これからの東南アジア向けEC展開なら、ミャンマーを狙え
ECビジネス・プレーヤーが、越境ECなど海外展開に注目するようになって久しい。ここ最近のECの海外展開のトレンドとしては、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールといった東南アジア諸国への注目度が高まっていることを挙げられるだろう。
越境・現地EC用カート『LaunchCart(ランチカート)』を展開し、多くの日本のEC事業者のアジア進出を支えてきたスターフィールド株式会社(以下、スターフィールド)では、このほど、そうしたトレンドのさらに先を行く“ミャンマー進出”を多面的にサポートする体制を整え、サービス提供をスタートさせた。
“東南アジア最後のフロンティア”ともいわれるミャンマーのポテンシャルや、スターフィールドが提供するサポート内容等について、該社の代表取締役 CEO 星野翔太氏にお話を伺った。
東南アジア、最後のフロンティア!? ミャンマーの可能性
2011年3月に民政移管が実現したミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)は、その後民主化と経済改革が推進され、今日に至っている。日本の約1.8倍の国土に、51百万人が暮らしており、1人当たりGDPは1,321ドル(2018/19年度、IMF推計)ながらも、経済成長率は6.6%(2018/19年度、IMF推計)で、今後の発展が大いに期待されている。
「当社では、2013年にミャンマーに支社を設立して活動をスタートさせており、かなり早い段階からミャンマーのポテンシャルには目をつけていました。」と星野氏は話す。ただし他の東南アジア諸国に比べれば、現時点でのECの発展状況はまだまだで、だからこそ、今進出することに意味があるのだと星野氏は力説する。
「今現在のミャンマーでは、とてもECが浸透しているとは言い難い状況です。
ただ、ミャンマーには、ECの発展ポテンシャルを感じさせる2つの大きな特徴があります。
そのひとつはSNS、特にフェイスブックの浸透度が極めて高いということです。現在のミャンマーでは、フェイスブックは社会インフラのひとつであって、日本ではインフラといえば“電気・ガス・水道”といわれますが、ミャンマーでは“電気・水・フェイスブック”と揶揄されるほどです。
いまはまだフェイスブックがマーケティングツールとして活用されることは少ないようですが、今後、ミャンマーでECが成長していく過程において、このフェイスブックの浸透度が重要なポイントになることでしょう。
そして、もうひとつの特徴は、“今、ミャンマーでは国をあげて、海外資本の誘致に積極的である”ということです。昨年はトヨタ自動車株式会社が、自動車市場の拡大を見越して、ミャンマーに新工場を設立しました。今後も、日本に限らず世界中からミャンマーへの進出が加速することでしょう。
かつて、タイなどがそうでしたが、10年ほど前にはとても規制が緩やかで、日本から進出するにしても非常にやりやすかったのですが、現在ではさまざまな規制があり、競争も激化しています。ここ最近、タイへ進出したEC事業者の方から聞くのは、“10年前にやっていればよかった”という後悔です。現在のミャンマーがまさにこの状況です。
今はまだ市場としては未知数ですが、5年後10年後に先駆者メリットを得るためには、いま投資しておくことが肝要なのです。」と星野氏はミャンマーの今後の可能性について強調する。
『LaunchCart』を軸に、ミャンマーへのEC進出をトータルサポート
スターフィールドの『LaunchCart』では、ミャンマー郵便と連携しており、ミャンマー全国で代引きが利用できるようになっている。東南アジアでは郵便局が代引きを扱うのは珍しく、たとえばマレーシアなどでは、代引きは民間の業者に委託せざるをえない。ところが全国をカバーする民間業者はおらず、複数の民間事業者と連携しなければ、代引きを全国規模で利用することはできないのだ。
しかしミャンマーにおいては、『LaunchCart』がミャンマー郵便と連携することで、全国での代引きを実現できたのだそうだ。これは大きなアドバンテージとなるだろう。
「また最近では、ミャンマーでもペイメントサービスが多様化する傾向にあります。現在多数の銀行や民間企業がペイメントサービスに参入しており競争が激化しています。まだまだ現金決済が多いのですが、各ペイメントサービスの提供会社も積極的なプロモーションを展開しており、今後は日本同様にキャッシュレスが浸透していくでしょう。
こういったペイメントサービスは日々増え続けておりますが、LaunchCartでは主要34ペイメントサービス全てと接続しています。その点でもミャンマー進出を強力に支援できます。
と星野氏は、ローカライズによって、現地の事情にマッチするカート化を真骨頂とする『LaunchCart』の優位性についても言及する。
さらにスターフィールドでは、ミャンマーの支社が独自のショップサイトをオープンしており、希望するEC事業者には、出品形式で、ミャンマーでのテスト販売などを支援する体制も整えているという。
「ミャンマーでは、美白系化粧品であったり、サプリメントであったりといった製品のニーズが高いようです。しかし、韓国製品や中国製品なども売られていて、この分野では競争が激しくなりつつあります。ただし、こうした分野の製品については、日本製の品質が高いという評判もありますので、逆に狙い目かもしれません。
しかし、そうはいっても、市場として未知数であるという点に懸念があるのであれば、いきなり独自ドメインでEC展開をスタートさせるのではなく、当社のミャンマー支社が展開するショップサイトを利用して、出品形式でテスト販売してみることをお勧めします。」と星野氏は言う。
スターフィールドでは、日本のEC事業者がミャンマーで事業展開しようという場合には、FDAをはじめとした輸入手続きなどについてもサポートしてくれる。必要であれば、スターフィールドのミャンマー現地法人が販売元になって、ミャンマー国内での販売代行を展開することも可能だという。
東南アジア展開における、ミャンマーの戦略拠点化も一元的にサポートするスターフィールド
今現在のミャンマーは、とても人件費が安いという。また、地理上の利点として、タイ・ベトナム・マレーシア・シンガポールにもほど近いというメリットもある。日本の、あるいは欧米のEC事業者などが東南アジアへの進出を目指す場合、特定の一国のみで展開するというよりも、東南アジアの複数国での事業展開を目指すことが多いという。
「東南アジアの複数国で事業展開する場合、サポートセンターや受注センターのような機能を、どの国に置くかということがとても重要な課題になります。つまり、東南アジア展開における戦略的拠点をどこにおくかという問題です。
私たちは、ミャンマーこそがそれに向いていると考えています。ミャンマーは物流面ではまだ十分な整備ができていないので、東南アジアにおける物流拠点として利用するには難があります。しかし、人件費が安く優秀で真面目な人材が豊富であることから、サポートセンターやオペレーションセンターのような戦略拠点としての利用にはとても向いているのです。
また、将来的にインドへの進出を目指す上でも、優位性のあるロケーションだといえるでしょう。」と星野氏は、市場としてのミャンマーの価値はもちろん、東南アジア戦略の拠点としての活用価値も高いことを示してくれた。
かつては、東南アジアのあらゆる国がブルーオーシャンだったが、最近では必ずしもそうとはいえない厳しい競争環境に陥りつつある。
そんな中で、ミャンマーは、市場としてのポテンシャルもさることながら、アジア戦略の拠点としての利用価値も高いということであり、ぜひとも成長戦略の一環として、ミャンマーの有効活用を検討してみたいものである。
もし、少しでもミャンマーに興味をもったのなら、まずはスターフィールドに相談してみることをお勧めしたい。
きっと有意義なアドバイスを得られるに違いない。