“手を動かさない広告運用”で、Amazonに出店する商品の最適化もスムーズに
広告費と目標ACoSを設定するだけで、Amazon広告運用をAIで最適化するクラウドツールPerpetua。そのPerpetuaを導入し、「健康いぬ生活」で広告運用を行っている株式会社利他フーズは、導入から約1年で売り上げが約3倍になったという。競合他社の多いペットフード市場でどのように認知度を高め、拡大を図っていったのか。話をうかがった。
熊本発、身体によいものをITの力で全国に届ける
――株式会社利他フーズについて教えてください。
中山:弊社は熊本で2007年に創業した企業です。本当においしくて、身体にもよい“食”にこだわってECで展開しています。事業は大きく分けると二つあり、一つは馬刺しを中心とした熊本および九州の特産品を販売する食品事業です。自社EC「熊本馬刺しドットコム」では、品質にこだわり、高い鮮度を維持した商品をお届けしています。もう一つは、ペットフード事業です。自社EC「健康いぬ生活」で馬肉を使ったドッグフードを販売しています。
入江:Perpetuaをご利用いただいているユーザーは、本当にさまざまな商材を扱っていらっしゃいますが、初めてお問い合わせいただいた際に、馬肉を使ったドッグフードを販売されているということでユニークな会社だなと思ったことをよく覚えています。
澤田:ありがとうございます。馬肉は高タンパク低カロリーで、私たちだけでなくワンちゃんのお食事にも適したお肉です。「健康いぬ生活」は2016年に立ち上げましたが、これは弊社代表の猪本が企画して開発しました。ドライタイプの「馬肉自然づくり」、しっとりタイプの「馬肉芳醇づくり」などが主力商品です。
競合他社の中で差別化に苦戦、内製化での限界を感じて
――Amazonに出店したのはいつからですか。
中山:Amazonへの出店は「熊本馬刺しドットコム」のほうが先で、2009年から出店しています。「健康いぬ生活」は2019年からです。
澤田:特に「健康いぬ生活」の自社ECをご利用いただいているお客様は、すでに弊社商品を購入いただいている定期購入がメインです。新しい市場を開拓したいと思い、モールへの出店を決めました。現在はYahoo!ショッピングなど他のモールにも出店していますが、最初にAmazonへの出店を決めたのは、他のモールと比較して価格帯での競争よりも、しっかりページをつくりあげていけば市場を取れるのではないかと考えたからです。
――「健康いぬ生活」にPerpetuaを導入した理由を教えてください。
中山:馬刺しというニッチな商品は競争相手が限られているため差別化もしやすく、広告費を調整することで当初想定していた以上の成果が出たため、「熊本馬刺しドットコム」の広告運用は当初、自分たちでやっていました。「健康いぬ生活」の広告運用も最初は自分たちでやっていたのですが、月によってACoSに振れ幅があって安定しませんでした。
「健康いぬ生活」は参入の多いドッグフード市場です。馬肉だけでなく鶏肉などを使った類似商品も多いので、市場内で一定数はとれるものの、拡大する段階でかなり苦戦を強いられました。自分たちだけで広告を運用することに限界を感じ、2020年の11月からPerpetuaを導入しました。
広告運用に費やしていた時間が1/10に
――Amazon広告の運用ツールやサービスはたくさんあります。その中でPerpetuaを選んだのはどうしてですか。
中山:弊社の共同代表である倉崎がお付き合いのある企業からPerpetuaという便利なツールがあると聞き、社内で情報共有がありました。そこで詳しい話を聞きたいと思い、Perpetuaにご相談すると、すぐにサービス内容について説明を聞くことができました。使いやすいツールだなというのが第一印象です。
入江:ありがとうございます。Perpetuaは広告費と目標ACoSを設定するだけで、AIが自動的に学習を続けながらターゲットとするキーワードやASINを収集していくというシンプルなツールですから、これから広告運用を始めるという方にも使いやすいと感じていただけると思います。
