リスティング広告の明暗を分けるものとは?LTVをベースに考えるCPAの最適化

ECのミカタ編集部

ここ最近、リスティング広告に成功しているEC 事業者と失敗しているEC 事業者の二極分化が明確になりつつあります。
では、成功と失敗を分ける境界線はどこにあるのでしょうか。リスティング広告運用代行を専門とする株式会社カルテットコミュニケーションズの代表取締役 堤 大輔氏にお話を伺いしました。

顧客LTVの的確な把握なくして、リスティング広告の有効活用は難しい

EC市場の黎明期においては、競合は決して多くありませんから、リスティング広告を出せば、一定の集客は可能でしたし、利益を確保できるだけの費用対効果も十分に期待できました。

しかし、今のような市場の成長・成熟期にあっては、競合が増えたことによって、コストが上昇傾向にあるにもかかわらず、効果性が落ちているという状況です。 

そのため、”リスティング広告はもう効かない”と嘆くEC事業者などもいるようですが、リスティング広告が効かなくなったわけではないのです。

リスティング広告を上手に活用して成果を上げられるEC事業者と、そうでないEC事業者の二極分化が進んでいるのです。”リスティング広告が効かなくなった”と嘆いている事業者は、負け組だと言っていいかもしれません。

短期的な費用対効果でなく、LTVをベース指標として考えることの重要性

では、成功している事業者は、どのようにリスティング広告を活用しているのかというと、顧客のLTVをベース指標として、リスティング広告の費用対効果を検証しています。例えば、ある商品の単価が10,000円で、粗利益率が50%だとします。Aというキーワードでリスティング広告を実施した際に、1クリック単価が200円で、コンバージョンレート(以下、CVR)が2%だとすると、50人の見込み顧客を集客できれば、1人は受注に至るということになります。

この時の顧客獲得単価(以下CPA)は(200円×50= )10,000円です。売上10,000円で、粗利5,000円の獲得に、1万円の広告費がかかっているので、ここだけで見ると、粗利段階で5,000円の赤字となります。この指標だけで判断してしまうと、"このリスティング広告は失敗だ"と判断されてしまいます。

しかし、その商品は継続的に購入されるもので、1顧客が平均4回は購入する、つまりLTVが(1万円×4回= )4万円である、ということを前提に費用対効果を計算すると、粗利で2万円になりますから、そのための広告費用1万円は決して失敗ではないという判断が成り立つのです。

これが理解できている事業者は、CPAの許容値を高めに設定することができます。短期的なリターンだけを指標としてCPA許容値を決めてしまうと、”5,000円が上限だ"となってしまうような場合でも、LTVをベース指標にすると、CPA許容値が6,000円、7,000円でもOKということになり得ます。

すでにお話したように、ECの黎明期は、1クリック数円~数十円という単価もあり、短期間のうちに広告費用を回収できるほどの売上を確保できることも多々ありました。しかし今では競争環境が激化しているので、そんなことはあり得ないのです。ある意味で、広告は投資的側面を帯びてきています。つまり、今すぐ、投下費用を回収できなくても、将来的にもたらされるマネタリー(LTV)によって、投資に見合うリターンを獲得できるのです。

そうした視点で、リスティング広告を展開できる事業者は勝者となり、短期的に費用回収できるかどうかを判断指標にしてしまうと、敗者になってしまう危険性が高まるということです。

対前年比較など、過去の数値との比較では有効性を見誤る危険性も

多くの事業者は、LTVの考え方は理解していますし、自社の顧客のLTVがどのくらいかについてもきちんと把握しています。ただし、何故か、CPAの許容値と、LTVが連動しないのです。

よく言われるのが、「以前は、CPAが2,000円だった。最近はこれが上がってきているので、なんとか2,000円に戻してほしい」ということです。あるいは、「以前は、2,000円でやっていた。君たちはプロなんだから、それでやってくれ」と。

しかし、再三申し上げているように、環境が大きく変化している中で、過去の数値は参考にはならないのです。また、これほど極端ではないにしても、"対前年比"という発想でCPAの許容値を決めるケースもあります。

「前年のCPAは1,000円だった。今年も1,000円を上限とする」といったものです。事業を見る時、過去の推移を分析することはよくあることです。しかし、リスティング広告の世界に関していえば、それは成り立ちません。“いま現在、どうなのか”ということがすべてだという認識がとても重要なのです。

適切なCPA許容値の設定が、リスティング広告を成功に導く

当社では、新規にリスティング広告の運用代行のご依頼をいただくと、初期のお打合せ時に、商品の粗利率や、リピート率などを詳しくヒアリングします。そして、それらの数値を分析して、LTVを推計し、CPAの許容値を設定します。

その許容値とヒアリング内容を目標設定確認書というシートにまとめ、事業者様にご納得いただいてから、広告展開をスタートさせます。当社の場合、一度お手伝いさせていただくと、継続的なお付き合いになることが多いのですが、CPAの許容値については、できるだけ短いスパンで、最低でも1年ごとに見直しをお願いしています。常に”CPAの設定はこれでいいのか”という問題意識をもつことが重要だからです。

CRM施策などが奏功して、LTVが向上すれば、CPAの許容値も上がるはずです。そこを見据えた見直しが成長を持続するためにも必要なのです。

CVRを2倍、3倍にすることは難しいですが、リスティング広告での集客数を増やすことはCVRを上げることほどには難しくありません。当社にお任せいただければ、着実に集客に結び付くリスティング広告を展開できます。

もし、”リスティング広告が効かなくなった”とお悩みでしたら、一度、当社にご相談いただきたいと思います。

【「ECのミカタ通信」vol.18より転載】


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