「#いいね不要」愛されるリーバイスのプロモ施策

利根川 舞

143歳を迎えたリーバイス。愛に溢れる誕生日。

 今日、5月20日はアパレルメーカーのリーバイス143歳の誕生日だ。馬のブランケット用に使われていたテント地と、ポケットをリベットで補強したパンツの特許を取得したのが1873年の今日なのだ。この、ジーンズが生まれた日を祝って、リーバイスではプロモーションキャンペーンを行っている。

 この「#いいね不要」というものは、TwitterやInstagramで使われている「タグ」と呼ばれるものである。そして、この「いいね」というのは”お気に入りの投稿”、”気になる投稿”、という意味を持つため、リツイートと同じくらい、いかに「いいね」を稼ぐかを追い求める人もいるほどだ。

 だからこそ、この「いいね」を不要とするというのは、なかなか挑戦的なことなのだ。しかし、穿けば穿くほど、1本1本違った味わいの出るジーンズを販売するリーバイスだからこそ、他人からの共感を求めるのではなく、「自分だけの」を大切にするために「#いいね不要」というタグを生み出したのだろう。

 この潔さ、ストレートな意見が逆に共感を呼び、Twitterにおいても話題となっている。本家のツイート以外にもこのタグをつけて投稿しているユーザーは多く、そのツイートをリーバイスがリツイートすることで、リーバイスの誕生日の盛り上がり、そして何よりもリーバイスがいかに愛されているかを印象付けている。

 ちなみに、リーバイスの投稿にはタグとともに、キャンペーンサイトのURLが掲載されているのだが、実はリーバイスはECサイトも運営しており、そこへの誘導もなされている。

 これこそ、Twitterでのプロモーションの成功例であると言えるだろう。もちろん、プロモーションとしてTwitterに広告を出しているし、長年愛され続けてきたメーカーであるというのも大きな要因としてある。

 しかし、Twitterというのは拡散性が高いため、当たれば一気に知名度を上げることができるだろう。だからこそ誰であってもチャンスは大いにある。ここで注意しなければならないのは、マイナスなことをしても同様に拡散されてしまうということだ。

 TwitterやFacebookなど、SNSによってよく利用している年齢層も異なるという結果も先日発表された株式会社ジャストシステム(以下「ジャストシステム」)の調査などからもわかっているため、自社の商材がどの年代をターゲットとしているのかという点からも、使い分けが必要だと感じる。


「踏み出そう、自分だけの一歩を。
歩いた分だけ、そのジーンズはきっと
自分だけの一着になる。

私は、誰とも違っていい。」


 ECサイトを営む人にかかわらず、きっと、「あなたなりの使い方で、この商品を愛して欲しい。そして末永く。」そう思いながら商品を販売している人は多いのではないだろうか。多くの人に愛されているリーバイス。ここに、売り手の目指すところがあるのかもしれない。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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