難しいWebマーケター採用は外部人材マッチングで解決!
Cookieの規制強化でウェブ広告の有用性が脅かされるなか、SEOやSNSなどの施策に注目が集まる。だが自社で取り組むリソースやスキルがないという事業者も多いのではないか。そこで株式会社Faber Companyでは、マーケターとのマッチングサービス「ミエルカコネクト」を展開。事業者が取り組むべき課題について同社執行役員の月岡克博氏に話を聞いた。
サードパーティーCookieに
依存しない集客手法が必要
ウェブマーケティングにおいて、ユーザー情報を収集し分析することは必要不可欠だ。しかし、これまでユーザー動向の計測技術として使われてきたCookieに対して、個人情報保護の観点から、大手プラットフォーマーは規制強化に乗り出している。特に、サイト運営者以外のネット事業者が発行する「サードパーティーCookie」は、個人のプライバシーの侵害にあたるという見方が広まっており、利用制限や規制に向けた動きが強まっている。
現にGoogleはウェブブラウザ「Chrome」で、サードパーティーCookieの利用を制限。2023年に廃止することを発表した。こうした動向を受けて、ネット事業者各社は、サードパーティーCookieに依存しない新たな集客手法を模索しているところだ。
なかでも注目が集まっているのが、SEO(Search Engine Optimiza tion)やSNSといった他チャネルの活用だという。「検索エンジン最適化」を意味するSEOは、ユーザーが検索エンジン上で検索する特定キーワードに対して、最適なコンテンツを提供し、検索上位表示を目指す施策だ。
「SEOは、Cookie規制強化の影響を受けないため、代替策として注目されている面もあります。しかしSEO施策には時間や労力がかかるため、腰を据えて取り組めていない事業者さんも多い。また顧客管理まで含めた、デジタルを活用したユーザーとのコミュニケーションの全体設計を相談される機会も増えてきています。」
自社サイトの見直しによる
コンテンツの充実が重要
また、月岡氏は、多くの事業者がSEOやSNSに取り組む以前に見直すべき課題があるという。それが自社サイトそのものの見直しだ。
「SEOやSNSなどの手段を検討しはじめる前に、まず確認してほしいことがあります。いまの自社サイトを通して、満足する顧客体験を提供できているか、ということです。商品やサービスの魅力を伝えるページや活用事例などのコンテンツの充実、「どんなユーザーが」「どんな目的で」サイトに来訪しているのか、ユーザーの目的達成がスムーズにできるサイト設計なのかということを考えてほしいですね。」
自社サイトを見直し、ユーザーがストレスなく商品やサービスを検討・購入できるサイトに整える。その上で、集客施策に乗り出すべきだというのだ。
SEOやSNSには、さまざまなテクニックが存在し、それらのいわば「プロの技」を駆使することがウェブマーケティングでは要求されると思われがちだ。しかし、コンテンツの充実がより重要だと、月岡氏は強調する。
「SEOは、検索ユーザーの検索意図に沿うコンテンツを揃えること、SNSはそれぞれのプラットフォームの特色に合わせた使い分けが必要です。それぞれのツール運用やプラットフォーム活用はプロに任せることができます。ただ、そこにのせる“独自性の高いコンテンツ企画”は、自社の商品やサービスを深く理解している自社内の人にしかできません。ユーザーのさまざまな課題や疑問を解決できるオリジナルコンテンツの拡充が求められます。」
つまり、自社サイトのコンテンツを厚くしてマーケティング上の「資産」にすることが、持続的に発展していくサイト運営には欠かせないということだ。
自社ニーズとマーケターの
長所を生かしてマッチング
こうした現状に対して、SEOのさまざまなサービスを展開する株式会社Faber Companyが提供するのが、フリーランスのマーケターとのマッチングサービス「ミエルカコネクト」だ。
「ウェブマーケの強化といっても「何をしていいのかわからない」という事業者さんも多くいらっしゃいます。そのため、ただマーケターを紹介するのではなく、どのような施策が効果的なのか、一緒に考えていくところから取り組むようにしています。
また最近では、働き方が多様化しており、今後ますます“個人”にフォーカスされる時代が訪れることが予想されます。現在でもフリーランスで優秀なウェブマーケターさんはたくさんいらっしゃいますが、弊社はフリーランスマーケターの才能を存分に発揮できる環境をつくることで、事業者の支援とともにウェブマーケティングの発展に貢献したいと考えています。」
「ミエルカコネクト」では自社採用の難しさも解決しているという。SEO施策やSNS運用などには、専門スキルを保有するマーケターの存在が欠かせない。自社でこうした人材を採用するには、さまざまなリスクやコストが伴う。
「デジタルマーケティング人材は市場に少ないことに加えて、保有スキルや経験も多様です。デジタルマーケティングの理解がないと候補者のスキルを見定めることすら難しい。そのせいで正社員採用後のミスマッチというケースも聞いたりします。ミエルカコネクトでは、弊社で要件整理を実施、適したマーケターに業務委託形式で仕事を依頼することができます。採用失敗のリスクは押さえつつ、マーケターとの取組が開始できるところを評価いただけています。」
現在「ミエルカコネクト」には、フリーランスのマーケター約500人が登録している。(2022年1月末)マッチングに際しては、Faber Companyが事業者に対してデジタルマーケティングの課題をヒアリングしたうえで、最適な施策を見極め、その施策に適したマーケターを紹介する。
これにより精度の高いマッチングを実現できる。マーケターとの契約は業務委託のため、採用や雇用のコストが少なく済む。また最短3ヶ月からの短期間で契約が可能だ。さらに、マーケターと同社をつないだチャットコミュニティを用意。派遣されたマーケターの専門領域外の解決できない課題については、同社がバックアップしてサポートする体制を整えている。
デジタルマーケティングの
ワンストップソリューションへ
Faber Companyは、2005年に創業。SEOコンサルティングを起点に、「MIERUCA」をはじめとした各種デジタルマーケティングツールの提供やインハウス化支援など、さまざまなサービスを展開、事業者のフェーズに合わせたサポートを実施してきた。今後は、“デジタルマーケティングのワンストップソリューション”として、集客チャネルの拡充やコンバージョン数アップなどに寄与する機能開発など新たな展開を予定。今後も「ツール」と「リソース」で事業者のニーズに合わせたデジタルマーケティング支援を目指す。
近年、個人情報保護の観点から、Cookieの規制が強まっている。今後は、サードパーティーCookieに依存しない、チャネルの活用が求められる。SEOは時間や労力がかかるものの、コンテンツ拡充によって自社サイトはマーケティングに欠かせない“資産”になっていく。継続的な集客力アップやサイトの成長のためにも、事業者には自社コンテンツの見直しと改善が求められ続けるだろう。
ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~
本記事は、2022年3月31日に発行された冊子「ECのミカタ通信vol.23」に収録されています。
EC事業者皆様の、今後の”あるべき姿”を追求するテーマの第一弾として、特に「集客・接客」について多くの取材記事を掲載しています。
完全無料でダウンロードができますので、是非下記よりご利用ください。