「越境ECは難しくない」海外でも人気のマシュマロ専門店「やわはだ」らが語る越境ECの決済、配送、サイト構築のポイント【株式会社ロックオン セミナーレポート後編】

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社ロックオン、tenso株式会社(以下、tenso)、PayPal Pte. Ltd.(以下、PayPal)の3社が合同で開催した越境ECセミナー。後半は、越境ECに取り組んでいるマシュマロ専門店「やわはだ」のマーケティング責任者らが加わり、「越境ECを始めるために必要なこと」をテーマにパネルディスカッションを行った。越境ECで売れている日本製品は何か?簡単に海外配送する方法は?外国からの問い合わせにどう対処すれば良い?海外ユーザーが安心して利用できる決済とは?——といった、実務レベルの具体的なノウハウが語られたパネルディスカッションの様子をレポートする。

前編:「EC-CUBE」「転送コム」「PayPal」を使って越境ECを今すぐ簡単に始める方法
https://ecnomikata.com/original_news/16477/

「やわはだ」の越境ECは「思いがけず始まってしまった」

パネルディスカッションの最初のテーマは、マシュマロ専門店「やわはだ」が越境ECを開始した理由について。可愛らしい猫や犬の形をしたマシュマロが海外で人気となり、今では欧米や中国、韓国、台湾などから注文がくるという同社が越境ECを始めたのは何故か。同社の木鋪氏氏は「突然海外で売れて、思いがけず越境ECが始まってしまった」と明かす。

やわはだ・木鋪氏「もともとイタリアンレストランを運営しており、ベーグルや焼き菓子などをECで販売している中で、2013年ごろから猫などの形をしたマシュマロの販売を始めました。猫型のマシュマロは珍しかったこともあり、写真がTwitterやFacebookなどで拡散され、国内で話題になった。そして2013年8月、コーヒーカップに浮かぶマシュマロの猫の写真がYahoo!JAPANのトップページに掲載され、国内で人気に火がつきました。その写真が海外メディアや米国の人気ユーチューバーなどにも取り上げられて、海外でも話題になり、突如として海外から注文がくるようになったんです」

じつは、「やわはだ」の事例のように、海外から予想外の注文が増えたことをきっかけに越境ECに本格的に乗り出すEC事業者は珍しくないという。多数の越境ECサイトを構築してきたシステムフレンドの朝山社長は、自身の経験を踏まえて次のように説明する。

システムフレンド・朝山氏「複数の言語の問い合わせに対応するのは難しいのであれば、とりあえず日本語と英語だけで対応できるようにしておくと良いと思います。その際に重要なことは、問い合わせに対応できるスタッフがいない言語は掲載しないこと。ECサイトに言語を載せてしまうと、その言語で電話がかかってきたりして、苦労することになりかねませんから」

   左:システムフレンド・朝山氏
   右:やわはだ・木鋪氏 

海外展開のプロモーションにSNSが有効

「やわはだ」は海外展開のプロモーションの手段として、FacebookやTwitter、Instagramなどのアカウントを活用している。木鋪氏は「SNSはユーザーのコメントが付いて、商品への反応がわかるので、商品の改善に生かすこともできる」とメリットを指摘した。また、「SNSは写真が命。ここぞという写真はプロのカメラマンに依頼して投稿している」と言う。

PayPalの野田氏は、ホビーグッズなどの越境ECを手がけるTokyo Otaku Modeの取り組みを例にあげ、Facebookが越境ECのプロモーションに役立つことを説明した。

PayPal・野田氏「Tokyo Otaku Modeさんの海外展開はFacebook上での情報配信から始まりました。当初は日本のアニメやマンガ文化を世界に広める取り組みから始まり、2013年からEC事業を本格的に開始しました。Facebookは画像・映像中心にメッセージが伝わりやすいのに加えて翻訳機能も付いているし、チャットでやりとりもできるので越境ECのマーケティングツールとしては一番手っ取り早いと思います。」

