大盛況!EC-CUBEユーザーカンファレンス2016

 1月28日、アリス アクア ガーデン 品川で「EC-CUBEユーザーカンファレンス 2016 新春」が開催された。

「EC-CUBEユーザーカンファレンス 2016 新春」アジェンダは下記の通り。

【第一部】セミナー
・「EC-CUBE最新情報と今後の展開について」
- 株式会社ロックオン EC-CUBE統括責任者 金 陽信氏

・「事例とともにご紹介!Ver2とVer3 どう違う?構築と運用の実際」
- 株式会社システムフレンド 取締役 朝山 俊雄 氏

・「開発現場直送!EC-CUBE3.0.0から最新3.0.9までの変更点とこれから」
- 株式会社ロックオン EC-CUBE公式エバンジェリスト 足立 智広氏

【第二部】ネットワーキングパーティ
・「EC-CUBE3が創出する新たなビジネスチャンス」
- 株式会社フルブライト 代表取締役社長兼CEO EC-CUBE公式エバンジェリスト 河野 貴伸 氏

・「EC-CUBEプラグインアワード3.0 各賞発表・表彰式」

大注目!EC-CUBEの最新情報満載のセミナー

大注目!EC-CUBEの最新情報満載のセミナー

■「EC-CUBE最新情報と今後の展開について」
第一部セミナーのトップバッターを務めるのは、株式会社ロックオンにおいて、EC-CUBE統括責任者を務める金 陽信氏だ。EC-CUBE3.0の開発動向などを語った。

金氏の講演はEC-CUBEの開発ドキュメントについて、注意事項などを含めた案内から始まった。次に、スマートフォン作成キットのリリースの話題へ。スマホアプリは需要があるが、なかなか手が出しにくいという開発者が多いが、決済サービスも充実しはじめているため、利用しやすくなっているという。

今後、EC-CUBE3のプラグイン拡張としてEC-CUBE B2Bを提供することについて、B2Bのライセンス形態提供スキームは維持していくという。

同時に、越境ECへ対応することも発表された。多言語のエンジンは内包済み(実績有)で、株式会社ロックオンの案件を中心に、本体として必要な要件を絞り込み、2017年以降に本体機能として取り込むという。また、EC-CUBE 2系のサポートが終了することを改めて告知。サポートは終了するものの、重要な脆弱性を公開しないというわけではなく、新規のパッケージダウンロードやオーナーズストアの利用を制限するという意味だ。

最後に4月から新制度に移行することを発表した。変更点として、次新制度の各コンピテンシーバッジのや新制度のランキング、認定トレーナーミッションなどが挙げられた。

■「事例とともにご紹介!Ver2とVer3 どう違う?構築と運用の実際」

次に、講演を行ったのは、株式会社システムフレンドで取締役を務める朝山 俊雄氏。現在手掛けている広島の西洋菓子店「無花果」というショップのホームページを例に、EC-CUBE Ver2とVer3の違いについて言及。

浅山氏が手掛ける西洋菓子店「無花果」のネットショップはVer2からVer3へ”引っ越し”の真っ最中だというが、その”引っ越し”作業について、浅山氏は次のようにまとめた。

・独自カスタマイズを移植するのは大変
 (ストアのプラグインの組合せ対応をするのがおすすめだそうだ)

・運用者にとっての使い勝手はそれほど変わらない
 (トータルでは使い勝手がよくなっているが、Ver2と多少は変わるので確認が必要だという)

・商品データは再整理したほうがよい
 (説明文や写真のサイズなどは、新しいサイトに合わせて作った方がよいとのこと)

EC-CUBEを利用してつくられたネットショップから運営者からすれば、Ver3へ移行したあとの使い勝手が非常に気になるところだろう。しかし、浅山氏によれば、Ver2に慣れてしまっている人は最初こそ戸惑うものの、すぐに慣れるだろうとのことだ。

■「開発現場直送!EC-CUBE3.0.0から最新3.0.9までの変更点とこれから」

最後に講演を行ったのは、株式会社ロックオン EC-CUBE公式エバンジェリストの足立智広氏。まず始めに、EC-CUBE 3.0のリリース後をリリース内容と共に振り返った。その後、issue対応数の推移や、プラグイン開発用の処理割り込みポイントであるフックポイントにおける実行のタイミングなどをプログラミングソースを表示しながら解説。

