盲点だった“お店を出ていくお客様”への声かけ接客が、月1,000万円以上をすくいあげた
「究極の出口施策」を自負する離脱防止ツール[3S]。ページから離脱しようとしたときにポップアップでメーッセージを表示し、待ったをかけるツールだ。以前の記事では離脱防止策の必要性をムーヴ株式会社 代表取締役の向井 康祐氏に伺った。今回は、実際に[3S]を導入している企業に、導入の経緯と効果についてリアルな声を聞いてみたい。株式会社MTGのダイレクトマーケティング事業本部EC営業部で部長を務める大橋 勲一氏に、離脱防止ツール[3S]へのホンネを聞いた。
課題は「いかに“接客力”を高めるか」。離脱防止策はノーマークだった
−−株式会社MTGでは、どういった商品を扱っているのでしょうか。
大橋さん:弊社では美容と健康の商材を製造販売しています。ビューティー分野では、美容ローラーのReFaや、マドンナと共同開発しているMDNA SKINというスキンケアシリーズ、ウェルネス分野ではクリスティアーノ・ロナウド選手とコラボレートしたSIXPAD、表情筋を鍛えるPAOなどがよく知られている商品です。
私たちの部署は通販部門のEC事業部。自社サイトを立ち上げて7年が経過し、メーカーECとしていかにエンドユーザーと直接関わっていくかを考えています。会社全体ではBtoBの割合が多いですが、EC直販の売上規模は毎年成長しており、今年も対前年比146%と成長し、柱の事業になってきています。
−−自社のECサイトでは、どんな点に気をつけていますか。
大橋さん:「ブランドや商品のコンセプトをいかに伝えられるか」です。弊社の商品は体感してみないと分からない商材ばかり。その商品特性を、いかに画面上でお伝えできるかを考えています。お客様に納得して買っていただくようなストーリーを考え、分析してLPをメインとしてやってきました。そして「もっとリアルなサービスを」と考えたとき、「接客力をいかに高めるか」という課題が出てきました。
−−「接客力」を高めるために[3S]を導入されたのですね。
大橋さん: TVCMやリアル店舗での認知効果もあり、サイトへの集客はできています。ストーリーを工夫し、動画も活用しはじめ、あとは接客をどうするか。そんなときにムーヴ株式会社の向井さんをご紹介いただき「離脱するお客様に接客ができる」と伺ったのです。そこは完全にノーマークでした。店を出られるお客様には声をかける余裕すらない状態なので、接客力を高める一環としてやってみようと導入を決めました。
クーポン・割引ではない接客の提案とスマートフォンへの対応が決め手に
−−「接客力」を高めるために、ほかの施策は検討しましたか?
大橋さん:ほかにクーポン頼りの施策も行いましたが、それでは質の良いお客様は集まりませんし、費用もかかります。クーポンという方法ではなく、ナビゲーション型の接客をしていきたいと考えています。他社の離脱防止ツールも5社ほど検討しましたが、[3S]はiOS/Android等全てのスマホに完璧に対応しているというのが最終的な決め手でした。弊社のアクセスは60%以上がスマホからで、強化しないといけないと考えていて、スマホのページ改修も必要ですが、まずは、今のままでも接客力を高めれば成果は変わるのでは、と。
−−具体的にはどういった施策を導入したんですか?
大橋さん: [3S]についてはシンプルです。クーポンや割引ということはゼロで、いくら以上送料無料とか、ラッピング無料とか、そういった基本的なことです。考え方から制作まで全てムーヴさんが無償で行ってくれました。
向井さん:ユーザーが見てくれている・知っていると思ってしまうことも、意外とそんなことはなくて。離脱しそうなタイミングで、そのショップの持っている基本的なことをポンと投げかけてあげるだけでも、CVはまったく違ってきます。ECはいろいろなページにさまざまな情報が散らばっています。それを横断して伝えるべきところだけを抽出し、ギュッと凝縮させて表示してあげるんです。
大橋さん:無償でこうしたデザインの制作/提供を行うのも[3S]の特長です。カート全体と、商品としては1ブランドだけで導入していますが、[3S]により踏みとどまってコンバージョンした数字は、 開始当時の今年の3月と4月はそれぞれ約400人強。それだけすくいあげて、売上としてはそれぞれ約1,000万円。その後、安定的に効果を上げてくれています。
お店を出ていくお客様を引き止めるのに、必ずしもクーポンは必要なかった
−−クーポンや値引きをしなくても購入していただけるんですね。
向井さん:「基本的なことをやっていこう」と気づいたきっかけは、リアルのお店の接客でした。必ずしもセール期じゃないときでも、値引きしないでちゃんと導いていってくれますよね。
大橋さん:前提としてユーザーとの信頼関係が大事ですが、値引きだけがオファーじゃないんですよね。ついクーポンやポイントに頼りがちだけど、正しく丁寧にご案内をすればお客様が立ち止まって買ってくださる。そのナレッジを、今はカスタマーサポートに共有しています。
ECサイトからのお問い合わせ電話から購入に至ることは少なくはありません。「また考えます」というときに[3S]と同じようなご案内をするんです。すると「じゃあ買ってみようかな」と後押しになる。これは[3S]がなければわからなかったことでした。
向井さん:まだまだこれからやってみたいこと、ご提案したいことはたくさんあります。ほかのブランドにも導入を広げた場合には、また違った訴求内容になると思いますし。そういったことも含めてプラス費用ということは一切なくやらせていただいています。
大橋さん:私たちも当然丸投げではないんですが、「ツールは導入したので後はそちらでやって下さい。」というのではなく、導入後もディスカッションしてやっていけるのがありがたい。それに最初は成果報酬型だった[3S]ですが、いまは金額を固定してやっていただいているのも運営する側としてはやりやすいです。
向井さん:基本的には成果報酬型でやらせていただいていますが、ある程度お互いに効果が見えてきたら、月額の固定費用に切り替えていくこともやぶさかではありません。
まずはトライしてみる。それができるのが、スピード感のあるECと[3S]の魅力
−−良好なパートナーシップという印象ですね。
向井さん:「あまりクーポンの接客をしたくないんだけれど」とか、「今、サイトのこの点のこんな数字が課題なんだけれども、どうしたらいいか」など、いろんな悩みを相談してくれるんです。私としては自社ツールを提供するだけではなくクライアントの数字を上げていく事が最重要だという使命感を持っています。ですから自社でまかなえないものは他社のツールを紹介して、一緒に組んで連携して、という提案をさせていただいています。
大橋さん:単にツールの代理店という感覚ではないですね。EC事業者はいろいろ悩みがありますが、技術は日進月歩で世にはさまざまなツールがある。向井さんには最新の情報を基に、弊社に合ったプランで提案をしていただいています。
向井さん:悩みや目的を話していただいて「じゃあこう対応していきましょう」と一緒にやっていけるのがすごく楽しいんです。結局どこまでいっても、ツールは道具でしかない。それをどう使いこなすかというのが大事になります。フットワークは技術と同じかそれ以上に大切にしています。
大橋さん:スピードは大事ですからね。ECはスピード感があっていい。トライしてダメならやめて、というのが繰り返せるのがECのいいところです。
向井さん:ECは結果が数字に表れるのが、厳しくもあり楽しくもあるところですね。[3S]は売り上げが伸びず困っているECサイトにぜひ試していただきたいです。そういうところでこそ、[3S]の真価が問われると思いますから。