ECで売れる商品写真が撮れる理由。ECだからこそ商品撮影にこだわるべきとプロカメラマン達は語る

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社エイト・バイ・テン 代表取締役/Photographer 池畑 直樹氏 株式会社エイト・バイ・テン 代表取締役/Photographer 池畑 直樹氏

ECでの売れ行きを左右する要素のひとつとして、写真の重要性をあげることに異論はないだろう。スマートフォンの進化などで誰でも気軽に“それなり”の写真が撮れてしまう時代、プロはどう「ECで売れる写真」を撮っているのだろうか?数多くのECショップが信頼を寄せリピーターとなっている、株式会社エイト・バイ・テンのスタジオに突撃取材を敢行した。

「商品をショーケースに並べるように撮る」ECの撮影で求められる《見せ方》

「商品をショーケースに並べるように撮る」ECの撮影で求められる《見せ方》

実際に商品に手を触れられないECサイトでは、あらゆる角度から商品のディテールをつぶさに語る写真が求められている。同社の代表取締役であり、数々の広告写真撮影を手がけるフォトグラファーでもある池畑直樹氏が、ECならではの撮影の難しさについて教えてくれた。

「ECでは1商品に対するカット数が多いという特徴があります。さまざまな角度から細かいディテールを撮ったり、カラーバリエーションを撮ったり。『本当にこれで商品の特徴が伝わるのか?』と気を遣いながらの撮影です。紙媒体に掲載する写真とのクオリティの差はありませんが、カット数も多いので1商品にかけられる時間が圧倒的に少なくなります」。

限られた撮影時間内で、商品を魅力的に見せるイメージカットや特徴を伝えるディテールカットなど、Web上で活きる写真をどう撮るかが問われるのだ。

同社の取締役で制作部門を指揮するWebクリエイターの前野真慶氏は言う。「制作の担当クリエイターは『このページにこういう写真を使おう』というビジョンがあるが、カメラマンからしてみれば『こんな写真何に使うの?』ということがあります。商品が特殊になるほど、そういったことが増える。そこで弊社では制作担当者が撮影に立ち会うことで、適切な撮影ディレクションができるのです」。

カメラマンの撮影技術やセンスだけに依存するのではなく、Webクリエイターとの共同作業で、サイトにふさわしい写真が仕上がるということなのだ。

手配・撮影・納品。すべての工程において求められるECの《スピード》

手配・撮影・納品。すべての工程において求められるECの《スピード》

かつての商習慣とは異次元のスピードが求められているECの世界。それは撮影の分野でも例外ではなく、カメラマンの技術だけでカバーできる問題でもない。たとえば同社のスタジオでは、モデルを何カットでも撮影できるアパレルECサイト向けパックがあるが、その「3時間プラン」では約20〜30コーディネートの撮影をこなすという。

「モデルの役割も重要です。素人のモデルでは上手くポージングができずに1カットの撮影ごとに時間がかかってしまう。もちろんカメラマンも指示をしますが、商品を活かした動きを自発的にできるか、ポージングにバリエーションがあるかどうかで、撮影できるカット数はまったく変わってきます」同社で撮影部のマネージャーを務める西山健一氏はそう話す。

そのため同社では独自のオーディションを行い、ECファッションモデルとしてふさわしいかどうかを審査しているという。「雑誌のモデルでは身長170cmくらいが多いですが、ECの場合は160〜165cm。商品の試着ができないので、一般的な女性が着用したイメージに近いことが重要になります」と西山氏。オーディションを経て同社のモデルリストに掲載されるのは、応募のわずか1割程度という狭き門。だからこそ、モデルの質の高さを保てているのだろう。

同社の場合はWeb制作までも一気通貫で依頼できるというから、さらにスピードアップが可能だ。「撮影とWeb制作を別会社に依頼していると、この商品はこれで、この写真を使ってください、という説明やフォルダー分け、指示の手間がかかってしまいます。その手間が省けるので、使用画像のセレクトやアップ作業までをまとめてご依頼いただくことが多いです」そう西山氏は話す。

撮影のみを依頼したとしても、基本的に翌日にはデータを納品しているという池畑氏。「カメラマンが経験豊富なので作業スピードが早い。それに複数のカメラマンが在籍しているので、フォローし合いながら仕事ができるというのもあるでしょう。個人で受けているカメラマンは、別の撮影が入ってしまえば画像処理作業が後回しになってしまいますから」。

壁を打ち破り成長を目指すなら欠かせない《常駐カメラマン》

壁を打ち破り成長を目指すなら欠かせない《常駐カメラマン》

同社のカメラマンは笹塚の自社スタジオに3人が常駐し、年間約800件の撮影を行なっているという。さらにクライアントの社内に設けられたスタジオにカメラマン4名を派遣して常駐させ、外注カメラマン20名以上とも提携しているという非常に大所帯のチームだ。1日に15名以上が同時に稼働することもあると言う。

「カメラマンを探すのは大変だというお話をよく伺いますが、お客様のスタジオにカメラマンを派遣することもできます。商品をスタジオに送って撮影して返却するのでは送料がかかってしまいますから、1日20商品を超える撮影がほぼ毎日発生しているなら社内にスタジオを設けた方が良いでしょう」そう前野氏は提案する。

「商品倉庫で撮影できる環境があるなら、商品を送るよりもカメラマンを派遣してもらう方が効率が良いですね。撮影データも即納できますし。最初はセット作りや機材を揃えるのにノウハウが必要になりますが、ご相談いただければいろいろな形でご協力できると思います。これから倉庫を借りるのであれば、撮影スペースありきで検討することをおすすめします」。

社内で撮影ができれば、立会いやカメラマンとの意思疎通もよりスムーズになる。煩雑な発送業務や撮影指示も簡素化できそうだ。2極化が進むECの世界で上のステージを目指すなら、検討の価値がある提案だろう。

充実した設備と経験値のあるカメラマン・Webクリエイターで叶う《クオリティ》

充実した設備と経験値のあるカメラマン・Webクリエイターで叶う《クオリティ》

「スタジオの床や壁を替えることで、いろいろな雰囲気の背景を作り出せます。当社のスタジオのクライアントはアパレルのECショップが中心ですが、建て込みをすることでベッドや寝具、自転車などの撮影も行なっています」と池畑氏は言う。

建て込みでさまざまな背景・シュチュエーションを作れるスタジオなら、ハウススタジオほどコストをかけずに多彩なシーンを撮影できるというのだ。しかもモデル撮影の合間に物撮りを行うことで、撮影時間の短縮も可能だ。

「モデルはECの商品に合わせてキッズや外国人も手配できますし、ECサイトのスタッフが登場して雰囲気を出したいというケースもありますね」と西山氏。スタジオによっては、アパレル商品の撮影前のスチームによるシワ伸ばしは300円〜500円ということもあるが、同社は無料で行なっていると言う。

「写真はスマホで誰でも撮れるので、ときどき『簡単でいいからバンバン撮って!』と言われることもあります。でもプロにはそれができない。照明や映り込みなどの細かな気配りの積み重ねで、仕上がりに違いが出るからです。カメラマンの視点とWeb制作の視点、それぞれから『どう撮影したら最適か』を見ることが重要です」そう前野氏は話す。

ECで使われる写真には、素人カメラマンやにわかカメラマンにより撮影された商品も多くあるだろう。本当にその写真で充分なのか?素人とプロでどれだけの差があるのか?
次回の突撃取材では素人VSプロの撮影対決を公開!乞うご期待!

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