EC/通販事業者の3割がSDGsなど「企業の社会的責任」を重要課題と認識【調査結果】

ECのミカタ編集部

ECサイト構築/通販システム構築・支援を手がける株式会社エルテックス(本社:神奈川県横浜市保土ヶ谷区 代表取締役社長:森久尚)は、EC・通信販売事業関係者の実態調査を実施。「通販事業全般の課題」「EC/通販システム導入時の重視点」「不正注文の対策」などを集計・分析した調査結果の2022年版を発表した。

3人に1人が「企業の社会的責任」を重要課題として認識

3人に1人が「企業の社会的責任」を重要課題として認識

「あなたの会社、事業所の通信販売事業(EC:エレクトロニック・コマースを含む)について、ビジネス上重要と思われるものをいくつでもお選びください(複数回答)」という質問に対しては、「売上の拡大(75.0%)」「新規顧客の獲得(62.0%)」がトップ2となった。この順番は2013年以降の調査開始から変わっていない。

2020年からは新型コロナウィルス、本年はESG/SDGsに関する設問を追加したところ、「新型コロナウィルスなどの感染症対策」は年々スコアを下げ2022年は2021年比で6.0ポイント減少。

本年、新項目として追加した設問「ESG/SDGsなど企業の社会的責任」は、32.7%となっており、回答者の3分の1がビジネス上の重要課題と認識していることがわかった。

「企業の社会的責任」を重要なビジネス課題としない理由、「通販やECビジネスには関係ない」「効果がわからない」

「企業の社会的責任」を重要なビジネス課題としない理由、「通販やECビジネスには関係ない」「効果がわからない」

一方、前項の質問で「ESG/SDGsなど企業の社会的責任」を選択しなかった人に対し、選ばなかった理由を聞いたところ、「通販やECビジネスには関係ない(34.2%)」「効果がわからない(31.2%)」が上位を占める結果となった。

また、この設問を年商別で集計すると、年商100億円以上の企業で「対応方法がわからない(38.5%)」となり、年商別トップの数値となった。

98%が不正注文対策を実施、多いのは「不正注文検知システム」

98%が不正注文対策を実施、多いのは「不正注文検知システム」

EC化率が高まる中で、クレジットカードの不正利用被害は年々増加しており、2014年に約114億円だった被害額は2021年には330億円になり、2022年度第1四半期(1~3月)ではすでに100億円にのぼっている。

こうした状況を踏まえ「あなたの会社で実施している不正注文の対策をいくつでもお選びください(複数回答)」という質問に対しては、何らかの対策を実施しているとの回答が98%を超えた。導入している対策は、「不正注文検知システム(42.0%)」「3Dセキュア(39.0%)」「注文を目視でチェック(34.3%)」がトップ3となっている。

EC・通販システム導入時の重視点で、「導入や運用のコスト」がトップ

EC・通販システム導入時の重視点で、「導入や運用のコスト」がトップ

また、「通販の販売管理システム、ECシステム(パッケージ、クラウド、ASPなど)」の導入を決定した際に重視した項目を尋ねたところ、「導入や運用のコスト(56.7%)」が全体トップとなった。

年商別では100億円以上の事業者で「ソフトやサービスの機能の充実度(57.1%)」がトップとなり、売上の多い事業者では高機能なソフトや関連サービスが求められていることがうかがえる。

また、年商100億円以上の企業で「スタッフの技術力(34.3%)」が重視点として選択されていることから、技術的にも高度な対応が必要であることが垣間見える。

どの業種も無縁ではいられない「企業の社会的責任」

エルテックスの独自調査「通信販売事業関与者の実態調査2022」は今回で19回目を迎える。中でも注目は、今回初めてビジネス上の重要課題の選択肢として追加された「ESG投資/SDGsといった企業の社会的責任」ではないだろうか。

気候変動問題への対応、ゴミの削減、ジェンダー平等などを掲げるSDGsは、事業活動を営む限り、どのような業種であっても無関係ではいられない課題だ。「企業の社会的責任」への意識が今後どのように推移していくのか、来年以降の調査結果にも注目したい。

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