5月度の総売上高は前年同月比の-3.1%。商品の伸び率は【JADMA調べ】

ECのミカタ編集部

4月度に引き続く「雑貨」の伸び率がトップ!

 ネットショップなら、知っておきたい情報、それは、売上高など業界の現状である。今回は、公益社団法人日本通信販売協会(以下、JADMA)が発表した「2016年5月度の売上高調査」を元に現状をまとめていく。さらに、それに加え、2016年4月度の売上高も合わせてEC業界の動向を探る。

 2016年5月度の総売上高(136社)は1,223億5,000万円となり、前年同月比でみると-3.1%減少した。伸び率を商品別にすると、「衣料品」は前年同月比-15.6%、「家庭用品」は-7.9%、「雑貨」+3.7%、「食料品」+1.5%、「通信教育・サービス」-19.3%となった。なお、5月度の1社あたりの平均受注件数は、86,783件(回答109社)だった。

 ここで4月度の売上高調査を振り返ってみる。4月度の総売上高(135社)は1,303億5,600万円となり、前年同月比でみると-1.6%減少した。伸び率を商品別でみると、「衣料品」は前年同月比-18.6%、「家庭用品」は-3.1%、「雑貨」は+7.9%、「食料品」-2.1%、「通信教育・サービス」-13.6%だった。なお、4月度の1社あたりの平均受注件数は、81,219件(回答106社)だった。

 4月度と5月度を比較すると、総売上高が減少していることが読み取れる。さらに、商品別の伸び率は、同様に「雑貨」の伸び率が高い。その逆に減少しているのは、4月度は「衣料品」、5月度は「通信教育・サービス」となっている。また、衣料品の購入が多そうにも思えるが、「-」が続いている。だが、6月は衣替えの季節でもあり、新しい洋服を購入するタイミングでもあるため、伸びることも予想される。

2004年度からの売上高を復習

2004年度からの売上高を復習

 JADMAでは、2004年度から2014年度のECの売上高について上記のグラフにまとめている。このグラフを見ると、JADMA会員の売上高が徐々に増加していることが分かる。伸び率の数字に幅があるものの、常にプラスの伸び率であり、市場推計値は増加している。このEC市場の成長要因として、楽天やアマゾンのプラットフォーム系企業が牽引役となっていることだ。また、店舗系のECの伸び、新商品、サービスのネット通販企業の参入による裾野の拡大や中小企業のECへの参入及び成長による裾野の拡大も関係している。

 ネットで自由にモノが購入することができるようになってから現代まで、EC市場は徐々に伸びている。それは、ただ単に利便性が高いからではなく、EC企業がユーザーを喜ばせる工夫をしているからだ。例えば、ユーザーが欲しいタイミングに欲しい情報を選んで提案したり、クーポンを随時配信したりと接客に工夫をしているEC企業が増えてきた。変わりゆく接客の仕方がユーザーを喜ばせ、商品購入へと導く。今後もEC上の接客が益々進化していくに連れて、EC市場も向上していくことだろう。

 最近で言えば、EC上の接客が進化するとともに、お客様とネットショップの関係がより親密に構築されてくるだろう。また、スマホなどで、今まで以上に、利便性が向上すれば、その親密さも一層深まることだろう。その意味で、さらに、ECの市場はさらに伸びしろがあると言って良い。


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