振り返りのあとは、次期バージョン3.0.9について、注目のポイントなどを解説が。最後には、「EC-CUBE開発コミュニティ」へ参加する為には、どうすればよいのかという話があり、セミナーは終了した。セミナー終了後には、「EC-CUBE PLUGIN AWARD3.0」の最終審査に向けて、予選通過者によるプレゼンが行われた。各者3分という限られた時間の中でプレゼンを行い、投票はなんと、Twilio電話投票。発表終了後、投票スタートのアナウンスと共に、参加者は一斉に電話を掛けるという、一見不思議な光景が見られた。結果は第二部で発表となる。

ついに発表「EC-CUBEプラグインアワード 3.0」受賞者発表

ついに発表「EC-CUBEプラグインアワード 3.0」受賞者発表※授賞式の写真の一部は主催者である株式会社ロックオンより提供いただきました。

 第二部は会場パーティー形式に変更され、雰囲気も一変。乾杯の前にはECサイト構築パートナーである株式会社フルブライト代表取締役兼社長兼CEOの河野氏が講演を行った。EC-CUBE 2系が普及した理由等を含め、EC-CUBE 3が創出する新たなビジネスチャンスについてを語った。各々グラスを持ちながらも、河野氏の講演に参加者は釘付けであった。

乾杯のあとは歓談の時間となり、その後はついに「EC-CUBEプラグインアワード3.0」の各受賞プラグインの発表である。発表を目前に、会場の空気も少し引き締まる。そして、発表がはじまると、会場は熱気に包まれた。

発表された受賞プラグインは次の通り。

◆最優秀賞
「PUSH配信プラグイン【D-POST】」/SYSTEM_KD
サイトの情報は新へ「PUSH配信(プッシュ通知)」を追加する。

◆優秀賞
・「顧客トラッカー」/株式会社イーツー・インフォ
フロント画面のユーザーがアクセスしているURLを管理画面でリアルタイムに確認できる。

・「住所自動入力の拡張版(3.0系)」/ピエールソフト
郵便番号から住所を自動入力するツール。郵便番号が複数の地域に対応しているものでも、ガイダンス画面選択方式によって正しく操作することができる。

・「クラウド会計 freee プラグイン Light」/有限会社Loop AZ
受注時に受注情報の取引を登録するのみの簡易版ではあるが、無料で利用できる。

◆入選
・「配送伝票番号CSV一括登録プラグイン(3.0系)」/ETUNA

・「InfoTownLinkWp(EC-CUBE 3版)」/澤井 寛

・「こちらのサイトでもお買い求めいただけます。プラグイン」/鈴木 淳也

・「Appiariesプッシュ配信プラグイン」/ピーシーフェーズ株式会社

・「最近チェックした商品プラグイン」/株式会社ブラテック

◆CPI賞(W受賞)
・「InfoTownLinkWp (EC-CUBE3版)」/澤井 寛

◆Twilio賞
・「TwilioTalk顧客対応プラグイン」/株式会社クロスキューブ

ご存知の通り、今回のセミナーに参加しているのは、普段からEC-CUBEを利用して制作を行っている方々ばかり。そんな中で、EC-CUBEを利用していない筆者にとって、このセミナーはいかにEC-CUBEが利用者の声を大切にしているかを強く感じるものであった。

 EC-CUBEがいかに利用者の意見を大切にして作り上げられていることを、利用者であれば感じる機会は多いと思うのだが、実際に運用部分を担っているECショップの担当者はなかなかわかりにくい部分であろう。また、専門的な知識はわかならい!というECショップの方にも、今回の記事を通して、EC-CUBEがネットショップのサイトとして利用されるまでに、様々な背景があることを少しでも知るきっかけになればと思う。

株式会社ロックオンレポートサイトでもレポート公開中!

株式会社ロックオンレポートサイトでもレポート公開中!

 カンファレンス当日の様子は、株式会社ロックオンのレポートサイトでも見ることができるので、ぜひチェックしていただきたい。

 フォトギャリーの他にも、「EC-CUBEプラグインアワード 3.0」の受賞者からのコメントも掲載されており、読み応えたっぷりな内容となっている。

EC-CUBEユーザーカンファレンス 2016 新春 レポートサイト
URL:http://goo.gl/ypIrW0