究極の1to1接客を簡便・リーズナブルに導入できる新サービス『コネクトさん』
「動画コマース」、「1to1接客によるCRMの促進」、いずれも2017年のEC業界におけるトレンドである。もちろん、動画コマースがすべてのEC事業者に最適な手法とは限らないし、CRMの本格導入もそう簡単にできることではない。しかし、文字情報と静止画だけで商品やサービスの良さを伝えることには限界があり、顧客が“私のためだけの接客”を求めているのは事実だ。いずれの場合もコアとなるキーワードは「コミュニケーション」である。
株式会社コンテンツパーク(以下、コンテンツパーク)では、EC事業者と、その顧客との円滑なコミュニケーションに着目し、新サービス『コネクトさん』を開発した。該社の代表取締役 相場 奈美氏に、お話を伺った。
実体験に基づく、コミュニケーションの重要性の再認識
コンテンツパークの相場氏は、インターネット広告の代理店として起業した後、女性用インナーウェアのECショップを展開した経験をもつ。
「今から15年ほど前にインターネット広告の代理店を立ち上げました。クライアントの広告予算をお預かりして、最適な広告プランを立案・実行し、集客をお手伝いする業務がメインでした。立ち上げ当初は、広告を出せば一定の集客が可能でしたから、事業は順調に成長しました。クライアントの課題も、とにかく一人でも多くの顧客を獲得することが中心で、自社サイトに見込み顧客を誘導できれば、一定の売上を上げることができた時代でした。
しかし、その後、競争が激化する中で、新規顧客の獲得が難しくなり、クライアントの課題も、新規獲得以上に既存顧客に対するリテンションにシフトしていきました。そんな時に、とあるきっかけから女性用インナーウェアのECビジネスを立ち上げたのです。商品にも優位性があったので、ECビジネスは順調に成長しましたが、それ以上に、自分たちでECビジネスに取り組んだことで、このビジネスで重要なのは集客だけでないことも実感できました。
特に顧客とのコミュニケーションの重要性は身にしみました。商品を購入した顧客からメールでクレームが入ることがあるのですが、その辛辣な文面に戦々恐々とすることもしばしばでした。しかし、お電話してみると、それほどお怒りではないということも多かったんです。メールというツールだけでは必ずしも適切なコミュニケーションができないことを実感しました。
メールよりは電話のほうが適切なコミュニケーションがとれることは明らかですが、でも、表情が見えない電話にも限界はあります。そこで、より適切なコミュニケーションをとるためには、相手の顔が見えるテレビ電話が有効なのではないかと考えたのです。」と相場氏は、自身のECビジネス経験によって、『コネクトさん』の着想を得た背景を説明してくれた。
事前予約にすることで、接客業務の突発性や煩雑さを解消。
テレビ電話予約システム『コネクトさん』は、そのキャッチフレーズが示す通り、テレビ電話による接客を、あらかじめユーザーに日時設定(予約)させるという点に優位性がある仕組みといえる。
「コミュニケーションツールとしてのテレビ電話自体は、決して特別なものではありませんから、使おうと思えば誰でも使えるツールです。しかし、EC事業者などが無制限にテレビ電話での対応を常態化しようとすれば、いろいろな弊害が発生します。いつかかってくるかわからない問い合わせなどのためにスタッフを常時配置しようとすれば、人件費が増大します。ルーティン業務を担当するスタッフに対応させようとすれば、入電するたびにルーティンの業務が停滞してしまいます。
そうした弊害を解消するために開発したのが『コネクトさん』なのです。テレビ電話を使って、ECショップなどに商品詳細を問い合わせたいというような場合に、ユーザーは『コネクトさん』を使って、予め自分の都合のよい日時を指定し、予約が完了したら、その指定日時にテレビ電話でECショップのオペレーターとコミュニケーションがとれるわけです。」と相場氏は言う。
どの時間帯で予約を受け付けるか、ひとコマあたりに何人のオペレーターで対応するかなどは、すべてショップ側が設定できるので、効率的な人員配置、接客対応が可能になる。
「いま現在は、役務サービスを展開している会計事務所などの士業事務所などで活用されることが多いです。たとえば税理士さんなどが相続の相談を受ける場合に、初回相談無料といった特典で誘客を図るケースがありますが、無料相談を電話で受け付けること自体、手間ひまがかかりますし、いざ相談を実施するにしても、これまでは見込み顧客に事務所まで来てもらう必要がありました。
