オークファンがリバリューの全株式取得、融資事業へ
企業在庫を担保にした融資など金融サービスを本格化
株式会社オークファン(以下、オークファン)は、流通業や製造業の在庫流動化支援事業を展開する株式会社リバリュー(以下、リバリュー)の全株式を取得し、子会社化することを1月20日に発表した。
オークファンは、国内最大級のショッピング/オークションの相場検索サイト「aucfan.com」を運営。創業以来7年連続で増収と順調な成長を遂げている。昨年は、BtoBマーケットプレイスである株式会社NETSEA(以下、NETSEA)を子会社化し、BtoB市場を取り込んだ事業展開を開始している。
今回のリバリューの子会社化について、オークファンは、BtoB市場の戦略における極めて重要な投資としている。リバリューは、企業が持つ返品・余剰品などの在庫を適正価格により流動化するマーケットプレイスを提供しており、ECサイトなど各業態の荷主企業にあらゆる観点から資産流動化に関するアドバイスや流動化の実行までをサポートしている。オークファンは、BtoB市場の特性を持つNETSEAと、自己売買で在庫のブロックトレーディングが行える特性を持つリバリューの両翼で、在庫の資産価値を基に独自の与信枠を設定した動産担保融資事業など、Fintech分野(ITを駆使して金融サービスを生みだす動き)にも本格的に進出する構えだ。
「aucfan.com」有料会員などのバイヤーネットワークは、新たな仕入れ先として「リバリューBtoBモール」が見込める。また、メディア運営を通じて蓄積されたBtoB、CtoCの価格データ及びビッグデータ解析技術を価格情報提供機能「トレンドナビ」等に生かすことで、企業が持つ在庫の適正なプライシング算定の精度向上が実現されるとのこと。
また、NETSEAは、リバリューとの顧客やリソース共有により、経営基盤が大きく強化される。新品商品の常設的な卸はNETSEAによる直販、返品や余剰在庫はリバリューが受発注の形で買い取り、自社のモールで販売する。さらに海外の事業パートナーと連携した海外輸出サポートも展開される。オークファンが行ったリバリューの全株(14,800株)の100%取得は、今後のECに大きな影響をもたらすだろう。
商品を扱う以上は、適正な価値、価格によって流通される必要があり、リバリューが子会社化することで、商品の観点でより健全なECが構築されることとなりそうだ。その意味でこの連携をオークファンがやる事、そのことはとても重要で意義がある、と言ってよい。