オムニチャネルが実現、アパレル店舗の機会損失防止

福島 れい

ユナイテッドアローズが会員サービスをリニューアル

 株式会社ユナイテッドアローズ(以下、ユナイテッドアローズ)より、会員サービスをリニューアル、EC店舗とリアル店舗の両チャネルにおいて相乗効果を図り、売上の拡大を目指すとの発表があった。

 具体的なリニューアル内容としては、8月1日より、「UNITED ARROWS LTD. HOUSE CARD/ユナイテッドアローズ ハウスカード」(以下、HC)が生まれ変わる。これまで独立していたリアル店舗向けのHC会員サービスと、オンラインストア会員サービスを統合したポイントサービスになり、より貯めやすく、より使いやすくなるという。

 会員サービスの共通化に加え、公式通販「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE/ユナイテッドアローズ オンラインストア」(以下、オンラインストア)を利用する際には、ハウスカード番号(またはメールアドレス)とパスワードでログインが可能になり、オンラインストアがより使いやすくなる。

 また、「グレードアップ特典」と「エクストラサービス」の提供も開始される。「グレードアップ特典」は年間獲得ポイントや購入金額に応じてステージが設定され、それに応じた特典が受けられるというもの。さらに「エクストラサービス」では、各ストアブランドごとに独自の特典が受けられる。

 今回のリニューアルでユナイテッドアローズが目指すのは、リアル店舗とオンラインストアの双方で同等のサービスを提供することだ。今後、オンラインストアのシステム改善も行う予定でオンラインストアの充実に力を注いでいることが感じられる。

 ユナイテッドアローズのようなアパレルショップがオムニチャネル化を進める価値は2点あるだろう。1点目は、会員のサイズや好み等の情報をリアル店舗とEC店舗で共有することで、接客がしやすくなり、購買意欲を高めることができるということ。2点目は、在庫切れによる機会損失の極小化だ。

 特定のブランドを購入する場合、 リアル店舗とEC店舗では買い物の形は異なるが、ユーザーが求めている商品やサービスは同じだ。オムニチャネル化を進めることでユーザーはスムーズに買い物を進められ、購買意欲も高まる。店舗としても機会損失を最小限に抑えられメリットは大きい。

 EC化が進むにつれてリアルとECの壁は小さくなっている。充実した買い物環境を提供する一つの方法としてオムニチャネル化は有効な手段と言えるだろう。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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