海外で人気の日本製品は何?PayPalやtensoのデータから読み解く

越境ECでは、どのような日本製品が売れているのだろうか。多くのEC事業者が興味を寄せるこのテーマについて、PayPalの野田氏とtensoの浜田氏は、自社の事業データから読み解いた越境ECのトレンドを説明した。

PayPal・野田氏「中国では日本のアパレルやベビー用品、美容グッズなどが人気です。欧米ではホビーグッズや中古のブランドバッグ・アパレルなどが売れていますね。ただし、これ以外にも本当に色々なジャンルが売れています。『やわはだ』さんのように予想外の商品が売れてしまうのが越境ECの面白いところだと思います。日本人の価値観だけで判断してしまうとビジネスチャンスを逃してしまうと思います。」

tenso・浜田氏「統計的にみると、中華圏ではファッションや美容などのジャンルが特に強いです。その理由は、中国人の体格や肌の色が日本人と同じなので合いやすいためだと思います。また、古美術品を買う中国の富裕層が増えているのも最近の特徴です。欧米ではホビー系が多いですね」

   左:PayPal・野田氏
   右:tenso・浜田氏

越境ECの不正取引のリスクをどう防ぐ?

越境ECに取り組む際、リスクの一つが不正注文だ。偽造カードを使った注文や、なりすましによる買い物などの被害は世界規模で広がっている。こうした現状について、PayPalの野田氏とtensoの浜田氏は「不正注文をゼロにすることは難しいが、リスクを極力減らすためには、決済事業者や配送プラットフォームの選択が重要になる」と口をそろえる。

PayPal・野田氏「PayPalは創業から約20年間、さまざまな経験を積み重ねながら不正検知のアルゴリズムおよび体制を構築してきました。現在ではリアルタイムの不正検知システムに加えてグローバルで約2,000名規模の監視チームで目視を組み合わせて不正取引を厳しく取り締まっています。PayPalのサービスの根幹は決済の安全を守ることなのでPayPalを使っていただくことは、越境ECの不正注文対策の側面からも有効だと考えています」


tenso・浜田氏「8年間の取り組みの中で、弊社が一番力を入れているのが不正注文の撲滅です。ブラックリスト化なども含め、不正決済を水際で止める仕組みを構築しています」

「越境ECは怖い」は誤解。まずは始めることが大事

最後に、これから越境ECを始めたいと思っている企業に対し、登壇者がそれぞれメッセージを送った。

やわはだ・木鋪氏「マシュマロは賞味期限が短く、高温に弱いので、越境ECにもっとも向かない商材だと思います。それでも、PayPalや転送コムなどを活用しながら海外に販売できている。皆さんも『越境ECは無理』という先入観を持たず、ぜひ挑戦してみてほしいですね」

システムフレンド・朝山氏「越境ECに最初から本格的に取り組もうとすると、ECサイトの言語対応や税率の対応、国ごとの送料の設定、インボイスの対応など、非常に大掛かりな開発が必要になってしまいます。最初は転送コムやPayPal決済のようなサービスを使って小規模にはじめてみる。そして、売上規模が大きくなってきたら専用のECサイトを検討するなど、段階的に進めるのが良いのではないでしょうか」

tenso・浜田氏「越境ECを始める前に、まずは、どこの国のユーザーがECサイトにアクセスしているかを調べることが大切です。そして、『転送コム』などを使ってテストマーケティングを行ってみてください。どの国に自社商品のニーズがあるのか、こればかりは試してみないとわかりませんから」

PayPal・野田氏「今日お伝えしたかったことは、国内向けのECデザインや出荷体制は変えずに越境ECを始める方法があるということです。

海外のEC市場は規模が大きいし、成長率も高い。そして日本製品に対する意外なニーズもある。出荷は転送コム、決済はPayPal決済を使ってまずはハードルの低いやり方で越境ECを試してみてはいかがでしょうか。この組み合わせであれば大きなリスクはないと思いますので是非試してみて欲しいですね。」

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