中小企業は今が海外進出のチャンス!海外向けコンテンツ制作の重要性とは?
日本企業にとって海外市場はまだまだ大きな可能性を秘めている。中小企業であっても、いや中小企業こそ、成功できる可能性は高い。しかしその前に知っておきたいのが、日本と海外のギャップだ。この点を理解し、進出支援できる企業というのは実は少ない。そんな数少ない企業のうちの二社に、お話を伺った。
企業とユーザーのコミュニケーションプラットフォームをグローバルに提供しているCM.com Japan 株式会社 Country Manager Japan 中藤丹菜氏。そしてもう一社は、主にヨーロッパと日本の市場を結ぶコンテンツマーケティング支援を行っているTAMLO ltd. Managing Director 石野 雄一氏だ。この二社が共同で、海外進出をする日本企業を支援する新たなサービスを提供し始める。
グローバルカンパニーとして日本と海外の橋渡しができる2社
TAMLO(タムロ)は、ロンドンと東京を拠点とするコンテンツマーケティングの会社。海外に進出したい日本企業、日本に進出したい海外の企業に向けて、コンテンツマーケティングのローカライゼーションを行っている。主にヨーロッパを中心として、海外と日本の市場の両方の知見があり、英語でコミュニケーションが取れるというのが強みのひとつだ。
「たとえば、日本の製品をイギリスで販売したい場合に、イギリスでのマーケティングの手法にはどういうものがあって、どのチャネルを使ってどういうコンテンツでエンドユーザーとコミュニケーションを取ると良いのか、コンサルティングからコンテンツの制作までサポートいたします。逆にヨーロッパの製品を日本で販売したい場合のサポートもできます。最近では両国をつなぐ行政機関のサポートも行っています」。(石野氏)
一方のCM.comはオランダに本社があるグローバルカンパニー。SMSやWhatsAppなどのメッセージングチャネルや、音声などのマルチチャネルを使って企業がユーザーにリーチすることを、ひとつのプラットフォームで実現できるグローバルサービスを提供している。
日本と世界とではコミュニケーションチャネルがまったく違い、日本企業が海外に進出する場合、それを踏まえたプロモーションが必要だという。
「日本では企業の顧客へのプロモーションツールとしてまだまだEメールや電話、最近はLINEも使われますが、海外ではSMSやWhatsApp、音声プロモーションが一般的です。音声プロモーションは、電話に出ると有名なDJの声でセールの案内が届いたりするというものです。そういったことが日本では認知されていません。代理店やベンダーですら知らないこともあります。
しかし、海外市場をターゲットにするのであれば、現地で使われているツールを使わないとプロモーションの意味がありません。そこを弊社がサポートします」。(中藤氏)
「トランスクリエーション」で企業とユーザーのギャップを埋める
海外に進出したい日本企業をサポートするなか、石野氏、中藤氏がよく感じるのが、日本と海外には大きなギャップがあり、それを認識できていないケースが多いことだという。
「国による違い、ギャップをどう埋めるのかが肝だと思います。海外に進出する場合、『言語の違い』『市場の違い』『文化の違い』という3つのポイントがあります。このどれが欠けてもローカライゼーションは成立しない。
それらのポイントを丁寧にすくい上げてコンサルティングやコンテンツ制作をしていくのが僕らの仕事です。だから、デジタルマーケティングといいながら、アナログな要素もとても大事なんですよね」。(石野氏)
「たとえばインバウンドでも、訪日外国人が日本でよく使うSIMフリーの携帯電話だと、データ通信のみで音声電話ができないものが多い。ところが日本の店では、HPに英語表記があっても、電話番号しか載っておらず、予約が取れない。些細に思われることが、ビジネス的には大きな機会損失だったりします。
日本の当たり前が、海外では当たり前でないことが多い。それに気づいて、各国に合ったプロモーションの方法をとれば、売上も上がり、海外に認められる企業になるはずです」。(中藤氏)
日本と海外のギャップを埋めることを、石野氏は「トランスクリエーション」という言葉で説明する。
「「トランスクリエーション」というのは翻訳やマーケティングの業界でよく使われる言葉で、『translation』と『creation』を掛け合わせた造語です。『translation』だけだと直訳で意味がわからない。それがブランドの棄損になることさえあります。そこに『creation』を入れることが大事です。意訳よりももっと創造的な翻訳ですね。ただ、それができるところが少ないんだと思います」。(石野氏)
ソフトとハードが組んだソリューションでCVの最大化を実現
日本と海外のギャップに気づき、そこを埋めようとしている。その共通点こそが、コンテンツマーケティングというソフト面のサービスを提供するTAMLOと、コミュニケーションツールのプラットフォームというハード面のサービスを提供するCM.comを結びつけた。
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「これまで、日本と海外のコミュニケーションツールの違いを理解していただいても、コミュニケーションの中身、コンテンツがうまく作れないという声も多くありました。
たとえばSMSは、海外においてEメールや電話に比べてはるかに開封率やCVが高いのですが、アルファベット156文字という字数制限があり、本文の内容やリンク先のLPがいかに海外の人の心を掴めるかによって効果は変わってきます。そこをTAMLOさんのようなプロにお願いすることで、CVを最大化できると考えています」。(中藤氏)
「僕たちはコンテンツを作ることがメインなので、CM.comさんと一緒にサービスを提供することで、ツールについてより深い理解を提供でき、それによってコンテンツもより深めることができると思っています。このソフトとハードが組んだソリューションの提供というのが、これまでにないところだと思います。また、そういうことに興味がある人が増えてくれると嬉しいですね」。(石野氏)
日本の企業はもっと海外で成功できる
EC市場の拡大を含めて、テクノロジーの進歩により、海外進出のハードルは下がり続けているという。少し前までは、海外に進出しようとなると、商社や代理店を間に挟んだり、法人を設立したりと、手間がかかっていたが、そういった手間を省いて直接海外に商品を売れる方法が増えている。
「今はチャンスだと思います。地方の中小企業さんで、すごい技術や商品を持っているところって、まだたくさんあると思うんです。そういう企業は、東京に進出する必要もありません。そのまま海外に売りに行けばいい。
今回、CM.comさんと一緒にセミナーを開催したり、サービスを提供したりすることで、海外進出のハードルは高くないということに気づいてもらいたいです」。(石野氏)
「メイドインジャパンの商品って、やっぱり評価されていて、よく売れるんです。日本の商品はSMSの開封率も高い。だから、言語とか文化がよくわからないからとためらうのはもったいない。そういう会社を支援するために、弊社もツールを提供していますし、TAMLOさんはコンテンツを作ってくれます」。(中藤氏)
「小さくてもきらりとひかる、そんな日本の技術や商品をもっと海外に知ってもらいたいし、その手助けをしたいと強く思います」。(石野氏)