大手通販会社協和の新戦略!「選ぶ」楽しみのある定期販売と会員制度を実現した基盤システムとは?

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社協和
左:情報戦略グループ IT化推進チーム チーム長 針金 一平氏
右:情報戦略グループ 情報システムチーム 神 琢真氏

NECが提供するEC・通販統合ソリューションNeoSarf/DM(ネオサーフ/DM)。EC・通販運営について、さまざまなパターンを想定した柔軟な対応が可能だ。今回、事例のひとつとして、株式会社協和(以下「協和」)情報戦略グループ IT化推進チーム チーム長 針金 一平氏、情報システムチーム 神 琢真氏にお話を伺った。

事業成長に対応するためNeoSarf/DMを導入

事業成長に対応するためNeoSarf/DMを導入

協和は、女性向けエイジングケア「fracora(フラコラ)」、健康食品「自然王国」など、ミドルエイジをターゲットとした化粧品・美容健康食品の開発販売を行っている。健康食品に関しては、女性だけでなく男性顧客も多い。

長年オフラインでの通販事業を行ってきたが、近年はオンラインも強化。現在、オンライン:オフライン=2:8といった比率ではあるが、ECサイトの利用は年々増加している。

協和がNeoSarf/DM導入のためのプロジェクトを開始したのは、2014年4月。それまでは内製に近い形でECサイトを運営していたが、事業成長に伴い業務が複雑化・高度化し、既存のシステムでは対応が難しいことが増えていた。

新たな基盤システムを検討する中で、コールセンターとの連携や、カスタマイズの柔軟性、将来的なコンテンツ拡大などを考慮した結果、NeoSarf/DMの導入に至ったそうだ。

NeoSarf/DMを活用して協和が行っている新たな取り組みとして、2017年12月にスタートした「らく楽セレクト便(選べる定期)」と2018年6月にスタートしたばかりの「フラコラ会員制度」という2つの会員向け施策がある。

定期通販の可能性を広げる「らく楽セレクト便」

定期通販の可能性を広げる「らく楽セレクト便」

協和の商品は定期通販を中心とした構成になっている。らく楽セレクト便は、定期便において複数の商品を選択でき、自由に変更もできるというサービスだ。

定期通販は、一度契約をすれば長く関係が続くというメリットがある一方、それ故の弱点もあるという。針金氏は次のように説明する。

「定期販売は、買い物において重要な『選ぶ』という購買誘因が希薄になりがちです。毎月自動的に届くことで、たとえば毎回同じものを買う洗剤など日用品のような存在になり、購入の際のワクワク感、ドキドキ感がなくなるんですね。タッチポイントも減りますし、他の商品を検討してもらいにくくなるという課題があります」。

この定期通販の弱点が、らく楽セレクト便開始の背景としてある。さらに、もうひとつの背景として、顧客ニーズの多様化という点もあるそうだ。

「弊社の商品は美容液がメインですが、美容液単品よりも周辺商品を合わせて使うことで、実感体験が大きく上がり、お客様のニーズに高いレベルで応えることができます。また、どんなに効果がある商品でも、長く使っているとどうしても飽きがくることがあります。そういった際にお客様のニーズに応えられるよう、複数の選択をして定期購入ができるという仕組みを実装したいと考えていました」。

そんな背景から開始されたらく楽セレクト便だが、その仕組みは、多くの定期通販の会社がほしいと考えたことがあるが、システム的に実現は難しいというものだ。定期通販の弱点をカバーするサービスでありながら、実施できる企業は少ない。

しかしNeoSarf/DMの導入により、「NeoSarf/DMのプラットフォームの概念といったところを考えると、NECさんなら実現できるのではないかと思えるようになりました」と針金氏。

本当に可能かという見極めには半年程の時間をかけたものの、できると判断してからは一ヵ月程でプロジェクトが開始し、三ヵ月程で機能が実装されたそうだ。

顧客との接点を増やす「フラコラ会員制度」

顧客との接点を増やす「フラコラ会員制度」

もう一つの新施策であるフラコラ会員制度も、定期通販の弱点が背景にあるという。針金氏は、「定期通販、特にECでは、どうしてもお客様との距離が離れがちで、サイトに来てもらうためのきっかけ作りがすごく大変です」と説明する。

顧客とのタッチポイントを多く創出するために、ポイント制度は有効と考え、導入を検討したそうだ。「弊社は商品力には非常に自信がありますので、その商品力を活かすためにも、お客様との接点の強化を図りたいと考えました」。

さらに、ロイヤルカスタマーにメリットがあるという点も、フラコラ会員制度開始の背景にある。

針金氏によると、「弊社はこれまで商品力に特化して勝負してきたところがありましたが、フラコラ会員制度については、長くお付き合いいただいているお客様にお返しをしたいというコンセプトがあります」とのこと。

