成功ポイントは費用対効果の見極めリスティング広告の「守る」運用
新規顧客獲得手段としてのリスティング広告は変わらぬ王道。少しでも新しく効果的なキーワードを求める運用者が多い中で、広告の考え方は攻めるばかりではないのだという。攻めを意識しすぎる余りに陥りやすい例や広告で売上基盤や顧客を「守る」考え方について(株)カルテットコミュニケーションズ代表取締役堤大輔氏にお話を伺った。
攻めを焦る気持ちがコスト増を招く可能性
ECの集客を考える上で、リスティング広告は最も手堅い手段です。また、新店舗でも即日に大手と同じ掲載枠で発信するチャンスを得ることができます。
一方で、競合参入しやすい手法でもあります。競合参入が増えるとクリック単価が上昇し、それを避けるために今までとは違った軸のキーワードなどを無理に広げて攻めた結果、費用対効果を悪化させてしまうことがよくあります。
どの店舗でも右肩上がりに業績を上げたいのは当然です。そうなると、新規顧客獲得数も同様に右肩上がりでなくてはならないと思い込みがちです。
すると、流入数を増やすために検索キーワードの領域を広げたりずらしたりしながら、新しいお宝キーワードを見つけようと考えがちです。ただ自分の経験上、そういったキーワードはほとんど存在しません。
また、商品から広げて「きれいになりたい」「痩せたい」といった漠然としたニーズから狙う考え方もあります。しかし予算が少ない場合、漠然としたニーズから商品購入まで引き上げることは大変ハードルが高く、コストの回収にはあまり期待できません。
予算が少ないECサイトの場合は、やはり「サプリメント+成分」などニーズだけでなく、具体的に欲しいものが分かるようなキーワードを狙っていくべきです。
広告ということで、新規顧客獲得に対しての「攻め」を意識するのは当然かもしれません。しかしながら、リスティング広告は競合ありきで考える必要があり、競合の状況が変わったときに自社のポジションをどのように守っていくのか、という「守り」の戦略を持つことも非常に重要な視点です。
リスティング広告で売上基盤や顧客を守る
ECの売上はリピート購入が肝です。例え新規顧客獲得数の伸びが鈍化しても、リピート顧客をキープしながらケアをしっかり行えば売上は上がっていきます。
リスティング広告にはリターゲティング広告といった一度サイトに訪れたユーザーを追跡する広告もあり、リピート顧客へのアプローチには最適です。こういった売上基盤を「守る」仕組みも重要です。
リスティング広告はすべて結果を数字で見ることができます。うまく利用されている方は、獲得単価が費用対効果に見合っているかを判断し、そこから逆算しています。例えクリック単価が上がったとしても、しっかり利益を生むことがわかっていれば不安に思うこともありません。
その一方では、費用対効果が合わないという理由でリスティング広告から撤退されるお客様も多いです。ただ、クリック単