急成長する悠悠館サイトリニューアルプロジェクト。“ワン・システム”化が業務の効率化と売上UPを実現
EC/通販の業界では、事業の成長に伴ってベースのシステムをリプレイスしたり、業務の効率化やプロモーション強化に向けて各種のツールを導入したりといったシステム的拡張を行うことが多々ある。健康・美容関連の通信販売ブランド「悠悠館」を展開し、急成長を遂げている株式会社ビアンネも業容の拡大に伴ってシステム的拡張を続けてきた。
しかし、複数のベンダーから複数のツールを導入するやり方では業務効率化が難しく、株式会社エルテックスのEC/通販統合パッケージ『eltexDC』に乗り換えることで、業務効率化とさらなる成長を実現した。「悠悠館」の運営を担当する株式会社ビアンネのソリューション事業部 部長 山口 美久氏と、株式会社エルテックスのソリューションサービス部 S3グループ グループマネージャー 上坂 佳裕氏にお話を伺った。
真摯なものづくりと、独自の取組みで急成長を続ける「悠悠館」
『カラダが変わる、笑顔に変わる』をコンセプトに、新規性、差別性の高い商品をじっくりと時間をかけて開発し提供し続けることで、30〜50代女性を中心に絶大な人気を博する「悠悠館」。現在では約20品目程度を取り扱っており、どの商品も差異化された特長を有している。
「どの商品もご好評をいただいていますが、特に「こうじ酵素」という商品は、“生きた酵素をお届けする”という商品特徴によって大人気で、累計で500万個超を販売しています。業界内でも大ヒット商品として注目されています。この「こうじ酵素」ももちろんそうですが、当社の商品は販売前にしっかりとモニターテストを実施して、効果が実証されたものしか市場に投入しないというスタンスで開発を行なっています。そうしたスタンスによって生み出される商品の“確かさ”がお客様に評価されているものと自負しています。」
開発に対する真摯な姿勢こそが成長の源である、と山口氏は言う。
またプロモーションにおいては、当時はまだあまり注目されていなかったコンテンツ・マーケティングを積極的に導入したことで、商品の品質の高さとあいまって、急成長につながったようだ。
「2013年に当社がECに参入した当時のWebマーケティングは、いわゆるWeb広告から商品説明を軸にしたLPに誘導するという流れが一般的でした。しかし当社では、まずコンテンツページへ誘導し、健康・美容に関する様々な情報提供を行い、そこから商品のLPへさらに誘導するという流れを構築していました。こうした取組みが奏効して、お客様に安心してご購入いただけたようです。」と山口氏は、マーケティング施策面の優位性にも自信を覗かせる。
やりたいこと“すべて”をワン・システムで可能にする『eltexDC』の機能性と、エルテックスの対応力の高さが効果を生む
こうした、魅力的な商品とマーケティングの秀逸性により急成長を続けてきた「悠悠館」だが、一方でバックヤードの業務は煩雑を極めていたという。
「当社のスタッフはアイデアに溢れる者が多く、いろいろな施策を考え出してくれ、それを実施するために、その都度、必要なシステム・ツールを導入するというやり方をしていました。そのため、コンテンツ・マーケティングのシステム化のためにはA社のサービスを使い、メール配信のためにはB社のシステムを使うということで、個別システムがどんどん増え、さらにそれぞれのシステムをカスタマイズして対応していたために、業務が極めて煩雑になっていったのです。そこで、統合的なパッケージの必要性を感じて、システムの刷新を検討することになりました。」と山口氏は、システム刷新の経緯を説明する。
システムの刷新にあたっては、15社ほどのシステムを比較検討したという。15社のプロダクトの比較表を作り、その中から10社に絞って具体的な説明を聞いた上で、最終3社から提案を受け、結果的に『eltexDC』が採用されることとなった。
本件を担当したエルテックスの上坂氏は、その時のことを次のように述懐する。
「最初にRFP(request for proposal)をいただいた時、その内容については、『eltexDC』の標準機能で対応できる内容が中心で、カスタマイズが必要な部分はもちろんありましたが、それについてもこれまでの経験値や当社に蓄積されている知見・ノウハウで十分に対応可能なものでした。ただ、稼働までの期間が約6ヶ月と決められていたので、受注してから、実稼働までの期間をどうやって短縮するかについては腐心しました。」