協和独自の考えに基づくポイント制度であったため、ゼロからの取り組みが必要だったそうだ。

距離の近い関係性と要望を実現する柔軟性

距離の近い関係性と要望を実現する柔軟性情報戦略グループ IT化推進チーム チーム長 針金 一平氏

NeoSarf/DMによる「らく楽セレクト便」および「フラコラ会員制度」開始に至るお話を伺う中で印象的だったのが、協和とNECの距離の近さだ。

協和には、お客様も協力会社も全員パートナーだという考え方があるそうだ。一方のNEC側も、担当者が週に一度は協和を訪れて打ち合わせや情報共有の時間を多めに取るなど、密なコミュニケーションを取っている。「ベンダーとクライアントという線引きがなく、一緒に我々のお客様に向き合ってくださっているのを常々感じます」と神氏。

協和とNECの密な関係性があり、そこにNeoSarf/DMとNECの技術力があることで、2つの施策などの新たな試みが可能になっている。それは、ECで何か新しいことをしようとするときによく起こる、「システム上できない」ということが起こりにくい環境でもある。針金氏も次のように言う。

「マーケティングにおいて、何をしたいのかということに対する理解、お客様に何を提供したいのかという共有がないと、システム設計はうまくいきません。また、どんなに良いマーケティング活動を思いついても、システムがついてこなければ机上の空論です。そこは一体である必要があり、気軽に相談できる関係性というのはとても重要です」。

単価アップ、解約減少など新施策の効果

2017年12月にスタートしたらく楽セレクト便は、スタートから1年程が経過し、成功と言える効果が表れているとのこと。

具体的には、協和では3,600円 (税込)の美容液が主力商品で、この単品定期通販を長く継続するお客様が多かったところ、らく楽セレクト便では、平均単価を5,000円弱まで上げることができた。また、らく楽セレクト便の契約自体も、一年間で数千件と当初の想定を上回る結果となっている。

さらに、解約率を下げる効果も表れているそうだ。「以前お客様にお伺いしたところ、解約の原因で一番多いのは商品が『余る』ことなんです」と針金氏。

「らく楽セレクト便をご利用いただけば、余った商品をその月だけ別の商品に切り替えるといったことができます。ECサイト上でお申し込みいただく必要がありますが、コールセンターでも、解約・休止の受付と合わせて、ECの方をご案内できるようになりました」。

ポイント制度に関しては、スタートしたばかりなので、今後効果や改善点が出てくるであろうという段階だ。まずはポイントを貯めてもらう必要があるので、一年程は様子を見るとのこと。

電話もECもどちらも便利に

電話もECもどちらも便利に情報戦略グループ 情報システムチーム 神 琢真氏

新施策の実施を含め問題なくEC運営ができているが、今後の展開としては、電話でできることと、ECサイトでできることを一致させたいとのこと。

たとえば、らく楽セレクト便は、現在はECサイト限定だ。ECサイトで提供している仕組みのまま電話で受けてしまうと非常に効率が悪いため、電話でも受けられるらく楽セレクト便の企画を検討しているそうだ。

逆に、通販企業がECに進出した際に起こりがちな、オフラインでできることがオンラインでできないという問題もある。そのため、ECサイトを使っていても、定期便の変更などで電話をしなければいけないことがあるそうだ。

「ECサイトだと面倒だから電話をかけるという、マイナスな理由でECサイトを使わないという状況はなくしていきたいです」と針金氏は言う。

そして、そういった今後の展開を考える上でも、NECの距離の近さと柔軟性は重要だ。

神氏は、「一般的なECパッケージだと、決まった標準機能以外はカスタマイズできなかったり、逆にスクラッチだと複雑化し過ぎて難しかったりするのが、NeoSarf/DMでは柔軟な対応ができるので、すごく助かっています。土台が良ければ建物は変更工事がしやすいというか、基礎工事がしやすいプラットフォームだという印象です」と、これまでを振り返る。

針金氏は、「今後、NeoSarf/DMを利用する企業がもっと増えて、いろんな企業のいろんなアイデアが集約されると良いですね。お互いに良いところを参考にして、業界全体が盛り上がっていけば良いと思っています」と期待を寄せる。

EC市場が成長する中で、今回の協和の事例のように、オフラインベースのところからオンラインも強化するなど、EC運営にもさまざまなパターンが出てきている。単純に新たなECサイトを始めるのではなく、すでに別の販売チャネルがあったり、ブランドが確立していたり、ECの基盤システムも、さまざまなパターンへの対応が求められる。NeoSarf/DMは、そういった状況下で、ぜひ一度検討してほしいサービスだ。


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