東急プラザ銀座初出店、藤巻百貨店のオムニチャネル

ECのミカタ編集部

ECからも、リアル店舗からも、日本の文化を発信

 株式会社caramoが運営するECサイト「藤巻百貨店」が、明日3月31日(木)にグランドオープンする「東急プラザ銀座」店に初のリアル店舗を出店することを発表した。

 藤巻百貨店は、2012年5月、故・藤巻幸大氏のプロデュースにより「日本をテーマにした珠玉の逸品に出会えるECサイト」として発足。日本の職人技が光る魅力的な取扱商品に加え、コンテンツスタイルでの商品紹介、キュレーション、ソーシャルメディアの活用など、新しいECスタイルを展開してきた。現時点で、フェイスブックファンは約23万人、メルマガ会員は10万人超に達している。

 そんな多くの顧客から「商品を実際に見てみたい」という声が寄せられていたことが、今回のリアル出店の背景にある。また、同時期にリニューアルした「藤巻百貨店アプリ」において、会員情報やポイント情報などを、ECサイトと店舗とで連動させ、さらなる顧客満足度の向上と、オムニチャンネル化を推進していくようだ。

 東急プラザ銀座は、東急プラザの6店舗目、銀座・数寄屋橋交差点に、銀座エリア最大級の商業施設としてオープンする。開発コンセプトに「Creative Japan~世界は、ここから、おもしろくなる。~」を掲げ、「和(共存・融合)の文化」を全面に推している。背景には、特に銀座エリアにおける訪日客の急増、インバウンドの拡大があり、当然その先には、2020年の東京オリンピックもある。日本色を強く推している東急プラザ銀座店に、日本の職人の手による逸品を扱う藤巻百貨店は、ぴったりの存在といえるだそう。

オムニチャネルの本質とは

 EC業界における最近の流行の一つに、オムニチャネルという言葉がある。オムニチャネルとは、リアル店舗とEC店舗をはじめさまざまな販売チャネルを統合することで、顧客がリアルとネットの区別なく、いつでもどこでも商品の購入が可能になることだ。

 これまでオムニチャネルというと、まず実店舗があり、そこからウェブサイトやメルマガ、SNS、アプリなどを活用する例が多かった。しかし藤巻百貨店のように、EC店舗発のオムニチャネルというのも、これから十分に可能性があるだろう。いきなりリアル出店という形でなくとも、期間限定のイベントなどに出店し、まずは顧客の反応を知るという形もありだと思う。

 また、少し前にお伝えしたニュースでは、総合通販べルメゾンを運営する株式会社千趣会が、J.フロントリテイリング株式会社との協業で、オリジナルブランドを顧客情報を活用したオムニチャネルブランドとして再構築し、自社サイトと百貨店とで販売するというニュース(http://bit.ly/1UTL3xm)もあった。

 こういった動きから考えるに、オムニチャネルの本質は、リアルとネットの区別ではなく、それよりも、顧客が便利に、気持ち良く買い物をするためには何をすれば良いのか、あらゆる可能性を試すことが、結果的にオムニチャネルということになるのだろう。


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