リクルートHD2016年3月期決算発表

ECのミカタ編集部

RHD2016年3月期決算に注目

 株式会社リクルートホールディングス(以下、RHD)は、2016年5月13日に2016年3月期決算を発表した。RHDは、RHD、子会社287社及び関連会社13社(平成28年3月末日現在)で構成されている。今期の売上高は、1兆5,886億円と前連結会計年度比22.2%増加し、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)とともに過去最高の実績となった。

●連結業績サマリ
*1 EBITDA:営業利益+減価償却費+のれん償却額
*2 のれん償却前当期純利益:親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却額
*3 想定為替レート:1ドル=119円、1豪ドル=91円
*4 期中平均為替レート:1ドル=121.10円(前年同期実績は1ドル=105.79円)、1豪ドル=91.07円

(参照:リクルートホールディングス株式会社 2016年3月期通期決算説明資料)

 しかし、営業利益は1,140億円(前連結会計年度比6.9%減)、経常利益は1,193億円 (前連結会計年度比5.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は645億円(前連結会計年度比7.4%減)と、それぞれ前年度よりも減少していることがわかり、その要因としては、減価償却費やのれん償却額等の一部の営業費用が増加したことがあげられる。

 次に、セグメント別の売上高、EBITDAを見てみよう。

●セグメント別売上高/EBITDA

(参照:リクルートホールディングス株式会社 2016年3月期通期決算説明資料)

 RHDは、事業の種類別に「販促メディア事業」、「人材メディア事業」、「人材派遣事業」及び「その他事業」の4つを報告セグメントとしている。

 今期連結売上高の伸びにおいては、人材派遣事業が大きく貢献していることがわかる。また販促メディア事業は、ライフイベントの領域が堅調で、日常消費領域が好調に推移したことにより、売上高にて前年同期比4.8%の増加があったものの、EBITDAにおいては、前年同期に比べ3.1%減少という結果が目立ち、要因としては主に欧州で飲食・美容事業を展開する子会社を新たに業績に取り込んだ影響によるものとみられる。

 販促メディア事業の売上高において、日常消費領域が好調であったことの背景には、飲食・美容分野でのインターネット予約件数及び人数が順調に拡大したことがあげられ、さらに既存のクライアントとの取引拡大や新規クライアントの獲得が好調に推移したことが結果に繋がった。

2017年は?RHD今後の見通し

2017年は?RHD今後の見通し●2017年3月期 連結業績見通し
*1 想定為替レート:1ドル=115円、1豪ドル=81円(前年同期実績は、1ドル=121.10円 1豪ドル=91.07円)
*2 現時点では連結業績見通しと既存事業における連結業績見通しとが一致
*3 調整後当期純利益:親会社株主に帰属する当期純利益±調整項目*(配株主帰属分を除く)±調整項目の一部に係る税金相当額
*調整項:企業結合に伴い生じたのれん以外の無形固定資産及びのれんの償却額±特別損益
*4 調整後EPS:調整後当期純利益/(期末発行済株式数-期末自己株式数)

(参照:リクルートホールディングス株式会社 2016年3月期通期決算説明資料)

 RHDは、2017年3月期の連結業績見通しとして、2016年の通期実績1兆5,886億円より6.4%増加の1兆6900億円を見込んだ。今後、国内の既存事業を強化することはもちろん、新規事業・サービスの開発も進めていく。また、人材派遣事業の海外派遣の売り上げが前年同期比66.6%増加したこともあり、海外事業においても更に積極的な成長投資を行っていくとのことだ。

 そして、インターネット及びスマートフォンの急速な普及、そして競合他社による同グループの事業領域への新規参入等も無視できない。同グループがEC事業においてもどのような成長を見せてくるのか、今後も目が離せないだろう。


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