これはお互いにとって労力とコストの負担を強いることになりますが、『コネクトさん』なら、予約自体はほぼ自動で行えますし、実際の相談もテレビ電話を使うので、双方が移動する必要もありません。」と相場氏はメリットを説明する。
買取査定業務のコストパフォーマンスを劇的に改善
『コネクトさん』は、リサイクルショップとの親和性も高い。現在、コンテンツパークでは、株式会社プロトコーポレーションが運営している買取価格比較サイト「おいくら」と連携し、テストマーケティングを実施しているという。
「リサイクルショップでは、ユーザーから物品を買い取って、それを必要とする人に販売するわけですが、ここで重要なのは買取査定です。従来のリサイクルショップでは、ユーザーが直接ショップに物品を持ち込むか、ショップ側が出張してユーザーの所へ出向くかして、物品を査定して、買取価格を決定します。
最近ではリサイクル市場も競争が厳しくなっているので、ユーザーの利便性を考えて、出張買取というスタイルが増えています。しかし、すべての物品が買取可能かといえば、決してそうではなく、中には買取できない物品もあります。時間と労力をかけて、ユーザーの所まで出向いても、結果的に買い取りできないということになれば、ショップにしてみれば大きな損失となります。
そこで、『コネクトさん』をご利用いただくことで、人が移動することなく、物品の査定が可能になります。実際に、あるリサイクルショップでは、『コネクトさん』を活用したことで、買取査定業務にかかるコストが1/3にまで削減できたという実績も生まれています。こうした実績をご評価いただいて、買取価格比較サイト「おいくら」と連携して、テストマーケティングを実施しています。
現在はテストマーケティングということで、「おいくら」に登録しているリサイクルショップのうちの限定的なショップでのみの展開ですが、できるだけ早期に、本格稼働につなげていきたいと考えています。」と相場氏は自信を覗かせる。
低コストでスムーズ導入も可能、また活用領域も幅広い『コネクトさん』
ライブチャットをはじめとする動画コマースが注目を集める昨今ではあるが、こうした動画コマースの仕組みは、基本的には1対多対応である。それはそれでプロモーションツールとしては有効だが、よりハイタッチな顧客対応(接客)という視点で見れば、『コネクトさん』のような1to1の仕組みの方が優位性は高い。
また、通常、Web予約システムを導入しようとすれば、それなりのコストは覚悟しなければならないが、『コネクトさん』は、初期費用がかからず、ランニングコストも4000円/月~なので、費用面のメリットも大きい。
導入のための設定も極めてシンプルで、専門的な知識が一切不要だという点も、導入のハードルを下げている。
さらに、テレビ電話という利用シーンをイメージしやすい仕組みであることから、アイディアひとつで、画期的なECビジネスを展開することも可能になるという活用領域の広さも魅力といえる。
「例えば、リアルでの販売展開をしているショップなどが、店舗閉店後の時間帯を活用して、『コネクトさん』でECを展開するという使い方なども可能です。ECショップで商品を売ろうとすれば、商品画像をアップしたり、説明のためのコンテンツを用意するなどの作業は必須ですが、『コネクトさん』なら、閉店後の店舗で、実際の商品をユーザーに提示しながら接客できますから、ECサイトを持つ必要もありません。このような工夫を発想できれば、『コネクトさん』の活用領域はとても広いと言えます。」と相場氏。
現在、コンテンツパークでは、『コネクトさん』を活用したECに取り組みたい事業者からオファーがあれば、積極的に共同開発プロジェクトを立ち上げる意向があるという。
「いま現在の『コネクトさん』は、必要最低限の機能で稼働するシンプルなシステムになっています。“こんな機能があれば、こんな使い方をしたい”というご要望をいただければ、共同でプロジェクトを立ち上げ、ご希望のカスタマイズ・バージョンを開発する用意もあります。少しでも『コネクトさん』に興味をもっていただけたら、ぜひ、お声がけいただきたいと思っています。」
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、訪日外国人のための観光ガイドサービスを『コネクトさん』で実現したいとの夢を語る相場氏は、EC事業者とのコラボレーションにも積極的に取り組みたいという意欲をみせる。
『コネクトさん』に可能性を感じるEC事業者がいれば、ぜひコンテンツパークにオファーしてみてはどうだろう。新しいECの可能性を現実のものにできるかもしれない。