水産品のアジアへの販路拡大や、越境ECによる「お取り寄せ」モデルを具現化するなど、新たな市場の開拓に取り組んでいる。
今回の取り組みではまず、ISETAN(S)が「I ONLINE」上に越境ECサイトとして「ISETAN JAPAN DIRECT」を新設し、シンガポールの消費者が気軽に日本の高品質な食材を購入することが可能になる。第一弾の食材として、福岡県産のイチゴ「あまおう」を販売する。
2つ目に、ヤマト運輸とANA Cargoが提供する国際間の小口保冷輸送サービス「国際クール宅急便」などの輸送サービスを通して、高品質な日本産品をシンガポールの購入者の自宅まで、出荷から最短翌々日の午前中に新鮮なまま配送する。なお、購入者の要望に応じて、最短翌日にシンガポールヤマト運輸の営業所で受け取ることも可能だ。
今後、シンガポールの消費者が、より多くの日本産品を購入できるように「ISETAN JAPAN DIRECT」の商品ラインナップを充実させていくという。また、ISETAN(S)の店頭において、定期的に日本産品の試食会などのプロモーションイベントを実施し、日本産品の輸出拡大に取り組んでいくという。
昨年の春までに、上海、シンガポール、香港、マレーシアに続いて台湾に向けても「国際クール宅急便」サービスが開始されたが、長い歴史のある日系百貨店のISETAN(S)が販売するということで、シンガポールの消費者は品質の保証された商品を安心して購入することができるようになる。日本においても「お取り寄せ」が流行っているが、海外にいながら日本の食材を取り寄せることができるサービスは、日本産商品の品質の良さなどをさらに世界へ広めるきっかけとなるに違いない。