同時開催のヤフー・楽天セール、今回の傾向はいかに
6月16日から20日の5日間、ヤフー株式会社(以下「ヤフー」)が運営するYahoo!ショッピングが、6月18日から23日までの6日間で楽天株式会社の運営する楽天市場がそれぞれセールを開催。両モールの担当者へ話を伺ったところ、次のような回答をいただいた。
Yahoo!ショッピング20周年大感謝祭セールは前年同期比2倍以上!
6月16日から6月20日にかけて行われた「Yahoo!ショッピング Yahoo! JAPAN 20周年大感謝祭セール」では昨年の同期比2倍以上という結果になった。
年度末セールと比較すると新規ユーザーによる購入比率が伸張。ヤフーでは積極的なテレビCM投下施策などが、新規ユーザーの流入に結びついたのでは、と分析している。
大感謝祭セールでは最大半額にまで価格が下げられたセールや、Tポイントが全員当たる抽選会なども行われたことも集客のポイントとなっていることが伺える。
また、全般的に特に売れたカテゴリは「食品・ファッション」、「キッチン・日用品」「スマホ・タブレット・パソコン」であったという。セールということで、低価格ではあるが消耗品である日用品や、高価なデバイス機器が売れ筋商品となっているようだ。
これらの市場規模は、「食品」「ファッション」「家電」いずれも1兆円以上と言われているが、その割には「家電」以外のEC化率が「食品」2.03%、「ファッション」が9.04%と低い(経産省「電子商取引に関する市場調査」より)。しかし、このようなセールで売れていることからも、さらに伸びしろがあることがわかるため、これら現在EC化率の低い分野において、ヤフーがセール以外でどういった仕掛けをしていくのかに注目である。
ポイント最大35倍ゲットの楽天市場は?
一方、Yahoo!ショッピングよりも1日長い6日間行われた「楽天スーパーSALE」では、全体的にも大変好評であり、多くのユーザーが楽天市場で買い物を楽しんだようだ。
初心者でもセールを楽しめるようと公開されていた「スーパーSALE 徹底ガイド」が今回のセールに向けてリニューアル。楽天が推進している、お客様の声をサービスに取り込むという今回のモールの目玉とも言える「買えば買うほどポイントアップし、最大35倍のポイントゲット」に向けて、どのようにしたら35倍もポイントをもらうことができるのか、なども掲載されている。
また、セールに限ったことではないが、スマートフォンでの利用が増えているそうだ。
今回、楽天から売れたカテゴリなどの発表はされていないが、来月から全国で順次行われる楽天 EXPO 2016においても何らかの情報が公表されるそうだ。
このセールを下半期にどう活かす?
大手モールが同時期にセールを開催するということで、注目を浴びていた二大セール。どちらも盛り上がりを見せたようである。今回のセールでは、ヤフーは新規ユーザーの集客を行い、その一方で楽天市場は「スーパーSALE 徹底ガイド」などによりユーザーの満足度を向上させる取り組みを行っている。
この新規ユーザーの獲得と既存ユーザーの満足度を向上させるという、対極的な各社の施策が実行に移されたことがわかりやすく現れたセールであったと言えるだろう。 2016年上半期もそろそろ終わるということで、各社のこれまでの動向も気になるところである。
楽天市場からは楽天市場の上半期ランキングが発表されており、他にも、上半期ランキングがAmazonや@cosme、Googleなどから発表されているため、下半期へ向けての施策を考える上で、活用してみてはいかがだろうか。
◆Amazonランキング大賞2016上半期
https://ecnomikata.com/ecnews/9301/
◆@cosmeベストコスメアワード2016上半期
https://ecnomikata.com/ecnews/9675/
◆楽天、2016年上半期ランキング発表。1位はあの商品!
https://ecnomikata.com/ecnews/9753/