中山:そうですね。使いやすいですし、驚いたのはAIの学習能力の高さです。最初はAIで本当に成果が出るのかなと半信半疑だったこともあり、とりあえず試してみようということで月額広告費が少額なプランから始めました。徐々に動きが出てきたので月額広告費を上げていくと、はっきりと成果が出ました。
自分で広告を運用する場合は、毎日管理画面を見ながら動向を探るということを繰り返すのですが、Perpetuaは手を動かさなくても成果が出る。手放しで運用できる点はすごいと思います。広告運用に費やしていた時間は1/10くらいに減りました。
Amazonに最適な商品選びもスムーズ
――Perpetuaを、どのように売り上げ成長につなげていったのでしょうか。
澤田:まずは全商品を販売して、特に反響がいい商品にアクセスを集中させてPDCAを回し、ページの改善などを優先的に行うという流れで最適化を図っていきました。扱っている商品数が多いので、全ての商品の動向を細かく追うのは難しいです。反響の大きい商品は自分たちでチェックしながらキーワードなどを精査し、その他の商品はPerpetuaで効率化を図るというすみ分けを重視しました。
的場:Perpetuaは広告効果を最大化するための補助的なものであって商品に対するニーズを生み出すものではないので、重要なのは商品力だと思っています。また、消費者に求められる商品をモール毎に取捨選択していくというところがとても大きなポイントで、御社はAmazonにフィットする商品を的確に選ばれたのだと感じました。
澤田:そこはとても意識しました。特にモールはブランドよりも1商品ごとの勝負になってくるので、どのキーワードを選んで、ターゲットをいかに絞っていくのかということが要になります。アルゴリズムが示すそれらの動向を踏まえながら、この商品はAmazonなのか、それとも自社ECで展開するほうが向いているのかといった傾向をつかめたので、最適化していくための方針が立てやすかったです。
的外れなキーワードを選ぶと広告費を消化していくだけですから、少しでも早く方向性を見極めることが工数はもちろんコスト削減にもつながります。結果としてPerpetuaの導入から約1年で、売り上げは約3倍に伸びました。
マーケティングツールとして活用
――効果的だと感じたPerpetuaの活用法はありますか。
中山:実際に運用してみて気づいたのですが、Perpetuaは新商品のテストをするのに最適です。新商品を販売する時に、とりあえず出品してみて反響があると感じたら、さらに予算とACoSを調整して拡大していくことができます。より高い効果を得るためにさらに細かく設定を行いたいと考え、カスタマーサクセスの担当者と定期的にミーティングを行っています。改善点の提案は参考になることが多いです。
入江:実際の運用実績を見ながらターゲットACoSなどを適切に設定することで、より精度が上がります。確かにPerpetuaはAIを活用して広告運用の自動化を目指すツールですが、その過程で人的な補助が必要ないとは思いません。カスタマーサクセスが仮説を立てながら検証し、お客様を成功までしっかりとサポートできる点もPerpetuaの特徴だと考えています。
的場:これは僕がお伺いおうかがいしたいと思っていたことなのですが、Perpetuaをご利用いただいているお客様から、「Perpetuaを利用し始めてから、SEOランキングが上がった」というお話をよく聞きます。そういった感覚はありますか。
中山:Perpetuaを利用し始めて販売数が増えたからということもありますが、SEOの部分にも良い影響があると感じています。
的場:そう実感していただけるのは嬉しいです。少し観点は変わりますが、我々はブランディングという観点でいえば道半ばかなと思っていて、SOVのアルゴリズムも開発を進めています。実装されると、新商品のテストマーケティングというところでの活用も、より選択肢が多くなるはずです。
中山 期待しています。それでは私からもご要望を。すでにPerpetuaを導入してている中級者向けのセミナーを開催してほしいです。
入江 導入検討者向けのセミナーは毎月開催しているのですが、中級者向けのセミナーは現在準備しているところです。
中山 開催されたらぜひ参加したいです。現在弊社では私を含めて3名が広告運用に関わっているのですが、他のメンバーとも運用ノウハウを共有できたら、事業もより拡大していけると期待しています。