自社ECサイト”勝利の方程式”。4つのポイントを抑えて儲かるECサイトへ
『SEOに強い! ネットショップの教科書』が、遂に発売された。このコーナーでも、出版に先立って、その内容の一部を紹介してきたので、多くのEC関係者が待ち望んでいたに違いない。
『SEOに強い! ネットショップの教科書』を読むだけでも、ECの成長を加速させるためのヒントやノウハウを身につけることができるが、さらに加えて、著者である株式会社ドリームエナジーコンサルティング 代表取締役 水上 浩一氏自身による出版記念セミナーが開催される。改めて、本書のポイントやセミナーの内容について、水上氏にお話を伺った。
「脱・モール依存」で、“儲かる”ECへと転換する
EC事業をスタートさせるにあたって、モール出店から始める事業者は少なくない。そして、一定の売上規模に至ると、次の段階として自社店舗への取り組みを始める。
「モールは、“購買確率の高い新規集客”という部分に優位性があり新規のコンバージョン率が自社ECサイトよりも高い傾向にあります。ショップ側は人が集まっている場所にすでに出店できているので。その集まっている人の関心を引きつけるという集客方法になります。広告展開についても、モール内での広告露出ということになります。ですから、新規事業でEC参入する場合、早期の成果(売上金額)が必要な場合、モールから始めるというのは理にかなっていると思います。
ただし、モールを使い続けている以上、出店費用、売上に対する従量課金などのコストはずっと負担することになりますし、当方の数字の集計によりますとリピート率も自社ECサイトに比べて低く、退店してしまうと顧客リストが手元に残らないというデメリットもあります。そこでモール依存から脱却して、手数料もかからず、顧客リストを使ったリピーター育成のやりやすい自社店舗展開へと進んでいくEC事業者の方が多いと思うのですが、自社店舗がなかなか活性化しないと悩まれる方が多いのです。
その理由は、2つあります。
1)新規集客の方法がモールとは全く違い、検索エンジンからの集客となり、検索エンジンを利用するユーザーは検索意図が購買とは限らない。
2)当方の数字の集計によると自社ECサイトの新規ユーザーのコンバージョン率がかなり低いため、新規集客に頼るしか無い月商0円~100万円までのスタートダッシュの店舗さんの場合、なかなか売上が積み上がらない。
そもそも、モールと自社店舗では、運営ノウハウが異なるのですが、モールでの成功ノウハウだけで自社店舗を運営してしまうので、うまく行かないケースがあるのです」と水上氏は言う。
売上げを「4つの変数」に分解して課題を明確にすれば、売上は伸ばせる
では、自社店舗を成功に導くノウハウとはどういうものなのだろうか。
「以前にもお話ししましたが、ECの売上を決めるのは、“アクセス数×コンバージョン率×客単価”という掛け算です。アクセス数は新規と既存顧客それぞれに考慮すべきなので、売上を決める変数は4つとなります。ECの売上を伸ばすためには、これらの変数をアップさせれば良いということになります。
単純計算で、アクセス数・コンバージョン率・客単価の中で、たとえばコンバージョン率がもともと0.5%だった場合、1ポイントアップさせて1.5%になっただけで、他の数字が代わらなければ、売上は3倍になります。たった1ポイントアップさせただけで、です。
逆にいえば、これらの変数のどこかに問題があると、売上が伸び悩むということになります。ですから、自社店舗における問題点が、このうちのどこにあるかをまず明確化すれば、取り組むべき課題も明らかになるのではないでしょうか。
そして最近の数字の集計結果によると新規集客のコンバージョン率とリピーター(再訪問)集客のコンバージョン率にはかなりの数字の差があります。さらに新規ユーザーとリピーターの売上構成比も圧倒的に差があるのです。この辺の重要な数字は出版記念セミナーでお伝えしようと思っています。ご期待ください。
実際に、この視点でコンサルティングをご提供させていただいたECショップ様の多くは着実に業績を伸ばしています。直近でも2018年12月の月商が過去最高売上を更新(ギネス)した店舗さんが続出しています。その要因はこれらの数字をしっかりと認識して対策をしっかりと行ったからです」と水上氏は、集計した基本の数字と4つの変数のどこに課題があるのかを明確化することが、成功へのステップであると説明する。
長年のコンサル実績に基づく豊富な成功事例があるから、自社に適した成功ノウハウを修得できる
今回出版された『SEOに強い! ネットショップの教科書』には、こうしたノウハウがふんだんに盛り込まれているという。
「ECで成功するためには、環境変化に応じて“変えなければならないノウハウ”と、状況がどうであろうと“変わらない不変のノウハウ”というものがあると考えています。グーグルのモバイルファーストインデックスの展開が本格化したというのは環境変化で、それになんらかの対応をすることは大切だとは思うのですが、一方で土台となる部分がしっかりしているかどうかの方が重要だと考えています。それが“不変のノウハウ”ということです。
本書の中では、“3つの基礎設計”として、その不変のノウハウを取り上げていますが、そこがしっかりしていれば、ちょっとした環境変化に右往左往しなくても大丈夫なことが多いのです。この3つの基礎設計は本書で初めて発表するものです。そして出版記念セミナーでは本書で紹介できなかった3つの基礎設計で成果を上げた店舗さんの事例も紹介させていただきます。ぜひ『SEOに強い! ネットショップの教科書』をお読みいただき、セミナーにも足を運んでいただきたいと思います」と水上氏が言うように、この本では、『4つの変数』と『3つの基礎設計』をベースにしているので、ECショップの問題点や課題を、分析的に理解することができる。
本を読んで、セミナーに参加する、というのは2回同じ内容を聞くことになるのでは?と思われるかもしれませんが、そうではありません。以前、東工大の名誉教授にインタビューさせていただいたことがあるのですがそのときに「ブレンディッド(ブレンドされた)ラーニング(勉強方法)」という勉強手法を教えていただきました。本を読むだけの学びよりも、本を読み、かつ話を聞く、という複合的刺激を活用した学びは、単独の刺激の学びよりも定着度が高いらしいのです。
『SEOに強い! ネットショップの教科書』では、可能な限り、必要な成功ノウハウを盛り込みました。セミナーではさらに深みのあるノウハウや、書籍には書き切れなかった最新の成果事例、それから最新の集計による新規とリピーターのコンバージョン率の差、売上比率などもご紹介する用意がありますので、ぜひご参加いただきたいです」と水上氏。
水上氏が主催する「EC実践会」には多くのEC事業者が参加しており、水上氏自身のコンサルティング実績と合わせると、事例の豊富さは大きな強みとなっている。
本には書けない深みのある成長ノウハウと、さらなる事例紹介で、“使える”ノウハウを体得できるセミナー
出版記念セミナーは、2019年1月下旬から半年ほどをかけて、東京・愛知・大阪・福岡など10地域で開催されるとのこと。本気でECの成功を目指すなら、『SEOに強い! ネットショップの教科書』とセミナーは、ぜひセットで利用したいところだ。