オルビス社も導入の高精度AIチャットボット。様々な可能性を生み出すその実力とは!?

ECのミカタ編集部 [PR]

左:オルビス株式会社 CRM・顧客満足推進部 係長 太刀川侑希氏 右:りらいあコミュニケーション株式会社 デジタル・マーケティング本部 ビジネスデザイン部 プロジェクトリーダー 大栁文乃氏 左:オルビス株式会社 CRM・顧客満足推進部 係長 太刀川侑希氏
右:りらいあコミュニケーションズ株式会社 デジタル・マーケティング本部 プロジェクトリーダー 大栁文乃氏

AI技術を用いたテクノロジーはますます進化し、EC関連ツールにも様々な商材が登場している。そこで今回は、AI技術を利用したチャットボット「バーチャルエージェント®」を提供する、りらいあコミュニケーションズ株式会社(以下、りらいあ)デジタル・マーケティング本部 プロジェクトリーダー 大栁文乃氏(以下、大柳)と、同サービスを導入しているオルビス株式会社(以下、オルビス)CRM・顧客満足推進部 係長 太刀川侑希氏(以下、太刀川)に、チャットボットの有用性やバーチャルエージェント®の効果について伺った。

ECの将来性を見据えたビジネス展開

ECの将来性を見据えたビジネス展開   オルビス株式会社 CRM・顧客満足推進部 係長 太刀川侑希氏

――オルビスの主力商品、ECへの取り組みについてお教えください。

太刀川 100%オイルカットのスキンケアを主力に、エントリーラインからエイジングラインまで幅広い商品をラインアップしています。30〜40代女性がボリュームゾーンですが、若い世代の方からもご支持をいただいています。
 ECへの参入は1999年、EC業界の黎明期からスタートさせています。オルビスの発想の源は、つねに“お客様”です。商品、サービス、そして何よりお客様との対応において、お一人おひとりに信頼していただき、お客様にとって身近なブランドであることを目指しています。そのため、多様化するニーズに対応できるよう早い段階からECを稼動させました。

現在ではECの受注比率が7割を超え、新規顧客獲得の主軸はSNSとなっています。特にLINEにおいてはお友達数が2,900万人を突破。公式キャラクター「うるにゃん」のスタンプ人気も手伝って、幅広い世代の方と繋がることができています。

――りらいあの沿革や、バーチャルエージェント®ついてお聞かせください。

大栁 弊社はコンタクトセンター事業を中心に、顧客対応を支援するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供しています。バーチャルエージェント®のサービスの提供は、お客様との接点となるツールが電話だけではなく、メールやWEBに広がってきていることを背景に2012年にサービス提供を開始しました。今では、約40の企業にサービスを提供しています。

 このサービスの一番の強みは、チャットボットでありながら機械的にならないコミュニケーションにあります。弊社では、コールセンターでのオペレーター経験がある者を中心にした専門チームを設立し、お客様対応のノウハウを活かして、チャットボットに回答させるナレッジやシナリオを実際のオペレーターならどう対応するかを考えながら作成しています。また、これまでに約40社の構築や運用をお手伝いしてきた実績を活かし、プラットフォームを開発したことにより、そのプラットフォーム上で専門的な知識がなくても簡単に操作できる管理画面、PCやスマホ、LINEなどの複数チャネルに対応できるところも大きなポイントです。

 FAQで解決できるような簡単な問い合わせはチャットボットが対応し、個別の相談やサポートが必要な場合はお問い合わせページを案内したり、有人チャットと連携して、人が対応するという基本フローを構築しています。関連性がないと思われがちなチャットボットとコールセンターの親和性は高く、限られた時間・コスト・人員で顧客満足度を向上させることに力を発揮します。

チャットボットの導入効果とユーザーの反応

チャットボットの導入効果とユーザーの反応

――なぜ、チャットボットの導入を考えたのでしょうか。

太刀川 弊社は通信販売から出発していることもあり、電話対応で培った人肌感のあるコミュニケーションが強みの一つでした。ところがECは、人手を介さずに購入手続きが行えるため、その強みを生かしきれず、お客様との関係性が希薄化しているように感じていました。また、ECのお客様にとっての自己解決ツールであるFAQ(よくあるご質問)は、情報量の多さ故に目的の回答にダイレクトにたどり着けない、という課題も抱えていました。そこで、EC上でも人肌感のあるコミュニケーションを実現すると同時に、お客様の自己解決をサポートすることを目指して、チャットボットの導入・比較検討を始めました。


大栁 ご相談をいただいたのは、2016年10月でした。ちょうど弊社にも実績が積み上がり、効果の出る導線設計やノウハウをご提案できる状況にありました。とはいえオルビスさんは、常に顧客満足度で上位になる企業です。その評価をさらに高めるためにはどうしたらいいか、いかにチャットボットという機械的に思われがちなツールでUXを高めていくかに苦心しました。「ただ新しいチャネルを増やした」という結果に終わらないよう、考え抜いた末に、LINEスタンプで人気かつ認知度も高い「うるにゃん」をキャラクターに起用することを含め、多面的なご提案をさせていただきました。

