楽天の新プログラムに見るポイント還元の核心

石郷“145”マナブ

お得さを見えやすく!楽天を使うメリットも可視化

 楽天株式会社(以下、楽天)というと、実に様々なサービスを持っている。例えば、ショッピング、トラベル、ペイメント、クレジットカード、銀行など、その数は70以上にも及ぶという。その甲斐あってか、楽天の会員数はいまや1億人を数えており、国内グループサービスの年間流通総額(取扱高)は6.4兆円となっているのだ。

 もちろん、それを支えているのは、バレンタインなどのシーズン企画、ジンジャーミラーなどのキュレーション、楽天市場甲子園などのジャンルごとの企画などからなる、いわゆる「コンテンツ」と呼ばれているものと、もう一つ欠かすことができないのが、「お得さ」を追求するポイント系のサービスとなる。

 実は先ほど記者を集めての説明会があり、このうちのポイント系のサービスに関しての話があったので、ここで共有したい。また、その後直接、楽天 執行役員の河野奈保さんとも話ができ、いろいろ感じたこともあった。さて、その説明会によれば、楽天は、本日13時、つい先ほどから、新しいプログラムをスタートした。それが、「楽天市場のお買いものがいつでも毎日ポイント7倍に!」(http://bit.ly/1SXPwgJ )このプログラムの展開は、今までの楽天市場の単発のキャンペーンではなく、グループの総力をあげてのもので、楽天としても、グループの一つ一つが連携して、楽天経済圏が広がることを意識した、ファーストステージとして位置付けている。

 先ほど触れたとおり、サービスが70以上の規模感になれば、当然ながら、複数のサービスをあわせて使っているユーザーの数も少なくない。実に、そのパーセンテージは全体の60%を占めるというのだから驚きだ。ところが、ユーザーはそのポイントがあることについて理解はしているものの、そのそれぞれでポイント何倍、何倍、という感じでやっているために、実際には何倍のポイントを使っているのだろう、ということも少なくない。

 このプログラムは、今一度、そこの部分を整理して、「楽天市場のお買いものがいつでも毎日ポイント7倍に!」というアピールのもと、楽天市場アプリでものを買えば+1倍、楽天カードを使えば+3倍、楽天プレミアムカードの利用で+1倍、楽天モバイルの利用で+1倍と、一つ一つが何をすれば、ポイントが何倍貯まるのかを分かりやすくしたのだ。もちろん、70サービスごとのそれぞれのサービスも付け足せるので、お得なポイントはさらに拡大していく。

 さらに、これにあわせて、「楽天あんしんショッピングサービス」という命題のもと、安心安全なお買い物の徹底をアピール。例えば、1)未着、遅延、欠陥品にも対応し、2)購入金額分を最高30万円まで保障し、3)万が一の模倣品も200ブランド以上を補償することを、お客様に印象付け、サポート面の強さもアピールしていく、とした。

ポイントの部分だけを見るのはあまりに勿体無い。核心は?

 思うに、モールの間でポイントに関して叫ばれる機会が増えているが、他がポイントと騒いでいるよね、などと見てしまうのは、あまりにもったいない。ポイントという部分だけを見ているだけでは、物事の核心は見えてこないように思うのだ。大事なのは、そのポイントが何から構成されているのかにある。楽天は、楽天という強力なブランドのもと、時に、買収などもしながら、サービスを拡大し、いろんなジャンルに関してのサービスを傘下に置いてきた。その一つ一つの積み重ねこそが、楽天の強みだ。その強みであるポイントが、実はどこでどれだけたまっているのか、わかりにくかった時に、お客様も楽天を使うメリットというのも見えていない中で、それを使っていることになる。

 今回、こういうプログラムを通じて、お客様に分かりやすくすることで、自分が楽天のなんのサービスを享受しているのかを理解する格好の機会となるだろう。他にもモールがあるし、僕は楽天じゃなくたっていいし、その中で、切磋琢磨すればいいと思う。ただ、大事なのは、お客様もまた、どういうメリットで、それぞれのモールを使い分けているのかを考えていけるきっかけができたのは、大きい。それぞれのお客様自身が、その時に、最高だと思えるモールを選べばいいし、モールは、最高のモールと思ってもらえるだけのサービスを提供するればいい。
 
 店舗もまた、それだけの使い分けを分かった上で、それぞれのモールを使い分けてみることだって必要なのではないか。今一度、本当のお客様の顧客満足度を思えばこそ、そこの理解は絶対に大事なのである。その意味で、今回の楽天のプログラムは、店にとっても、その部分を考える機会を与えてくれることになるかもしれない。EC業界一層の発展のために。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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