J:COMがショップチャンネル買収!!

ECのミカタ編集部

J:COM、住友商事、KDDIがTVとネット両輪で通販を!

記者の論点:顧客基盤が近しいJ:COMとショップチャンネルが1つとなることで基盤強化、また、J:COM、住友商事、KDDIの3社の連携によりTVとネットの連携が強化された。

株式会社ジュピターテレコム (以下、J:COM) は、本日開催の取締役会において、ジュピターショップチャンネル株式会社 (以下、ショップチャンネル) の株式50%を取得することを決議したと発表した。これはベインキャピタル・パートナーズ・LP (本社: 米国マサチューセッツ州) が投資助言を行う投資ファンドが特別目的会社を通じて行うもの。同時に、KDDI株式会社 (以下、KDDI) は、住友商事株式会社 (以下、住友商事) が現在保有しているショップチャンネル株式のうち5%を取得する。J:COM、住友商事、KDDIの3社は今後協力して、ショップチャンネルの更なる企業価値の向上ならびに顧客満足度の向上に努めるとしている。

まず、ショップチャンネルとJ:COMがどのような企業なのか整理する。

ショップチャンネルは、1996年11月に日本で初めて生放送を取り入れたショッピング専門チャンネルを開局し、現在は24時間365日生放送を実施している国内最大手のテレビ通販企業。ケーブルテレビや衛星放送等を通じ、無料で全国2,871万世帯にて視聴可能、年間売上高は1,365億円と創業以来18期連続増収を続けている。

また、J:COMは、全国5大都市圏で約500万世帯にサービスを提供する国内最大のケーブルテレビ事業者。「J:COM Everywhere」戦略のもと、放送・通信サービスを核として、お客さまの暮らしに役立つ様々なサービスを提供している。多チャンネルテレビ、高速インターネット、固定電話に続き、2012年には電力サービスを、2015年10月からはモバイルサービスも開始するなど、お客さまの暮らしを便利で快適、かつ豊かにする取り組みを続けてきた。

つまり、ショップチャンネルとJ:COMの顧客層は重なっているのだ。 今回の買収の目的はそこにある。ショップチャンネルとJ:COM相互のユーザーに対する積極的な営業活動やプロモーション施策が実現し、両社の顧客基盤や売上の拡大が期待できるということだ。

J:COM、住友商事、KDDIの3社が連携!

さらにJ:COMと共にショップチャンネルの株を保有することになる住友商事とKDDIを見てみると、住友商事のリテイル事業は、ものづくりから小売まで、ハンズオン経営による知見と人材を強みとし、中でもショップチャンネルについては1996年の設立当初から運営に携わり、創業以来培ってきた経営・オペレーションノウハウを同社に提供してきた。今回、J:COMおよびKDDIの両社を新たなパートナーとすることで、ショップチャンネルにおける顧客基盤やインターネット販売の拡大などの重点施策をさらに強化できるとの狙いだ。住友商事は「今後も引き続きショップチャンネルをリテイル戦略の柱を担う中核事業として位置付け、同社の更なる成長と企業価値の向上に向けて、取り組んでまいります。」としている。

KDDIは、auスマートフォンとJ:COMサービス (TV、インターネット、固定電話) を組み合わせた割引サービスである「auスマートバリュー」の提供や、住友商事とのJ:COMの共同経営等を通じて、ケーブルテレビ事業の発展に取り組んできた企業。また、近年「au WALLET」「au WALLET Market」を中心とした決済・物販事業の展開等、通信領域以外でもお客さまの生活シーンに寄り添ったサービス提供にも取り組んでいる。今回の資本参加により、スマートフォンとテレビ通販を組み合わせた新たなサービスに挑戦するなど、ショップチャンネルの持続的な企業価値向上を実現していくという。

J:COM、住友商事、KDDIの3社は、それぞれの経営資源を活かし、今後は新たな通販番組の開発やテレビとインターネットの両輪で新たな顧客層にもリーチすることで、ショップチャンネルの一層の事業拡大を図るとしている。

今回の買収により、テレビとインターネットの両輪で通販を行う基盤が出来上がったと言えるだろう。TV通販とインターネット通販のユーザー層は異なるとも言われているが、双方に強みを持つ基盤が出来上がったことで、このユーザー層にも変化が起こることが予想される。先日のやずやのCMからも感じたことだが、様々な角度から、あらゆるユーザーに向けてアピールが行われ、ますますユーザーが触れる情報は増えている。いかに差別化を図るか、いかに注目を集めるか、これまで以上に考える必要がありそうだ。


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