【続報】ヤマト運輸「意見広告」いい競争支持は53%!

福島 れい

ヤマト運輸切望「いい競争で、いいサービスを。」見解は?

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)が昨年11月12日に全国54紙に掲載した意見広告は大きな話題を呼び、12月19日には、「お寄せいただいたお客さまのご意見に関する特設ホームページ」(以下、当サイト)を開設、特に多くの質問や批判的な意見が集まった4つの項目について、説明していた。

その後も多くの意見が集まり、2月15日時点でその数は3,060件に達したという。今回は、新たに4つの項目を追加し、当サイトを更新したとの知らせが入った。今回に関しては、「賛同の意見も紹介してほしい」との声を反映し、新たに項目を追加しその一部が紹介されている。

【特設ホームページの内容】

(1)「郵便業務」のユニバーサルサービスについてのご意見
 ① 優遇をなくしたら、全国均一料金で届く郵便のユニバーサルサービスは維持できないのではないか?
 ② ・日本郵便への優遇は当然ではないか?そもそもヤマト運輸も優遇措置を受けているのではないか?
 ③ 郵便は全国一律料金、宅急便は離島料金を取っているのでは?また、過疎地の配達は日本郵便に委託しているのが現状ではないか?

(2)「信書」についてのご意見
 ① 意見する前に、ヤマト運輸も一般信書便事業へ参入すべきだ。
 ② 信書の制度はわかりにくい。

(3)「意見広告」についてのご意見
 ① 意見広告は日本郵便への批判か?
 ② 意見広告で解決することではない。それよりサービス向上に励むべきだ。

(4)「クロネコメール便」についてのご意見
 ① クロネコメール便は採算があわないのでやめたのでは?
 ② クロネコメール便の復活を期待する。

(5)諸外国の「郵便業務」のユニバーサルサービスについてのご意見
 ① 諸外国の郵便業務に対する優遇はどうなっているのでしょうか?

(6)信書のあいまいさについてのご意見
 ① 何が信書かわかりにくい。
 ② 荷物と一緒に「手紙」や「請求書」などは同梱できないのか?
 ③ 「ゆうメール」なら信書を送れるのか?

(7)国際スピード郵便(EMS)についてのご意見
 ① 国際スピード郵便(EMS)と民間の輸送サービスの違いについて

(8)その他のご意見
 ① 共同配送について
 ② 郵便番号は日本郵便のものではないのか?
 ③ 日本郵便の値上げについて

(9)賛同いただいたご意見やご提案
 ① ご意見のご紹介

約3か月で3000件の意見はヤマト運輸に!

約3か月で3000件の意見はヤマト運輸に!

【意見を寄せたユーザーの特性】

前回掲載後に新たに意見を寄せたユーザーの年代、性別、意見の傾向(集計方法:ヤマト運輸にて確認・集計)

・意見したユーザーの内訳
(1)集計期間:2015年11月12日~2015年12月15日
   意見数:2,137件

≪年代≫
10代 1.0%
20代 12.6%
30代 28.5%
40代 29.2%
50代 18.7%
60代 7.7%
70歳以上 2.0%
80歳以上 0.3%

≪性別≫
男性 70%
女性 30%

≪意見の傾向》
支持 81%
不支持 13%
その他 6%

(2)集計期間2015件12月16日~2016年1月31日
   意見数:813件

≪年代≫
10代 0.9%
20代 12.4%
30代 29.2%
40代 31.2%
50代 18。6%
60代 5.9%
70歳以上 1.1%
80歳以上 0.1%

≪性別≫
男性 69%
女性 31%

≪意見の傾向≫
支持 53%
不支持 31%
その他 16%

ヤマト運輸は、今後も、お客さまのご意見を募集し、皆さまのご意見に耳を傾けながら、引き続き「公平・公正な競争条件」の実現に向けて取り組んでまいります。としている。

昨年11月に意見広告が掲載された際には、日本郵政グループが上場したあとだったこともあり、特に注目が集まった印象があったが、その後数ヶ月が経過してもなお、これだけの意見が寄せられているということ自体が、運送業への関心の高さを窺わせる。

ヤマト運輸が訴える、「公正・公平な競争条件」、またユーザーが捉える運送業。角度は違えど、どれも心からの意見だ。何が正しいか以上に、真摯な対応。日本郵便にはこれを期待したい。

ここでの声の一つ一つが、今後のヤマト運輸のサービスにおける、変化のヒントになりうると考える。物流業界の未来に繋がる、すべての人にとって、大きく関わる話としてこの問題も受け止めたい。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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