今年の母の日何渡す?楽天・Yahoo!最新ギフトはこれだ

ECのミカタ編集部

カーネーションよりアジサイ?楽天市場の母の日

1年に一度、お母さんに対して素直に”ありがとう”を伝える「母の日」が、今年も後3週間ちょっとでやってくる。最近では、実店舗で母の日ギフトを購入し渡す、あるいは実店舗から送るというよりも、商品を実際に見ることなくインターネット上で購入し届けるという、ECを利用した母の日ギフト選びが主流になりつつあるのではないだろうか。EC業界では、すでに4月の初めから母の日商戦が始まっている。

具体的に、今年の母の日商戦にはどのような特徴があるのだろうか。楽天株式会社(以下、楽天)の調査によれば、40代~60代の各世代に「母の日にもらって嬉しいものは何か」と聞いたところ、すべての世代において1位に”花”2位に”スイーツ”と全く同じ回答が並んだ。それを裏付けるかのように、2016年3月時点での母の日関連商品登録数が約400万点にも及ぶ楽天市場では、そのうち4割もの商品がフラワージャンルであるという。

楽天市場での母の日関連商品の売り上げは、毎年平均130%のペースで伸び、昨年2015年には2011年の約3倍にまで拡大した。この結果は、父の日に比べると、1.7倍もの市場規模になるとのことだ。そしてギフト選びにおける最近の傾向としては、調査で2位にも上がったスイーツの需要が高くなってきている。

この調査結果を踏まえたうえで、今年の楽天市場の母の日で特にトレンドとして注目したいのは、「カーネーションよりもアジサイ」「インスタ映えフラワー」、この2点だ。

【楽天今年のトレンド詳細】

まず「カーネーションよりもアジサイ」とはどういうことだろうか。母の日の定番と言えば”カーネーション”なのでは?いや、最近では長く楽しめるアジサイが特に人気なのだという。その人気の秘密は「一家団らん」「家族の結びつき」というアジサイの花言葉にも由来しており、そう考えるとお母さんへの贈り物としてはぴったりではないだろうか。

そして「インスタ映えフラワー」というのは、SNSに写真を載せて注目を集めそうなフラワーギフトのこと。”インスタ”というのは、写真をタイムライン上に共有できるSNS”インスタグラム”のことで、2010年に登場して以来、そのオシャレでシンプルな機能により、多くの人から利用されている。

そして”インスタ”に載せる写真を選定するということは、その人がプライベートでどのような生活を送っているのかをフォロワーにイメージさせる、一種のブランディングにもつながる。できれば華やかな写真をSNSに投稿し、おしゃれに見られたいのが乙女心なのだろう。

なので、今年のフラワーギフトは、「いかに”SNS映え”するか」という点にも注目が集まる傾向があるという。無難に真っ赤なカーネーションでも嬉しいのだが、実店舗ではなかなか売っていないような珍しい商品や、SNS映えするような見た目の商品が注目されていることには、現代においてSNSの存在がいかに大きなものなのかということを感じずにはいられない。

以上が今年の楽天市場における母の日のトレンドだ。あれ、調査結果2位のスイーツについては?と思った方。ご安心を、続いてご紹介するのが、ヤフー株式会社(以下、Yahoo!)が運営している「Yahoo!ショッピング」の母の日イベント「Mother's Week」。今回この「Mother's Week」で特に注目されているのが、”食べられるお花のスイーツ”ギフトなのだ。

Yahoo!ショッピング、こどもの日も母の日?

「Mother's Week」は、Yahoo!ショッピングが5月5日(こどもの日)から5月8日(母の日)の間に開催する母の日イベントのことである。ここで一つ、なぜ”こどもの日”も「Mother's Week」とされているのか、不思議に思わないだろうか。実は「国民の祝日に関する法律」によると、”こどもの日”というのは、こどもの幸福をはかるとともに、”母に感謝する日”であると定義されているのだ。

そして実は、Yahoo!がYahoo!ショッピングでの母の日を4日間に期間を広げたことにはもうひとつ理由がある。それは、物流の分散だ。5月8日の母の日当日だけにイベントを行ってしまうと、その1日だけに物流が偏ってしまう。しかし、今回Yahoo!が母の日の期間を4日間に広げたことで、物流の負担が減るのだ。ECならではの悩みに、Yahoo!が救いの一手を差し伸べるカタチとなりそうだ。

【Yahoo!調査】
Q.フラワースイーツのような商品を母の日にプレゼントされたらどう思いますか?

そういったことからYahoo!ショッピングでは、今回こどもの日を含めた4日間を「Mother's Week」と提唱し、Yahoo!ショッピング限定で9種類の”食べられるお花のスイーツ”を先行販売することとなった。スイーツについては、楽天の調査結果でも2位の人気だったように、各世代のお母さんたちからの注目が高い。特に”食べられるお花のスイーツ”という珍しい商品は、Yahoo!の調査によると、お母さんたちからも喜ばれる結果となった。

実際にYahoo!ショッピング限定で先行販売される”食べられるお花のスイーツ”にはどういったものがあるのか。Yahoo!ショッピングで母の日スイーツを販売している株式会社 日比谷花壇(以下、日比谷花壇)は、そもそもお花屋さんなのだが、今回Yahoo!ショッピングにお花のスイーツを先行販売することになった。

日比谷花壇「花咲くローズカップタルト」

日比谷花壇の様々なスイーツの中でも特に目を引いたのが、お花のカタチをしたカラフルなカップケーキ。実際に、お花のフレグランスウォーターをクリームに忍ばせたり、そのクリームの上に食用の花びらをちょこんとのせていたりと、スイーツであってもお花を感じられるような様々な工夫を施している。このように、日比谷花壇が”お花屋さんのスイーツ”という新しいブランドを確立し、店舗の色をしっかりと出せている。

他の店舗も同様に、店舗の色を出せるチャンスを、母の日というイベントによって掴むことができるのではないだろうか。そのためには、楽天のトレンド商品でも見られたように、世の中の動きに注目して商品を開発していく必要がありそうだ。

今まで定番だと思っていたものが、実はもう定番ではなくなっている、そういった話はこれから先、更に起こり得るだろう。それは、カーネーションという定番が、アジサイへと変化しているように。

しかし、何がどう変わろうと一番大切にすべきなのは、「お母さんへ感謝の気持ちを伝えること」だ。一年に一度、素直な気持ちで自分が一番届けたいものを感謝と共にECを使って届ける。そのサポートをしているのは、全国のEC店舗、EC支援企業なのだろう。来年、さらに力をつけたEC業界がどんなトレンドを仕掛け、消費者の心を掴んだ母の日を展開するのか、注目である。


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