CRMは何を実現する?単なるシステム導入だけでは解決しない人の感情を扱うこと

ECのミカタ編集部 [PR]

CRM事業本部ITコンサルティング部 取締役 河内 祐樹 氏

顧客満足度向上やリピート獲得について考えるとき、CRMという言葉を耳にすることが増えている。しかし、言葉の認知度とは逆に、本当にCRMを理解し実践できている企業は少ないという。CRMとは正しくはどんなものなのか、何を実現してくれるのか、開発からコンサルティングまで、CRM導入全般を支援している、アーカス・ジャパン株式会社 CRM事業本部ITコンサルティング部 取締役 河内 祐樹 氏に伺った。

CRMとは何なのか?システム導入だけでは解決しない問題

CRMがなにものなのか、正しい理解はまだ少ないのではないかと思います。一般的には顧客を管理するものというイメージで、受注システムやコールセンターで対応できているから大丈夫といわれることも多いのですが、それは本来のCRMではありません。

CRMとは、システムを導入したら完成するものではなく、業務にあたるスタッフの意識から、業務フローや各業務で使われているシステムすべてが関わってくる、経営戦略的なものです。部分に対処するのではなく、全体のプロセスをよくするのがCRMといえます。システムはあくまでも道具で、それをどう使って業務をするかが重要です。

CRMについてご相談いただくきっかけのひとつに、コールセンターでのクレーム対応があります。クレームを受けたオペレーターがそんなこと知らないという状況が頻発して、まず現場から課題が出てくることは多いです。

また、コールセンターの仕組みの入れ替えや、売上停滞の打開策として導入を検討されるケースもあります。そのため、現場で業務に携わっている方や、情報システム部門の方から最初にご相談いただくことが多くなっています。

ただし、CRMは会社全体に関わることであり、経営戦略的にトップダウンで考える必要があります。そのため、現場と経営者をつなぐ立場の方や、最終的には経営者の方にも正しく理解してもらう必要があります。ときには担当者の方と一緒に、上司の方への説明や予算取りのお手伝いをすることもあります。

ご相談いただく企業の規模感はさまざまです。数百万円規模のときもありますし、数千万円規模やそれ以上になることもあります。大規模の導入になると、周辺システムも合わせて改修を行います。

ただ、いきなりすべてを変えてしまうより、小さく始めて、世の中の動きや日々の業務の流れを見ながら段階的に成長させていくのがおすすめです。

CRMでやるべきこととその効果

CRMの一歩目は、顧客情報をひとつに集約することです。顧客情報が複数のシステムに分散していたり、既存のシステムが十分に機能していなかったりすると、顧客対応に問題が起きやすくなります。

新人でもベテランでも同じように顧客情報をインプットできて、同じようにアウトプットできる仕組みが、CRMの基盤となります。場合によっては、新たなシステムを導入せずとも、既存のシステムを活用するだけで対応できることもあります。

一方、そもそも正確な顧客情報がない場合は、データの蓄積から始める必要があります。その際、現場に対して、それをすることでどう楽になるかを示し、評価につなげるなど、意識づけも必要です。ただ、ECサイトは基本的に最低限の個人情報を取得しているはずなので、これはCRMにおいて強みです。

CRMの効果としては、顧客満足度向上とリピーター増加があげられます。新規顧客がリピーターになり、最終的にファンになる。そうすると、顧客が競合に流れにくくなります。

たとえば、弊社が入らせていただいたある企業では、複数の販売チャネルの情報をひとつに集約すると同時に、コールセンターにおいて特定の顧客に対して特定の担当者につながる仕組みを作りました。この仕組みにより、企業は顧客情報をトレースしやすくなり、顧客は対面販売と同じような安心感を得られます。当然、顧客満足度の向上やリピートにもつながります。

最近の傾向としては、電話よりもメールやLINEなどのSNSをベースに顧客対応を行う企業が増えています。EC業界におけるコールセンターの在り方も変わってきています。以前はコールセンターといえばクレーム対応がメインでしたが、今は顧客対応のすべての窓口というふうに見直されつつあります。

CRMについてもっと知りたい方は

アーカス・ジャパンのCRM事業の特徴

弊社のCRM事業本部はその部署名が表しているように、何かのパッケージではなく、CRM全般の課題に対応しており、コンサルティングからシステム開発、導入支援、保守・運用など、必要に応じたサービスを提供しています。また、AIを組み合わせた「EMOROCO(エモロコ)」というCRMのシステム開発・提供も行っています。

CRMの導入企業は、EC以外にもさまざまです。BtoCもBtoBもジャンルを問わず、顧客がいるところにはすべて成り立つものだと思います。

たとえば、実店舗を展開する小売業で、顧客情報と周辺イベント情報や気象情報を組み合わせて売れ筋の商品を予測して品出しや在庫管理に役立てたり、製造業で、顧客動向から需要が高まりそうな部品を予測して営業をかけたりという使い方もあります。

EC業界では、実店舗とEC店舗と両方を展開するケースも増えています。そういった場合、CRM導入により両方の顧客情報を共有することで、EC店舗のヘビーユーザーで実店舗にはじめて来た場合でも「いつもありがとうございます」といった声かけができますし、好みにあった商品をすすめることもできます。

CRMのベンダーとして重視しているのが、導入企業の業務の流れや、現場のスタッフが何に困っていて何を求めているのか、顧客はどんな人なのかといったことを理解することです。そのためにヒアリングは徹底します。

よくあるのが、現場の方は目の前の業務で困っていることは出てくるのですが、それが本質ではないということです。そこで、同じ業務に携わる何名かに話を伺って、総合的に見たときに本質的な問題は何なのかを考えるようにしています。

情報システム部門などが主体で相談があった場合は、最初はコールセンターなどの現場の方の反応が薄いこともあるのですが、実際に業務がどう変わるのかイメージが伝わると、まさにこれに困っていたとか、こんなこともやりたいとか、どんどん話が膨らんでいくことも多いです。現場の方も、困っていることはあっても、どうしたいのかイメージできていなかったり、現状に慣れてしまっていたりすることもあります。

また、主客一体で動くことを一番大事にしています。コンサルティングの際、正解を押し付けるのではなく、すべての正解はお客様が持っていると考えます。それをヒアリングにより引き出すというスタンスです。弊社はあくまでも提案をして、最終決定はお客様にしていただきます。

他社システムを導入しているSIerの支援を行うこともあるのですが、その際も三社一緒になって、スポーツの混合チームのように動きます。各分野のプロフェッショナルが集まり、同じ方向を目指して走るイメージです。

CRMとは人の感情を扱うもの

私はCRMに携わって10年以上になるのですが、CRMがおもしろいと思うのは、システムという無機的なものでありながら、導入過程も含めて、人の感情という有機的なものを扱っている部分です。顧客の感情もそうですし、導入過程において、担当者個々人の「ここをよくしたい」という思いが出てくるので、それも一種の感情を扱っている部分だと思います。

実際、弊社の『EMOROCO』は、感情分析が得意なシステムです。AIというのは本来、感情分析に活用すべきだと思います。『EMOROCO』は、時系列での行動分析を組み合わせることで、過去から現在までのBI的な部分と、現在から未来への傾向を読むことができ、両面からCRMを支えています。

CRMは、日本の「おもてなし」をシステムで手助けするものといえるかもしれません。まずはお話を伺うことがスタートだと思いますので、導入を少しでも考えられているのであれば、気軽にご相談いただきたいです。

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