『eltexDC』に決定したポイントについて、山口氏は次のように言う。
「当社がシステム化したい範囲がワン・システムで網羅できているという点が、もっとも大きな決め手でした。他社の場合は、“サイト構築はこのシステム、在庫管理はこのシステム”というように、様々なシステムを連携させた統合型システムとして提案してくるものが多かったのです。しかしエルテックスさんは、すべてを網羅していました。その点はありがたかったですね。また検討にあたっては現場の業務担当も参画させましたが、業務メンバーにとっても、『eltexDC』はとても好印象でした。現場起点での提案もいただき、業務が具体的にイメージできた点がよかったですね。」
こうしてプロジェクトがスタートしたわけだが、上坂氏が提案時から懸念していたように、通常なら1年かかってもおかしくないプロジェクトを半分程度の期間で進めるのは容易ではない。
「プロジェクトにおいて最も重要な要件定義にかけられる時間が1ヶ月程度しかなく、ご担当いただいた山口様とほぼ毎日打ち合わせを行いました。」と上坂氏。
「もう毎日、朝から晩まで、という感じで打ち合わせしましたね。プロジェクトの立ち上がり当初は“6ヶ月後の完成は無理かもしれない”と思ったこともありました。しかし、エルテックスさんが、当社の業務をきちんと理解・把握してくれて、打ち合わせの議事録も適切にまとめてくれていたので、こちらのモレが事前にカバーされて、滞りなく要件定義を進めることができました。短期間のプロジェクトなので、“当社が固めるべきこと”が抜けていることも少なからずありました。しかし、そういう部分をエルテックスさんがしっかりフォローしてくれたおかけで、予定通り稼働できました。『eltexDC』の機能性はもちろんですが、エルテックスさんの対応力の高さも評価に値すると感じています。」と山口氏は振り返る。
業務効率の劇的な改善と、売上向上という両面を実現した『eltexDC』
今年(2018年)4月に稼働したばかりで、システム刷新の効果については現在測定中とのことだが、すでに効果が表れている部分もあるという。
「まずは、予定通り6ヶ月で稼働に至ったことにほっとしています。切り替えのタイミングについても、通常なら多少とも業務に支障をきたすものですが、今回はそうしたトラブルもなく、スムーズに移行できました。導入後は着実に業務効率が改善しています。例えば、以前はWebで受注したデータを、基幹システムに取り込むといった作業を人的に行なっていましたが、それが自動化されました。またメール配信などもほぼ自動化できているので、日々のルーティン業務を大きく軽減できました。オペレーション自体がスピーディで簡便になったので、スタッフの業務負荷も大きく軽減できました。」
まだ計測中ではあるものの、ここまでの期間でクロスセル率が向上していることもわかっているという。
「『eltexDC』にリプレイスするにあたって、お客様が購入手続きで画面遷移する際に、別の商品をレコメンドする仕組みを導入したのですが、それが効果を発揮しています。」と山口氏。まさに、業務効率化と売上拡大の両面で、『eltexDC』は、しっかりと効果を上げているようだ。
今後、「悠悠館」ではさらなるチャネル拡大と、より“買いやすい”仕組みの強化で、成長を加速させていく意向だという。
「現在はECサイトとLP中心ですが、今後はモールにも展開したいと思っています。また、すでにシンガポール、マレーシア、台湾などで海外展開を行なっていますが、現状は別々のシステムを使っており、今後は『eltexDC』で一元的に対応していきたいと思っています。さらに、例えばAIを活用して、お客様のお困りごとから商品をレコメンドしたり、ソーシャルログインの導入や、Amazon payなどの決済方法の多様化など、より買いやすい環境づくりも進めて行きたいと考えています」と山口氏。
さらなる事業成長に余念のない「悠悠館」。『eltexDC』は、その成長を支える大きな武器になっているようだ。今後の「悠悠館」の成長・拡大と、『eltexDC』の進化に、注目していきたいものだ。