オンライン融資「LENDY」が小規模ECを応援!もう成長機会を逃さない
「メディア掲載で注文が殺到する」「集客を強化したい」そんなタイミングで、どれだけの企業が攻めの姿勢に転じられるだろうか。特に中小零細企業においては、仕入れのための資金繰りがネックとなりがちだ。アメリカや中国で今や一般的なった『オンライン融資』は、日本のECにどんな影響を与えるのか。株式会社クレジットエンジン代表取締役 内山誓一郎氏にお話を伺った。
融資もオンライン完結の時代へ−−事業計画書や資金繰り表など煩雑な書類はもう要らない
「オンライン融資」という言葉を知っているだろうか。その名の通りオンラインのみで完結する融資で、海外ではすでに一般化している。アメリカや中国では事業融資はもちろん、個人のローンでも活発に利用されている仕組みだ。
もともと銀行で融資を担当していたという内山氏。「今までは事業計画書や資金繰り表などといった膨大な書類を用意する必要がありました。そういう書類は『いかに上手く書けるか』が大事な部分もありますし、税理士にお願いすれば費用もかかってしまいます」。
今はすべてがオンラインの時代。web上にはタブレットのPOSレジやクラウド型会計ソフトなどの情報がある。「それらを解析し、事業の信用力があるか見極める為の資料として活用します。決算書では過去の年次のデータですが、オンラインにあるのは今日このタイミングまでの情報。ECの売上データを見れば、どういう商品がどれくらい売れているのか、今後何が起こるのかが見えてくるのです」そう内山氏は語る。
日頃の運営をきちんとやってさえいれば、面倒な資料を作る必要がなく、資料作りに時間を割くこともない。手間なく資金が調達できるということだ。そのオンライン融資が、今年、2017年1月に登場した「LENDY」により、いよいよ日本でも本格的に広がりをみせてきた。
銀行では評価されにくいEC。モールに縛られないオンライン融資に見出す成長の活路
一部、Amazonレンディングや楽天スーパービジネスローンなど、自社モールの利用者に向けたオンライン融資サービスは今までも存在していた。しかし「LENDY」が画期的なのは、どんな事業者も利用できるところにある。
「モールに出店しながら本店に力を入れているECショップは多いと思います。モール向け融資サービスでは、そのモールの実績だけでしか評価されません。しかしLENDYなら分散したすべでのショップの実績を総合して判断することができます」そう内山氏は話す。
大きな売り先が決まった、メディアに取り上げられた、そんなときは事業を一気に飛躍させたいものだ。しかし手元に軍資金が必要になっても、銀行はすぐに貸してはくれない。中小企業庁の「中小企業白書」などによると、金融機関で融資を受ける基準に届かない企業は350万社を超える。中小零細企業や個人事業主には厳しい現実だ。
売上機会を逃さないためにも、必要なときにいつでもお金が借りられる環境を整えておくことが大切だと内山氏はいう。「銀行の当座貸越のような資金枠をLENDYでは簡単に作れます。とりあえずいくら借りられるかを事前に把握しておき、必要な時に利用していただくのがいいと思います」。
しかし、融資そのものに抵抗感がある事業者も多いのではないだろうか。「融資はピンチのときだけのものではありません。成長するためにも利用すべきものです」と内山氏は力を込める。
勝負どころで機会損失をしないために。融資は「成長スピード」を買うために利用する
「借りることに対してネガティブになるのではなく、うまく使うべきです。ECでは仕入れた分しか売れないのだから、資金調達が重要なのは間違いありません。メディア露出のタイミングに大ロットで発注して仕入れ単価を下げるなど、うまく使うことで売上を一気に上げることができます」銀行で融資を担当してきたという内山氏はそう話す。自転車操業の運転資金ではなく、さらなる成長への投資のために融資を利用すべしというのだ。
LENDYの利用者の多くは、EC事業者や飲食店・美容室といった今までは銀行で融資を受けようとしても相手にしてもらえなかった個人事業主・中小規模の法人だ。「銀行では、より長い期間により多く借り入れてくれる企業に融資したがります。しかし実店舗を構えないECでは、開店資金のように多額を長期間借り入れる必要はありません。必要なときスピーディに融資が受けられるLENDYはECの商習慣に合っています」。
実際に利用者からは、「注文が急増して在庫切れで困っていたが、モールからの支払いを待たずに、仕入れ資金をすぐ調達でき、助かった。」「売上が着実に伸び始めていて、運転資金が一時的に不足することが頻発していた。LENDYを使い始めてから、手間をかけずに、機動的に運転資金を必要なだけ工面できるようになった。」といった声が寄せられている。
5月にはSTORES.jpの売上データで資金調達ができる、STORES.jp出店者向けの融資サービス「マエガリ」をスタート。より手軽に安心して使えると評判だという。
オンライン融資の先陣を切るLENDYが日本のEC企業の成長を加速させる
東証一部上場企業や大手税理士事務所などから出資を受けて運営されているLENDY。現状300万円の融資上限を、今後は1,000万円まで引き上げていく計画だという。
「これからデータ連携ができるカートをもっと増やしていき、より多くのEC事業者が手間なく融資を受けられるように環境を整えていきます。今まで融資が受けられなかった個人事業主や中小企業を支えることで、従来の成長曲線の角度を上げる手助けができればと考えています」そう話す内山氏。
LENDYを利用することで、飛躍的に成長するECショップが次々と現れるのではないだろうか。LENDYが日本の事業融資の本流となる日も遠くはなさそうだ。