太刀川 一番の決め手になったのは、人工的にならない会話づくりのナレッジをしっかりお持ちだったことです。個人的には、「単なるUIではなく、UXをご提供します」というワードが刺さりました。
 加えて、手厚いサポート体制もポイントでした。弊社としても初めてのチャットボット導入だったので不安もありましたが、しっかりと対応いただけることをご説明いただき、頼れるパートナーとして選ばせていただきました。16年の年末に発注し、翌年1月から構築を開始し、4月3日には稼働しています。正直、3ヶ月での稼働には驚きました(笑)。


大栁 よく言われます(笑)。多くの企業様が抱えるFAQはおおよそ1,000〜2,000件ほどありますが、実態としてユーザーが閲覧しているのは上位100〜200件程度に集中する傾向があります。ですから、上位10~20%程度のFAQを優先的に投入することで、Webページ起点で入るお問い合わせ内容の約8割をカバーすることが可能です。そのため、期間や費用をかけて膨大なナレッジを入れるよりも、まずは優先順位の高いもの実装して稼働させ、ユーザーが入力した問い合わせログに寄り添ったナレッジの追加やチューニングをしていくほうが重要であり、効果が出やすいと考えています。

――運用から約1年。導入の効果はいかがでしょうか。

太刀川 電話とメールのお問い合わせ件数に、チャットの1セッションを一件として加味すると、チャット導入後のお問い合わせ件数は、チャネルが増えたことにより全体で約20%増加しています。一般的にECメインのお客様は企業に問い合わせをせずに自己解決しようとする傾向がありますが、チャットボットは、そうした客層の取り込みにも成功していると感じています。ログを通じて、新たな客層の意見を収集できていることにもメリットを感じていますし、うまく活用していけばECサイトに不足している情報の精査や、新サービス考案のヒントになるのではと考えています。

 この「うるにゃんチャット」はお客様にも好評で、特に「うるにゃん」との雑談が利用されています。例えば「何してるの?」という問いには、「肉球のお手入れをしているにゃ」といった具合の返事があります。こうした遊び心も、使ってみようと思うきっかけになっていると感じています。


大栁 「うるにゃん」のキャラクターと化粧品会社の性格も踏まえながら、雑談などの何気ない会話のなかに「らしさ」を込めています。例えば、「天気がいいね」と言われたら「日焼け対策は必須だにゃ!」など雑談で終わらせずに、商品に関する質問に広げられるように作りこんでいくところもポイントです。月に一度は必ずチューニングを行いますので、語尾を「にゃ」にした雑談で親しみを感じさせつつも、商品説明やサービス案内はしっかりと伝わる表現に調整しています。

より人間に近いコミュニケーションを目指して

より人間に近いコミュニケーションを目指して   りらいあコミュニケーションズ株式会社
   デジタル・マーケティング本部 ビジネスデザイン部 プロジェクトリーダー 大栁文乃氏

――今後の展開については、どうお考えですか。

太刀川 「うるにゃん」との雑談がきっかけとなって利用が拡大しているので、本来のチューニングに配慮しつつも、会話のバリエーションを増やすなど、プラスアルファのチューニングにも力を入れていきたいと考えています。

 また近い将来においては、バーチャルエージェント®で画像や動画を送信する機能が実装されると伺っていますので、ビジュアルを上手く活用した回答文を作成し、ナレッジのさらなる拡充を図っていきたいと思います。さらにその先には、チャットで回答できない質問を、チャットオペレーターにエスカレーションする有人チャット対応についても視野に入れて検討しています。

大栁 オルビスさんのLINE連携においては、月に10万件以上の入力があるため、弊社としても非常にインパクトが大きい案件となっています。改めて、LINEが現代人において重要なコミュニケーションツールの一つになっていると認識しました。スタンプや画像、動画の活用なども含めた視覚的に訴えかけられる部分をより充実させて、実際に「うるにゃん」とコミュニケーションをとっているような体験を、ユーザー様に感じていただけるサービスを目指していきます。

 今後、バーチャルエージェント®の精度やサービスをさらに高めていくためには、より人間に近い意図の解釈ができるようにしっかり知識を与え、人間と共同で成長させていくことが重要だと考えています。その一方で、専門知識をもっていなくても手軽に運用できるような仕組みづくりにも注力することによって、より学習させやすいチャットボットに進化させていきたいと思います。

また、WebやLINEだけではなく、様々なインターフェイスでバーチャルエージェント®の「おもてなし」を体験していただけるよう、スマートスピーカーやアプリを含めて1つの対話システムでご提供できるようなシステムの開発や、ユーザー属性に沿ってカスタマイズ化された対応ができるようにデータ連携なども力を入れていこうと計画しています。

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